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● 第3回 おじさんは電車を語ります 〜 京浜急行デハ1000形電車

寒さも厳しくなり、冬本番です。
どうか暖かくしてお過ごし下さい。
床下から伝わる抵抗器の放熱が恋しいでしょう。
こんな時こそ、電車の話、 " 電話 " でしょう。

京浜急行 デハ1000形電車 とは

京浜急行 デハ1000形電車 は、かつての京浜急行電鉄を代表した通勤形電車。
1968年(昭和43年) 10月から直通運転を開始した都営地下鉄1号線(浅草線)に用いる車両として導入された。
1959年(昭和34年)から初代800形として製造が始まり、1960年(昭和35年)から1978年(昭和53年)まで、356輌のデハ1000形が量産された。
2010年(平成22年)6月28日に営業運転を終了し、2011年(平成23年)3月29日に形式消滅した。

特徴

太平洋戦争が終結した1945年(昭和20年)以降、
交通機関は爆発的な移動の需要拡大に応える必要性に迫られた。
鉄道においても、多くの多様な分野において、復興や新設、整備等が求められた。

車輌においては、安全性、速達性、経済性、合理性が高度に求められ、鉄道車輌メーカー、電機メーカー、発注者である鉄道事業者等が、技術革新によって応えた。

京浜急行 デハ1000形は、
国鉄101系電車などと同様に、全金属製の軽量車体、カルダン駆動、発電制動を備えた高性能車輌であり、戦後に開花した新しくスタンダードな鉄道技術を盛り込んだ、同社における代表的な形式となった。
同様な高性能車輌として先行して登場していたクロスシート車、初代700型を改めた2代目600形の、3ドアロングシート車版として登場した。
" 高度経済成長時代の京浜急行 " として、多くの利用者に長く記憶され続け、"ミスター京急” の異名をもって親しまれた。

印象


その動力性能は高加減速性能と高速性能の両立を目指したものでした。
都営地下鉄1号線(浅草線)との直通運転に用いるため、京浜急行線内においても万能に用いるために必要な性能とされました。
75kW (1968年(昭和43年)製造まで)、 90kW (1972年(昭和47年)製造から)の電動機4台を1輌に搭載し、全車輌を電動車(デハ)とした走りは、軽快であり、痛快なものでした。

発車を始める際は、豪快な衝撃をもって乗客に伝わるカム軸進段ショックが特に印象的であり、質素な内装もあいまって「これぞ京浜急行」と言えるものでした。
台車から激しい雄叫びをあげて走り出す車輌があり、耳を澄ませてワクワクしながら座席に腰掛けたものです。
つど乗り合わせる車輌番号の確認が欠かせない楽しさがありました。
(1968年(昭和43年)までに川崎車輛でOK型台車を備えて製造され、三菱電機製の電装品をもつ編成)

乗客の身体に伝わるメカニックな衝撃、視覚、音、匂い。
「路地裏の超特急」の異名よろしく、窓を開け、レールのジョイント音を盛大に響かせて、勢いよく街中を駆け抜ける走りの楽しさ。
それらのどれもが印象深いものでした。

ギャラリー

↑2002年(平成14年)
左は1968年(昭和43年)までに製造された初期型。
右は1972年(昭和47年)から製造された後期形。
冷房機の形態、字幕の白黒反転、ジャンパホースを埋めた後の有無、
アンチクライマーの形態に外見上の違いがある。
↑2002年(平成14年)
うじゃうじゃ見かける当たり前の存在だった。京急と聞いたら思い浮かべる電車。
AR-2BAという回転翼式コンプレッサーの大きな動作音も同時再生される。
そんな私と同じ人は昭和時代からの京急ファンでしょう。
↑2002年(平成14年)
平日の夕方、ラッシュ時の様子。
↑ 2004年(平成16年) 鶴見川橋梁
おでこに乗せたヘッドライトは " 砲弾型前照灯 " という。
頭に乗せたちょんまげのようであり、旧1000形の表情を引締めています。
実にカッコいいものです。
↑ 2007年(平成19年)
" 砲弾型前照灯 " を眺める。
もっと昔の旧1000形 最初期型は、より大きな直径のものを乗せていました。
より光量を増す構造に改良され、このような細い直径になったのです。
鉄道趣味界では、この改良型を " シールドビーム化された前照灯 " と呼びます。
光量を増すための反射板を電球の奥に設けたり、集光レンズを照射する側に設けたものです。
シールドビーム化されていない前照灯は " 大目玉 " などと名付けられ、
国鉄などの全国の鉄道でも、趣味人の目を楽しませてくれました。
↑ 2007年(平成19年)
大師線で最後の活躍をみせる様子。
貫通扉に装着されたホロが、電車に厳しい表情を与えています。

次回に続きます!
乞うご期待!

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編集履歴

2024年12月31日 23時34分 初版発行
2025年01月11日 02時23分 一部の写真を差し替え済。
2025年01月12日 21時15分 写真の差し替え、コメント改良を完了。

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