【7/7巨人戦○】どんな時も、また明日がやってくる
負けたときはとにかく、いろいろと、そこからも学ぶべきものがあるとか、良きものもあるとか、きっとそれを糧にするとか、そういうことをつらつらと、言い連ねる。そして、書き連ねる。
それは多くは、自分に言い聞かせているのである。
ここから連敗したらどうしようまた急に調子を落としたらどうしようなにかの歯車が狂ってしまったらどうしよう自信をなくしてしまったらどうしようもうみんなみんな打てなくなってしまったらどうしよう。
そういうぐるぐるとした思考と不安を、いやいやいやいや。と、なんとか追いやる。そういうことはまあたしかに起こるかもしれないけれども起こらないとは言えないわけだけれども、でもそれもひっくるめてそれは「ものすごく悪いこと」ではないのだと。
まあつまり、不安になるわけです。いついかなるときも、あの大型連敗がまたやってくるんじゃないかと、どうしてもその思考から逃れられない。
それでもヤクルトたちは今年、とにかく、そういう暗い予感みたいなものを、ふきとばしてくれる。不安になるたびにいつだって、誰かがその不安を拭ってくれる。「明日はてっぱちに一本が出ますように」と書くと、てっぱちは本当に打ってくれる。「次は田口が抑えてくれますように」と書くと、田口はほんとうに抑えてくれる。それは私が予言するわけではもちろんなくて、その試合その試合で悔しい思いをした誰かが、いつもすぐに、自分でその悔しさを乗り越えて晴らしていくのだ。だから見ている私の気持ちもそこで、すっと落ち着いていく。
そうとにかく、たくましい。たくましいなあと思う。
みんなきっと、いろんなものを抱えて戦っているのだ。前の日にチャンスで打てなかったことも、ピンチを切り抜けられなかったことも、そうじゃなくても子どもが夜泣きでなかなか寝られなかったとか、パートナーとけんかしたとか、なんか食べすぎて調子が悪いとか、もういろんなことがあるはずだ。選手たちにも仕事と日々がある。私と同じように。
だけどとにかくまた翌日になれば、朝起きて、そして「みんなに会うのが楽しみだ」とかなんとか思いながら、クラブハウスへ行く。そしてきっと高校の教室みたいな空気の中で、「よし今日もがんばるか」と、小さなスイッチを入れる。毎日毎日、それを繰り返していく。
カツオさんが先発の日に、てっぱちが打ち、青木が打ち、村上くんも塩見も打ち、そして内山くんも長岡くんも丸山くんも打った。勝ちたい日に、勝たせてあげたいピッチャーの日に、しっかりと勝った。
しんどいこともある。信じられないようなことが起こる。なかなか消化できないこともある。暗いニュースがとびこんでくることもある。
だけどどんな時も、また明日がやってくる。くりかえしくりかえし。できることはいつだって結局のところ、今日だって、いつもと同じように球場へ行き、ボールを投げ、バットを振ることだ。勝つ日も、負ける日も。うれしい日も、悲しい日も。
それを私はいつも、ヤクルトたちから学んでいるのだと、そう思う。
やりきれないニュースを抱えながら、でもできることは、いつもと同じ日々を過ごすことだと、そう自分にまた、言いきかせながら。
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