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このチームを応援しててよかったと100回くらい思ったから 【6/16日ハム戦⚫️】

なにごとも、何時も、うまくいくなんていうことはありえない。それをこのチームから痛いほど教えられてきたはずなのに、それでも悔しいという感情や、腹立たしーという感情が、出てくる。別にこちらの勝手で応援しているだけなのだから、腹が立たれたって向こうも困るだろうとは思うのだけれど。

と、ここで思い出すのは平家物語の冒頭である。これはほんとに、世界で一番美しい名文だと思う。

まあヤクルトが「たけき者」なのかどうかはさておき、諸行無常と盛者必衰は間違いなく世の真理である。どれだけ強いチームもいつかは負ける。ヤクルトに至ってはひっくり返っても「どれだけ強いチーム」とそもそも分類されるチームではないわけで、ちょっと交流戦の調子が良かったからって調子になんか乗っちゃいけない。負けるときは負ける、というか本当に負ける、ものすごく負ける。すんごい消化不良の負け方とかもそもそもお手の物だったじゃないか思い出すのだあの頃の強靭なメンタルを!

というわけで、終わってすぐは悔しいを通り越して久々に腹立たしかったのだけれど、時間が経つと今日もまた、「・・・・・・・まあ、そういう日もあるわな・・・というか、そもそもそういう日ばかりだったじゃないか・・・」という、いつもの境地に達している。

だてにここまで修行を積んできたわけではないのだ。たかだか2連敗で、たかだか総力戦に持ち込んだ9回表の1死2、3塁の最大のチャンスを迎えた場面での(またもや)意味不明なゲッツーで、落ち込んでいる場合ではない。腹を立てている場合ではない。私たちはこの一ヶ月、ずっと「春の夜の夢」を見せてもらったのだから。そうだったそうだった。(なげやり)

だけど春の夜の夢は、とても美しかった。それはとても力強く美しい夢だった。いつかは散りゆくものだけれど、ずっとそこにあり続けるものではないけれど、ふわふわとしていたその夢に私は励まされ続けた。なんといっても、ぼろぼろに弱かったチームの健闘はあまりにドラマチックで面白かった。このチームを応援していて良かったなあと、100回くらい思った。

「風の前の塵」のように、勝ち星は儚く散っていったけれど、それまでに散々励まされてきたのだから、まあこれはこれ、と受け止めることしかできない。「諸行無常」というのは、勝つチームにとっても負けるチームにとっても言えることだ。すべてのものは、移り変わる。

人はいつも欲張りになってしまうけれど、だからこそ盛者はさらに強くなるのかもしれないけれど、まあでも勝てる時も負ける時も、強いときも弱いときも、応援してゆきたいと思います。春の夜の夢は、儚いからこそ美しいのだ。


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