うちのオレンジ
みかん、じゃなくて「オレンジ」なんだな、これが。
ほんの数年前からいきなりたくさん実が付きだした謎の柑橘類。
季節は冬。お正月前の寒くなって来ている頃です。それこそいわゆる「みかん」、つまり温州みかんも店頭に並ぶ時期でした。
重さのあまり、枝が下にしなるほど。
この写真では結構熟しているように見えますが、最初に見たときはなんだかいつまで経っても青い色が残っていました。
「あのみかん、何? まだ青いから熟れてないんじゃない?」
と恐る恐る切ってみると、中は美しい輝きで果汁もたっぷりあるようです。
「じゃ、食べてみるか」
と口に入れてみると、なんと素晴らしく美味しいではありませんか。明らかに温州みかんとは違う、まさしく「オレンジ」! オレンジがうちでできるってなんだかすごくありませんか?
わが家は大分の田舎にあります。夫の実家は元々農家だったので土地はたくさんあり、家は味噌汁の冷めない程度の距離の場所に建てました。なので、何か植えたい果樹があれば、どこでも植え放題です。
まあ、植えてもイノシシに掘り返されたり、ジェイソン(義父)に刈られたり、草に負けたり、と生存できるかどうかは微妙ですが。このオレンジは梨農家の親戚からもらったもので、さすがプロだけにいい苗だったのでしょうか。ほったらかしで恐ろしいほどの成長です。
「さて、このオレンジは何という品種なのかな?」
に実が付く、どっしりタイプの丸いオレンジ……調べてみるとすぐ分かりました。どうやらスイートスプリングのようです。
ハッサクと温州みかんの一種、上田温州の交雑種で、品種登録が1982年というからなかなかに新しい柑橘類ですね。皮は結構しっかりしていて中身はオレンジ色の果肉で甘味があり、ジューシー。手で剥くのには向きませんが、実を横にカットしてから三日月型に切るスマイルカットがおすすめです。
皮との間に切れ目を入れておくと、すぐに食べられます。うさぎリンゴの耳を作らない感じ? パフェのグラスに掛けてあるようなカットですね。
生で食べるもよし、果肉だけ取り外してゼリーにしてもよし。皮が厚いのでマーマレードにしても美味しいですね。今はまだ冬のさなかで寒すぎますが、果肉を冷凍して取っておけば5月の連休の少し汗ばんでくる陽気のときにオレンジシャーベットも食べられます。
スライスして少し甘く煮てから乾燥させチョコをかければオランジェットもできちゃうかも! ちょっと手間はかかるからあんまりやらないかな。
といえば春から秋に実が付くものが多いもの。季節外れの冬にこれだけ楽しませてくれるスイートスプリングは、やしぼうの大切な宝物です。
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