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「おひさま病」を、乗り越えて 【6/6日ハム戦⚫️】

なかなかすんなりとは、行かない。このもどかしさが、どうもずっと続いている感じはする。そして季節は梅雨を迎える。雨はなかなか止まない。身体はずっと重たく感じる。

京都の北部は、冬になると雨や雪が降りやすく、晴れ間がのぞく時間が少ない。他地域から引っ越したばかりの母の友人が、一時期その天候に気分が沈んでしまった、と言っていた。「おひさま病」と、彼女は呼んだ。「おひさまが見られへんと、気持ちが沈んでしまって」と。(もちろん、その地域の冬の景色はとてもとても美しい。なにごとも、いろんな面があるのだ。)

十数連敗中の選手も、ファンも、一種のおひさま病だったのかもしれない。どしゃ降りだけじゃない、どんよりした曇り空も、それはそれでなかなかに滅入ってしまうものだ。そしてなかなか勝ち星がつかないライアンも、同じなのかもしれない。

解説のがんちゃんは何度も、「この決め球ですね、これが決まらない、ファールになるのはどういうことかというのを、考えなければならない時期に来ているんですよね」と、ライアンを見て言った。

そういうことはきっと、長く先発をやっていれば誰もがぶつかる壁なのかもしれない。いつもいつまでも、誰だってハタチのままいられるわけじゃないのだ。

オフの1月、ライアンは新しいフォームを試しながら言っていた。

「変えていくことが、成長につながると思う。手応えはあるし、これからいいボールを増やしていきたい」

フォームを変える、変えない、そういう具体的なことの是非はもちろん私には1ミリたりとも分からないわけだけれど、それでもライアンが何かに挑戦しようとしていること、このままじゃきっと何かが足りないと感じていて、変化をもって前に進もうとしていることはとにかくひしひしと伝わってきた。そしてそういう姿勢自体は、ものすごく大切なことだよな、と私は思った。

シーズンは始まり、試行錯誤をする時間的余裕はなくなってしまったかもしれない。そして、チームも、ライアンにも、どうも梅雨のような雨が降り続き、たまにのぞいた晴れ間はすぐに雲に隠れてしまう。思わず気持ちは滅入ってしまうかもしれない。

でも、ライアンは「変化を恐れず成長しよう」としていた。その姿をオフにたくさん見せてくれた。

誰しもぶつかる壁があって、その時少しでも晴れ間がのぞいてくれれば、気持ちだって楽になり、壁を打ち砕いていく勇気だって持ちやすい。だけどそういう力が、雨続きの季節にはなかなか湧いてこない。しかも雨の日には、古傷まで傷んでしまう。ノーノーとか思い出すかもしれない。(関係ない)

だけどこの雨にじっと耐え、晴れた日のイメージを持ち続け、その日に向かって静かにボールを投げ続けた人にだけ、きっと晴れの季節はやってくる。朝のランニングの足も重たくなる季節だけれど、それでもただ走り続けているうちに、神宮の生ビールが最高に美味しい季節がやってくる。

みんな、同じ場所にはいられない。変化する勇気はいつだって必要だ。そしてライアンはきっとそれを知っている。

そう、ライアンは悪い残像を残してこなかったのだ。だからこそライアンはきっとこの苦境を、乗り越えていけるはずだ。その時きっと、また強くなる。

チームも、ライアンも、ファンにも、たくさんの光が注ぐ日が早く来ますように。あと週末のお天気がもちますように!!!


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虫明 麻衣(Mai Mushiake)
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