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【9/2中日戦○】9月の始め、村上くんの50本の積み重ね
久々に来た神宮は、吹く風がいつのまにか少し冷たくなっていた。いつもいつも、夏はあっというまに過ぎ去ってしまう。ナイターが気持ち良い季節というのはほんとうに、一瞬だ。
いつだったか高津さんは「大切なのは9月」と言った。あまりに順調な6月と、その反動のようにあまりにも不調だった7月と8月前半。しんどい時というのはそれが一生続くように思えてしまう。でもそのしんどい最中に高津さんは「9月を見据えて」というようなことを、言った。それはとても程よい場所にある、道標のように、私には思えた。
その間、村上くんは一人コツコツと打ち続けた。チームはみんなが離脱し、ピンチを迎え、大好きな哲さんもいなくなって、そして戻ってきてもどうしてもペースをつかみきれない中、とにかくどんな中でだって、一人コツコツ打ち続けた。大きな1本を積み重ね続けた。それがどんなにどんなに、報われなくても。
「報われないこと」というのは、思い返せばヤクルトたちにたくさんたくさん降りかかってきたことだ。先発がどれだけ好投してもうしろでひっくり返されることもあれば、野手がどれだけ大量得点をあげてもそれ以上に投手が取られることもあった。もちろん、投手が必死で抑えても、野手が援護点を取れないこともあった。てっぱちが満塁ホームランを打っても、サイクルヒットを達成しても、勝てないことだってあった。日本シリーズの逆転3ランが幻になることもあった。
野球はチームスポーツだから、一人がどれだけがんばっても「報われないこと」というのは、山のようにある。そしてそれは多くの場合、どんな仕事でも同じことだろう。子育てだってなんだって同じだ。「これだけやったのに」結果がついてこないことなんて、もう驚くほどあるはずだ。
でも、どれだけ報われなくても、そこで努力を止めないことが、本当に大切なことなのだろう。村上くんはそこで、折れなかった。バットを止めなかった。努力することをやめなかった。その時打ち続けたヒットは今の打率につながり、そして打ち続けたホームランは、今日の史上最年少でのシーズン50本塁打につながった。「結果はあとからついてくる」のだ、ほんとうに。
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