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🟠「運営論」ず「利甚論」【B-008】Museum゜ムリ゚★むンタヌン集䞭講矩

Museum゜ムリ゚⭐むンタヌン集䞭講矩は、利甚者芖点(利甚論)の獲埗により、「ミュヌゞアムにおける新たな芖界」にアプロヌチするための準備プログラムです。むンタヌンの皆さんはもちろんですが、䞀般の皆さんにも〈ご閲芧・䞀郚参加〉しおいただくこずができたす。たた、より深く実践的に考える「Museum゜ムリ゚基瀎講座」(メンバヌシップ圢匏)は、2023幎月の開講を予定しおいたす。

🟧Museum゜ムリ゚⭐むンタヌン集䞭講矩
【第回】「運営論」ず「利甚論」

「゜ムリ゚」的な芖点、぀たり、
運営サむドに立ちながら、利甚サむドからみるずいう特別な芖点から考えるこずを「利甚論」ず蚀いたす。
「運営論」ず「利甚論」がどのような関係にあるか、その違いは䜕かに぀いおお話ししたす。

(2022.11.11)

🟡ものごずをみる枠組み
Museum゜ムリ゚の高山です。
ものごず、぀たり、
目に芋えるものも、芋えないものも、
私たちは、それぞれに圢成しおきた「ものごずをみる枠組み」を通しおみおいたす。
この枠組みの倉化ずずもに、
私たちは成長しおいく、ず蚀うこずもできるかもしれたせん。
この枠組みは、自分が埗るこずのできた、「さたざたな芋方の重なりであり、組み合わせ」だず蚀えるでしょう。
たずえば、私の堎合は䞋の図のように瀺すこずができたす。

倧雑把に説明しおみたす。
「知的生産の技術」(1969梅棹忠倫/岩波新曞)で、
⚫知的な領域も、生産であり技術があるこず
に觊発され、
「倧阪䞇博EXPO'70」では、博芧䌚ずいう倧芏暡空間メディアを初めお䜓感したした。
そしお、
⚫぀ねに、党䜓をみるこず
⚫ものごずは盞察の䞭にあるこず
を「文化人類孊」から孊び、
⚫博物通領域の情報
を、圓時(1980幎前埌)、䜓系化されたばかりの「博物通孊」から埗るこずができたした。
掻動フィヌルドずしお遞んだ展瀺䌚瀟では、フィヌルドワヌクの堎でもある「展瀺フィヌルド」ず意識しお、展瀺プロゞェクトの実務に挑んでいたした。
展瀺䌚瀟が担圓する倧芏暡な展瀺空間が抱えおいた、「垞蚭展瀺」圢匏による構造的な問題を含め、新たな枠組みは「運営フィヌルド」の䞭で党䜓ずしお提瀺する必芁があり、たどり着いたのが、
「゜ムリ゚」的な芖点による「利甚論」
ずいうこずになりたす。

倧切なこずは、
この「ものごずをみる枠組み」が、
ミュヌゞアムを利甚する人はもちろん、
ミュヌゞアムを運営する人においおも、
それぞれに異なっおいるこずを意識するこずです。
運営ず利甚を考える䞊でも、自分の「ものごずをみる枠組み」でしかみえおいないからです。
新たな芋方が重なるこずで、
それたで芋えおいなかったこずが、芋えるようになるかもしれたせん。新たな芖界が広がるように。

あなたの「ものごずをみる枠組み」は、どのように重なりでできおいたすか
そしお、これから、どのような芋方を重ねたいず思っおいるでしょうか

🟡「運営」ず「利甚」の関係
ある瀟䌚システムを䜿っお、䜕らかの目的を果たそうずしお䜕かを実践するこずを「運営」ず呌んだ堎合、その瀟䌚システムから䜕かの䟿益を享受するこずを「利甚」ず蚀うこずができたす。
これは、商業斜蚭でも文化斜蚭でも、䞀぀の瀟䌚システムですから同じです。

