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東京ヤクルトスワローズ観戦エッセイ

ヤクルトが勝った日も、負けた日も、打った日も、打たれた日も、ノーノーの日も、(ほぼ)毎試合、観戦エッセイをアップします。勝った日は喜びを倍にし、負けた日は悲しみを半分…いや8割……
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2021年6月の記事一覧

【6/29阪神戦●】負けた日も律儀な田口に、はっとさせられる

とにかく仕事が溜まっている。あっちもこっちも溜まっている。こういう時、よく「もうひとり自分がほしい」なんて言うじゃないですか、しかし、正直言って私がもうひとりいたところで、特に状況は変わらない。効率は悪いしすっとぼけているし私が特に一人いても二人いても何ら変わらないのである。したがって、できることなら私よりもっとずっとデキる人が一人いてほしい。当たり前だけど。 こんな時、フリーランスは孤独である。いつまでたっても私の仕事は、この効率は悪いしすっとぼけている自分によってなされ

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【6/26・27巨人戦●●】同じ失敗を繰り返しても、それでも

6/26巨人戦● 良き撮影終わり、スマホで速報を確認すると、ヤクルトは9失点していた。 なるほど。9失点。 片付けながら次に確認したときには、10失点になっていた。 なるほど。10失点。

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【6/25巨人戦●】なおみちがなおみちの場所を、なおみちにしかできない仕事を、つかみとりますように

守備でファインプレーを見せたなおみちが、なんだか照れくさそうにはにかんでいる姿が、バックスクリーンに大きく映し出された。 私はほっとしたような泣きたいような、なんだか不思議な気持ちになってしまう。 いつだったか、ドームでの巨人戦の後(たしかひどくボロ負けした試合だった)、むすめと「やけ焼き肉」に行ったら、ビルの前でなんとなおみちに会ったことがあった。 その時、なおみちは怪我で離脱中で、しばらくその姿を見ていなかったのだ。 びっくりして固まる私に、なおみちは「(エレベー

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【6/23・24広島戦◯◯】そこにしっかり戻ってくるシミノボと、若いバッテリーの希望と。

6/23広島戦◯ なんといってもこちらはもうすっかり、17:30に試合が始まり21時前にはしっかり終わっているという生活に慣れてしまった身である。 もう21時をすっかり過ぎてからマウンドに立つうめちゃんと清水くんを、なかばソファでうとうとしながら眺めていた。 そう、21時には眠たくなる小学生のような生活を送っているのだ。しかも、なんというか序盤の試合展開が、えらくハードだった。 先制する、逆転される、また逆転する、すぐに追いつかれそうになる…。長い。とにかく、長い。取っ

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【6/22広島戦◯】悪い残像はいつまでもいつまでも、残っていくわけじゃない

息子の髪を切りに行ったついでに、息子の好きな店で久々にスパークリングワインを飲んでいたら、家に帰るのがすっかり遅くなってしまった。 息子と出かけるたびなぜか鉢植えを買ってしまうのだけれど、今日もまた例にもれず買ってしまった。「ママが息子とでかけると絶対植物買ってしまう現象いったいなんなんやろ?」と聞くと、息子は「ママグリーン化現象」と言っている。わかるようなわからないような。(わからない。) とにかく重たいグリーンを抱えながらバスを降りる。荷物をおろしてスマホを見ると、1

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【6/20中日戦◯】息子はあの奥川くんの15回のマウンドを覚えている、と言う

久々の久々の久々に、息子と二人で観戦に来た。いや、久々もなにも、もしかすると二人というのは初めてかもしれない。 二人でバックネット裏2階にゆったり座り、日曜の午後にまったり野球を見る時間ときたらこれは、なかなか至福の時間である。なんかだんだ、ノンアルコールビールもおいしく感じられるようになってきたし。 6回裏、奥川くんは1アウト1,3塁のこの試合最大のチャンスで村上くんがファーストゴロを打ち、ホームに走った塩見がアウトになるのをベンチ前からそっと見届け、そしてまた、前を向

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【6/19中日戦●】みんなにそれぞれ任された仕事と、目指すべき場所がある

試合前、明日が父の日ということもあり、球場にはサンタナとオスナ、そしてマクガフのご家族からのビデオメッセージが流された。 オスナは、かわいいかわいいお子さんたちと妻さんからのメッセージを見て、ほんとうにうれしそうに笑っていた。 昨日、巨人のスモークが自国へ戻ることができてむすめさんに会ったときの動画を見て泣いたばかりだったので、そのビデオメッセージはなおさら、胸に迫った。

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【6/18中日戦◯】カツオさんの姿を見ながら、チームが成長していけること

