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【7/31阪神戦○】それは「才能」だけで打った37本じゃない。

土曜の深夜に京都から帰ってきたわけですが、帰ってきてなにが一番大変かというと、荒れまくった家の掃除である。深夜から息子の宿題の丸つけをしてさらに片付けをし、翌朝も片付けの続きをしていたらすっかり疲れてしまい、午後はスーパー銭湯へ行くことにした。夏の疲れをみんなで癒そう作戦である。もちろん、この二日の敗戦の疲れも癒そう作戦である。

観戦エッセイがまだ終わっていなかったため、銭湯についてみんなお風呂へ入るのを横目に、私はまず休憩室でエッセイを書き上げることにする。バタバタとしているうちに、試合も始まっていた。

じゅりは今日はテンポよく、阪神打線を抑えているように見えた。とにかく疲れ切っていた私は、あとをじゅりに任せて(あとを任せて、とは。)、お風呂に入ることにした。試合の途中経過は、スポナビ経由でApple Watchに届くことになっている。こういうことだけは準備万端なのである。

ひたすらに、「0-0」を告げる通知が、手元には届いた。久々のサウナでととのい、露天風呂の空気に吹かれていると、「まあ、細かいことはいいじゃないか、ヤクルトが連敗しても7月の雲行きがどうも怪しくてもまあそれで世界が終わるわけじゃない」と、そんな気持ちにもなってくる。

終わらない原稿、パツパツの夏休みスケジュール、打てない打線、続くエラー、重なる失点…そんなささいなことに縛られることはないのである。もっと広く雄大な心でもってしてこの世界を生きるべきである。と、広い露天風呂で思っていたら、手元には得点の通知が届いた。

阪神2-0ヤクルト。

…また失点してるやないかい。

いや、やっぱり原稿は終わらせなければいけないし、夏休みはなんとか回さなくてはいけないし、打線が打たなきゃいけないしエラーは防がなきゃいけないし失点している場合では、ない。どれだけサウナで私がととのったところで、それが全て解決するわけではない。当たり前だ。

私は慌ててお風呂から上がり、休憩所へ向かう。漫画を読んでいた息子が「じゅりは?」と聞く。「どうやらまた打たれてるしどうやらまた交代している。」と私は答える。でもまあとにかくごはんを食べようではないか。どんな時だっておなかはすく。

食事どころで各々好きなものを頼み、私はワインを飲みながら配信をつける。この2点差といのは、調子が良いときにはたいした差ではない気がするのに、調子が良くないときにはもう絶望的な数字にも見えてくる。スコアボードに0が刻まれるたび、私はため息をつく。なかなかうまくいかないねえ…と、ワインを飲む。

でもこういう、鬱々とした気持ちを吹き飛ばすのが、昨今の村上くんである。「ここぞ」で力を発揮するのってほんとうは難しいのだ、と痛感した7月だったのに、村上くんだけは「ここぞ」で打ち続けた。その精神力はいったいどこからくるんだろうと、つくづく思う。

7回表、村上くんは大きなホームランを放った。そして今日も厳しいかという空気の中、9回表にはクローザーの岩崎から、同点のホームランを放った。息子は「オールスターでギータに打ち方聞いてきたんじゃない!!!」と、にこにこと言った。

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