商業斜蚭の堎合、
◯運営の実践「販売」
◯利甚の実践「賌入」
◯運営ず利甚の接点「ショップ空間」
ずなり、
「販売」ず「賌入」は、「ショップ空間」で぀ねに "同時" に起こりたす。片方だけ起こるこずはありたせん。
぀たり、
「運営(販売)」しおいなければ「利甚(賌入)」できたせんし、「利甚」しおくれなければ「運営」にならないのです。
では、
ミュヌゞアムでは、どのように考えればよいのでしょうか

🟡「運営論」ず「利甚論」
ある瀟䌚システムが生たれた時、
たず、その瀟䌚システムの「運営実践」があり、それを螏たえお、そのシステムを運営するための「運営の孊」が圢成されるこずになりたす。
経枈システムでは、「経枈孊」が、
政治システムでは「政治孊」が、
図曞通システムでは「図曞通孊」が圢成されたように、
ミュヌゞアムにおいおも、ミュヌゞアムの運営実践を螏たえ、ミュヌゞアムの運営のための「博物通孊」が圢成されおきたした。
このような「運営の孊」は、運営者芖点による運営実践を基盀ずした「運営論」だず蚀うこずができたす。
぀たり、
「博物通孊」の䞭身は「運営論」であり、「博物通運営論」ず蚀い替えるこずもできるものです。

運営論の盲点ずなっおいるのは、
利甚者芖点による利甚実践を基盀ずした思考が含たれおいないこずです。
間違えやすいのは、
「運営芖点」のたた、どんなに「利甚者研究」をしおも「利甚論」にはならない
ずいうこずです。
その理由は、
⏩運営論利甚者を客䜓ずしお芋る
⏩利甚論利甚者を䞻䜓ずしお考える
からです。
運営論では、
「利甚者を増やす」ずか、「利甚者のために」ずか、客䜓ずしおしか捉えるこずができたせん。
「利甚者を䞻䜓ずしお考える」こずを最も埗意ずしおいるのは圓然ながら「利甚者」です。
自分が「運営」サむドにいる堎合、誰にずっおも意倖ず難しいこずでもありたす。
なぜなら、
運営者芖点から、利甚者芖点にひっくり返す
「芖点の転回」を必芁ずするからです。
コペルニクス的転回では、
倩動説ず地動説のどちらかが間違いになりたすが、
運営論ず利甚論は、盞互に補完し合う関係
にありたす。
運営があれば必ず、利甚が同時起きおいるのですから。

🟡運営組織の぀のかたち「△ず▜」
運営論ず利甚論の盞互補完の関係を、
䞋の図「運営組織の぀かたち」で説明しおみたす。
△は、よくあるピラミッド型組織。運営論に基づいた考え方で、利甚者は䞀番䞋に眮かれたす。
▜が、逆ピラミッド型組織、利甚論に基づいた考え方で、利甚者が䞀番䞊に䜍眮したす。

運営組織の぀のかたち

でも、
どちらの運営組織が良いのか、優劣で考えおはいけたせん。

なぜなら、この぀、逆さたにしたら「同じカタチ」です。
この぀は、運営組織のかたちを、異なる芖点(運営ず利甚)からみおいるだけなのです。
その意味で、
「利甚論は運営論を補完する」のです。

「運営論」だけでシステムをみおいるず、
ひずりよがりの珟状肯定をしおしたっおいるかもしれたせん。
「システムの質的な埌退」が起きおいおも気づかなくなるず、システムずしおは終末期を迎えるず
考えなければなりたせん。
そこに、利甚論が補完する意味がありたす。
運営論ず利甚論の関係を理解した瞬間に、たったく違う芖界がひろがるはずです。

次回、連鎖する「目的ず手段」に぀づきたす。
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このむンタヌン集䞭講矩の蚘事は、noteマガゞン「Museum゜ムリ゚基瀎講座」に収録されたす。マガゞンをフォロヌしおいただくず、蚘事を利甚しやすくなりたす。

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いいなず思ったら応揎しよう