6回裏、ノーアウト1塁で迎えた打席でセカンドフライを打ち上げたてっぱちは、めずらしくかなり悔しそうな表情を浮かべ、太ももをぽんと叩いた。そしてベンチに座り、手袋を(いたって控えめにではあるけれども)前の荷物置きに放り投げた。 バックネット裏二階席からは、遠目にだけれどもベンチの様子が見える。 その時、カツオさんはてっぱちから2席ばかり空け、端っこの席に座ってじっと試合を見つめていた。 そうか、カツオさんはここまでなのだ。そしてこの回に勝ち越さないと、カツオさんの勝ちはな

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【6/13ソフトバンク戦◯】誰よりもまず、自分のために

いついかなる時も浮かれてはいけない。これはヤクルト戦ならびに人生の鉄則である。 ですが少しだけ今日は浮かれていたい。ソフトバンクに三連勝である。それだけではない。今日は日曜日で、しかもここからしばらく試合がない。 つまり。 ヤクルトは約5日間、三連勝のままなのである。 …日本語の意味がよくわからない。わからないけれどもつまりちょっと浮かれている。 いや、いついかなる時も浮かれてはいけないのだけれど。 さて三連勝のトリを飾ったのは、我らが(我らが?)けいじくんである

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【6/12ソフトバンク戦◯】息子とのおでかけ、てっぱちが打ちまくる季節

久々に、息子と二人でお出かけ。もう一ヶ月ほど前からこの日、と決めて予定をしていた。5年生はやれサッカーの大会だやれ塾のテストだやれ友達との約束だと、ほんとうにスケジュールを押さえるのが難しい。売れっ子タレントのようである。 売れっ子タレントのスケジュール押さえたのにはわけがあって、こどもたちの誕生日近辺に、それぞれ「二人でおでかけ」の日を作るようにしているからだ。子どもたちと私3人という組み合わせは多くあれど、子どもたちそれぞれと二人になることってなかなかないので、意識して

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【6/11ソフトバンク戦◯】カツオさんの冷静と情熱の間に

★こちらの記事は、最後まで全文無料で読めます! カツオさんはいたって冷静に、一人ひとり強力なソフトバンク打線を打ち取っていった。 村上くんがホームランを打って1点を取ったあとも、バッターボックスにバレンティンが立った時も(ココちゃん!)、全く動揺を見せず、表情を変えず、それまでと同じテンポでリズムよく、冷静に投げ続けた。 特に6回表、打線が1死満塁のチャンスを生かせずゲッツーで終わった直後も、カツオさんはなんと三者連続三振であっさりと3アウトを奪った。 こういうところ

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【6/10ロッテ戦●】 若さは伸びしろであふれるけれど、人はいつまでも成長していけるのだ、と思う

佐々木朗希くんはもうほんとうに、ものすごい存在感でそこに立っていた。(ところでGoogle日本語入力は「佐々木朗希」がまだ変換されない!) 1回に青木が見逃し三振になったとき、なんとこれは手強い相手であることか、と、思った。またもや翻弄されてしまうのではないか、と。 誰が最初に佐々木くんからヒットを打つのだろう、と、なんとなく考えていた。塩見も青木もてっぱちも打てない、それなら打つのは・・・ 村上くんである。 一度きりの「初めての対戦」で、村上くんは佐々木くんから大き

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【6/9ロッテ戦◯】このチームが来年には形を変えていることを、どこかで知っているからこそ

もしヤクルトが100%の戦力で戦うことができたら、と、たまに考える。野手も投手もみんなの調子が絶好調で、けが人は一人もいなくて、なんかいつもみんなが「全盛期」で。 でももちろん、そんなことはありえない。怪我で離脱する誰かがいて、二軍で調整する選手がいて、いつもとはちがうポジションでもがきながらもう一度上を目指す選手がいる。 いつだって、今ある戦力で、その中で最大限にできることを考えながら戦っていくしかない。 急遽9回のマウンドを任されることになったマクガフを見ながら、い

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【6/8ロッテ戦●】被安打12、与四球1、という数字。

塩見と青木は二者連続でホームランを放った。しょっぱなからそうやって飛ばしてくれるとたいへん盛り上がる。一方で、心の隅の隅の方に「またやり返されるんじゃないか…」という一抹の不安がよぎる。トラウマというのはなかなかに、根深いものなのだ。 「いついかなる時も浮かれてはいけない。」そのとおりです。ヤクルトの試合を見ながら私はもう500万回くらい同じことを思った。これはきっと生きる上で大事な心構えなのだ、と言い聞かせるようになった。勝って兜の緒を締めよ。いや、勝ってないけど。

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