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【正しいマナーとは?】ルール?展@21_21 DESIGN SIGHT

 今回は、先週の日曜日に訪れたルール?展のレポートです。ざっくりまとめると、展覧会そのものに対してより、今後の博物館経営、アートの在り方について深く考える機会となりました。以下、私が鑑賞していて感じたことを赤裸々にまとめましたので、見る方によっては不快に思われてしまうかもしれません。気になる方は文末の展覧会基本情報だけご覧いただければ幸いです。あ、でもコンセプトや、作品など、展覧会としては素晴らしいですからね!誤解を招きませんよう、念押ししておきますね!

タイトル上画像は、21_21 DESIGN SIGHT 公式サイトからお借りしました(http://www.2121designsight.jp/information/)。

21_21 DESIGN SIGHT 概要

 21_21 DESIGN SIGHTは東京の乃木坂にあります。館内は抽象的な印象を与えつつも、洗練された空間となっており、建築のファンになってしまいそうです。SNSで取り上げられることも多いため、展示内容にもよりますが、土日は事前予約をしていても混みあいます

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展示内容

 今回のルール?展は、日常に溢れかえる「ルール」を再認識し、アートとして楽しむことができる展示でした。入口でもらったパンフレットにスタンプを押すことから始まり、色とりどりのセリフが異なるスタンプを選ぶひと時も楽しかったです。

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鬼ごっこのルール表は、分かりやすくも美しく、異なる地域出身者、世代での会話が弾むような作品でしたし、鑑賞者参加型の展示も豊富で、多くの人で賑わっていました。

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ビデオやプロジェクションマッピングなども展示に取り入れられている上、空間に対する作品数も比較的少ないため、普段美術館に行き慣れていない人にも楽しみやすい展示かな、と思います。しかし、閉館ギリギリに行くとビデオが見られない可能性が高いので、早めのご来館をお勧めします。(私は日曜の閉館1時間30分前に行きましたが、列に並べませんでした。)

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1人じゃ楽しめない?

 さて、上記に挙げたように、新鮮なアート体験が経験できたルール?展でしたが、正直、モヤっとしてしまったのです。

鑑賞者のマナーが悪い

 この一言に尽きます。まだ、国内の20程の展覧会にしか訪れたことの無い私ですが、鑑賞者のマナーはワーストだと思います。土日だったこともあって、館内は、混雑していました。それは仕方の無いことです。しかし、通路で明らかにインスタ投稿用の写真を撮影する女性客、鑑賞者参加型の箱や木材周辺で騒ぎ立てる集団客、彼らの世界に没頭してしまいなかなか順路を進まないカップル、そして、明らかな意図無しには付着しないような位置についたスタンプのインク…これらに対してはどうしても、気になってしまいました。

 もちろん、美術館や博物館の楽しみ方は多様であって良いと思います。近年、21_21 DESIGN SIGHTのような美術館類似施設、その他の博物館施設においても、いかに集客するか、という点が課題になっていると思いますので、このような大衆受けする展覧会を開催することは必要不可欠であるように感じられます。

 しかし、何でも限度はあります。館の案内においても、ルールの改善が図られた形跡がありました。しかし、一部は改善されたとしても、標準的にはなっていない印象を受けました。集団で来るとはしゃぎすぎてしまうなら、独自にカップル料金、団体料金などを設けても良いのでは?と感じてしまいました。現状、1人で、静かに鑑賞している方にとっては、不快でしょう。

 まだまだ書き足りないですが、これ以上は展覧会の概要からは脱線しすぎてしまうため、また別の機会に。

【追記】来館直後は、不快だ!と思っていた私ですが、一部の来館者のこのルール展に対する認識が、単なる美術館ではなく、体験型のアクティビティ施設であったなら、そして、主催者側もそれを狙っていたのだとしたら、正しい楽しみ方であったのかもしれない、と考えるようになりました。これからの美術館において、正しいマナーとは何なのか、常に考える必要があると感じました。

今回のイチオシ!

『鬼ごっこのルール』大きなパネルに、「鬼がいる」というルールから派生した鬼ごっこが、見る人に分かりやすく、そして、美しくデザインされています。懐かしい鬼ごっこから、何それ!?な鬼ごっこまで、幅広い年齢層にウケる作品です。

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『D.E.A.D.』死後の個人データや、著作権の保護に関するコーナーです(現状、これらを保護する法は定められていないみたいですよ)。誓約書を書くことが出来るコーナーですが、ビデオも上映されていました。亡くなった娘とVRで再会する母娘の姿が映されており、胸が熱くなってしまいました。しかし、その反面、ディープフェイクを作成され、悪用されかねないのもまた確かなことです。読者の皆さんは、これらの権利を死後も保持しますか?考えもしなかったことを考えてみるのって、新鮮で面白いですよね。

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これだけ見ておけばすぐにでも!基本情報

・公式サイト

・会期 2021年7月2日~11月28日(事前予約制)

・平均所要時間 サクサク派 ~30分 じっくり派 ~2時間

・写真撮影 〇

・年齢層 かなり低め 10~30代で、10代後半から20代が多い印象

・男女比 女性が多め

・トイレ 〇

・ロッカー ×

・音声ガイド ×

だいすきな人も、キョーミない人も、よりよいアートライフを!

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