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東京ヤクルトスワローズ観戦エッセイ

ヤクルトが勝った日も、負けた日も、打った日も、打たれた日も、ノーノーの日も、(ほぼ)毎試合、観戦エッセイをアップします。勝った日は喜びを倍にし、負けた日は悲しみを半分…いや8割……
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2021年5月の記事一覧

【オリックス戦5/29◯-5/30●】その選手の復調は、チームにとって必要なことなのだから

投手には、勝ち負けの成績がつきまとう。「勝ち打者」「負け打者」という言葉は存在しないけれど、「勝ち投手」「負け投手」という言葉はしっかり存在し、試合結果に名前が記録される。 野球はチームプレイだけれど、一対一で投手と打者が向き合う限り、そこには個人の色が濃く存在する。特に投手は一人でマウンドに立ち、勝ち投手や負け投手というその分かりやすい言葉に加え、ホールド、セーブ、あらゆる結果がつきまとうのだ。 この2日間、それを痛いほどに、感じていた。

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【5/28 オリックス戦●】日常の延長の、ちょっと特別な日

息子の誕生日である。聞くところによると、五十嵐さんとノウミさんも同じ誕生日らしい。いけめんの日である。もはやこの日に生んだ私がグッジョブという話である。どうかお二人のように心身ともにいけめんに育ちますように。 そんなわけで、今日は心身ともにいけめんに応援する日である。いけめんの応援とはなにか。わからない。そういうことは深く考えてはいけない。

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【5/27 日ハム戦◯】その笑顔と一勝を守ることで、チームも成長していけますように

これまで、人に対する「尊い」という言葉の意味がいまいちよくつかめてなかったけど今日わかった。 奥川くんのことを人は「尊い」と言うのである。間違いない。尊い。 相手のエラーで出塁した時、てっぱちキャップの一打でホームに戻ってきた時、勝利が決まった瞬間、奥川くんはとても尊い笑顔ではにかんだ。宝だ、球界の、いや日本の宝だよ、と、私は思う。

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【5/26日ハム戦◯】 うまくいく日もいかない日も、満月も新月も月が欠ける日も

日ハムのユニフォームを着て、ヤクルトのタオルを掲げる人がいる。てっぱちの応援歌を歌う人、東京音頭で嬉しそうにリズムを取ってくれる人。そして、親子や夫婦で別のユニフォームを着て応援する人。 三塁内野のこういう雰囲気が、私は結構好きだなと思う。あるいはそれは、交流戦ならではの景色なのかもしれない。もしくは、ヤクルトと日ハムの関係だったりするのかもしれない。

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【5/25日ハム戦●】いつもの景色、少し違う景色、やちくんのいる神宮

三塁側内野席からは、日ハムのブルペンがよく見えた。 「上沢だ!!!上沢!!!」と息子が言う。「ほんとだ!!!しゅっとしてる!!かっこいいね!!!」 「あ!!!ママ!!!杉谷だよ杉谷!!!ほんものの杉谷だ!!!!!!」と、今度はベンチを見てテンションが上がっている。 普段なかなか神宮で見ることのないパ・リーグの選手たちに会えるのは、なんだか思っていた以上にうれしいものだ。いつもの景色、でもいつもとは少し違う景色。この「少し違う」だけで、ものごとは急に、楽しさを増す。 く

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【5/23横浜戦◯】うまくいかないときは、変化の時なのかもしれない。

誰かを好きになることは、痛みと喜びであふれている。 ヤクルトを応援しながら、そしてヤクルトを応援する人たちを見ながら、何度も思ったことだ。 いつだったか、ぐっちがホームランを打ち、石山が9回のマウンドに上がったた試合があった。

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【5/22横浜戦◯】孤独で孤高のマウンドで

収容上限5000人の土曜ともなると、さすがにチケットが取りづらくなる。と、いうか、私の場合いつも発売日…までは覚えていても発売の時間をすっかり忘れるので…と、いうか、5分前にアレクサがリマインダーしてくれてもその5分の間にすっかり忘れるので(もうほんとうに脳に欠陥があるとしか思えない)、いつも時間を過ぎてからスワチケのサイトを確認しては「!!!もう全然ないやん!!!」と、いうことになる。 おそらく今日のチケットもそういうことだったのだろう(なんといってもその時のことはもうす

