![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68356362/rectangle_large_type_2_6664e90210c71ba62ae94e83daf35918.png?width=1200)
インターンプログラム【6】~「ルール」と「2つの都合」~
この回では、「ルール」の性格はどのように区分されるのか。運営都合と利用都合という「2つの都合」はどのような関係にあるのか、についてお話します。(2021.12.23)
🌕〈S〉
今回のテーマは、「ルール」ですね。
🌑〈AC〉
「ルール」とは、
物事を行う上で守るように決められた「約束事」を意味します。
どのような組織にも「ルール」がありますが、
もちろん、「ミュージアム」にも「ルール」が存在します。
🌕〈S〉
「約束事」というと、
規則や進行手順、マニュアルのほか、慣習的なものも「ルール」と考えていいのでしょうか?
🌑〈AC〉
そう考えていいと思います。
あまり意識されていませんが、
「ルール」には、さまざまに違いのあるものが「混在」しています。
また、
その性格の違いを区別することは、
ルールを策定・運用する際に、大変重要な「認識」となるはずです。
🌕〈S〉
その「認識」が欠けていると、
さまざまな意味で「問題が起こる」ことがあるということですね。
🌑〈AC〉
ルールの性格の違いを考えるために、
「明文化」「理由」「都合」
の3つの「キーワード」で考えてみましょう。
🌕〈S〉
1番目の「明文化」はわかるような気がします。
明文化されて「いる」か「いない」か、
どこかに文章で明示されて「いる」か「いない」かの違い
ということでいいでしょうか。
🌑〈AC〉
「明文化する」の意味は、
「内容を文章に明確に書き表すこと」ですから、
わかりやすく、かつ疑う余地のない論理的な文章になっていなければなりません。
🌕〈S〉
「明文化されているルール」とは、
そのルールを必要とする人たちが、
「明確な文章で確認できる」状態にある「ルール」ということですね。
🌑〈AC〉
一方、
「明文化されていないルール」は、
「不文律」と呼ばれているものです。
「暗黙のルール」、「暗黙の了解」とも言われます。
文章として明示されていないものの、
「相互の合意」に基づいて「ルール」として機能しているものをいいます。
🌕〈S〉
「ルール」にとって、
「明文化」はどのような意味を持っているのでしょうか?
🌑〈AC〉
「明文化の有無」が重要なのではなく、
「ルールは、相互の合意に基づいていることが必要だ」
ということでしょう。
そのために必要なら「明文化」しますし、
必要がなければ「不文律」として機能していきます。
🌕〈S〉
2番目は「理由」です。
なぜ、そうしなければいけないのか、
その「理由」がよくわからない「ルール」って厭ですよね!
🌑〈AC〉
「ルール」には、「理由なし」と「理由あり」があります。
ルールがそうである「理由」が、
「明示されている」ものと、
「明示されていない」ものの2つです。
🌕〈S〉
なぜ、「理由」があったりなかったりするんですか?
「理由」がわからないと、「相互の合意」ができません!
🌑〈AC〉
「ルール」は決められた「結果」ですが、
必ず、そのように決める「理由」があるはずです。
あるはずの「理由」が明示されたり、されていなかったりするのは「なぜなのか」を考えましょう。
「理由が明示されない」場合の、いくつかの可能性を以下に示してみます。
①「理由」が曖昧で、明示できない。
②「理由」を明示すると都合が悪い。
③「理由」はあったのだが誰も知らない。
④そもそも「理由」を明示する必要などないと考えている。
「理由」が明示されない場合、
だいたい、この4つのどれかだと考えて間違いないと思います。
🌕〈S〉
なぜ、こんなことになっているんでしょうか?
🌑〈AC〉
下の図を見てください。
インターンプログラム【1】「運営論」と「利用論」に出てきた
「運営論に基づく組織構造」です。
この組織構造では、
指示、命令は「上から下へ」下ろすもので、「下の者はただ従えばいいだけ」なのだから、「理由など説明する必要はない」と考えられてきました。
「ルール」の伝達においても、同様の考え方が当たり前だったと考えられます。
🌕〈S〉
上司から指示を受ける時、その指示の納得のいく「理由」が示されないことがありますが、これも同じ構造からきていることなんですね!
でも、「理由」が明示される「ルール」や「指示」もありますよね。
🌑〈AC〉
それは、
「利用論」の実体が、すでに生まれている「結果」だと思います。
理由を明示する「理由あり」の「ルール」を増やしていくことは、「利用論」による見直しの実体化の一つだと言えるでしょう。
🌕〈S〉
さて、3番目の「都合」とは何ですか?
🌑〈AC〉
その「ルール」が、
「誰」のどのような「都合」によって決められたのかということによる違いです。
運営する側の「都合」がよいように決められたのが「運営都合」のルール、
利用する側の「都合」がよいように決められたのが「利用都合」のルールです。
「運営都合」のルールは、
運営者と利用者の「上下の関係」なので、
運営側の都合のために、利用者の都合を制限することがあります。
「利用都合」のルールは、
利用者間の「左右の関係」なので、
利用者同士の「相互の合意」を規定するものと言えます。
🌕〈S〉
「運営都合」のルールは、利用者の都合、つまり「利便性」や「価値観」を制約するのは「当たり前」だということですね。
でも、それでは納得のいかない利用者もいるんじゃないですか?
🌑〈AC〉
少し抽象化した表現になりますが、
「運営の都合」と「利用の都合」とが一致した時、納得のいく「ルール」が登場します。
その具体化を進めるのが、「利用論」による見直しということになります。
🌕〈S〉
なんとな~く、わかったような気がします。
また、インターンプログラムの記事を読み返してみますね!
🌑〈AC〉
それでは、また次回。
☆