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【5/21横浜戦●】そこで戦い続ける限り、応援する人がいる

いつもは負けたチームのヒロインなんて聞かずに帰るのに、雨で濡れたいろんなものを片付けるのに時間がかかってしまい、大和のインタビューの冒頭を聞くことになった。 「ベイスターズファンのみなさんへ、今の率直なお気持ちをお聞かせください!」とインタビュアーが聞く。「そりゃそうだ、私にお気持ちを聞かせていただいても困るもんな」と、私はトボトボ荷物を片付ける。 「最高です!!!!!!!!!!!!!」とでも答えるのだろうかと思った大和は、静かに、 「その前に、自分のエラーから失点を許

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【5/19阪神戦●】8回2アウトからのノーノー阻止と、ナイスガイ田口

いやわかる、わかるよ、わかる。 私だって叫んだのだ。 逃げ恥を一度も見たことがないわたしですら叫んだのだ。 そういえばむすめの名前を考えている時、夫が「結衣とかいいんじゃない?」と言ったことを思い出した。「麻衣の『衣』も入ってるし、いいと思う!」とかなんとか前のめりに言っていたが、よくよく問いただすと新垣結衣の「結衣」にしたかったらしい。なんなんだいったい。 まあそんなわけで、ガッキーと星野源が結婚というとんでもないニュースが日本を、いや世界を、そして球界を(たぶん)

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【5/18阪神戦◯】サイスニードはバットを折ってそして走る

やけにテレビの向こうが静かだな、無観客試合だっけ…?と思ったら、もう時刻は22時を過ぎていた。甲子園にはもう、鳴り物(録音だけど)も響いていなかったのだ。 試合開始時間が早まったり、9回打ち切りだったりで、こんな時間まで野球を見ることが久しくなかった私は、終盤思わずうとうとしてしまっていた。 まったく、野球観戦持久力が落ちている。と、思いながら、いつのまにかそこに立っていた吉田くんを眺める。11点差で迎える9回裏、というシーンのある種の投げづらさみたいなものはきっとあるだ

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【5/16中日戦△】重さを背負って臆病になって、だからこそ人はきっと、強くなる

朝、Apple Watchの曲をシャッフル再生にしながら走っていたら、 Official髭男dismの「宿命」が流れた。 なんの曲だっけこれ…と走りながら考えていて、ああそうだ、奥川くんの登場曲だ、と思い出した。 去年、奥川くんの初登板の日にこれが神宮に流れて、息子が「ああ奥川くんこの曲なんだね!これあれだよ、甲子園のテーマソングだよ!」と、教えてくれたのだ。なるほど、それは奥川くんにぴったりだ、と思った。

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【5/15中日戦◯】エースも最初から、エースだったわけじゃない。

うまくいかないとき、それが続く時。それはきっと、誰にだってある。エースと呼ばれるピッチャーにだってそれは、ある。 その時何より大切なのは、調整して元に戻す、改善する、その力がなのだ、と改めて思う。 それが、きっと何より難しいことだからこそ。

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【5/14中日戦◯】予期せぬこと、はいつだって起こるけれど

突然次期エースに浮上した金久保くんは、今日もまたすばらしい投球を続けていた。最初から期待を背負いまくった未来のエース、というのももちろん楽しいけれど、こういう突然浮上してくる次期エース、というのも見ていてほんとうにワクワクする。予期しない(良い)こと、というのはやっぱり、台本のない野球の醍醐味だったりするのだろう、と思う。 だけどそれは同時に、予期しない(悪い)こと、というのも運んでくる。なんだって表と裏がある。野球に表と裏があるように。

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【5/12広島戦△】ビールもない、点も入らない、そんな日もてっぱちの盗塁は光る

「そうだ、そーれが見たかったんだ。」 と、となりでてっぱちタオルを掲げたおっちゃんは、一人しみじみとつぶやいた。

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