中判フィルム写真
今はもう売ってしまったけど、
中判フィルムカメラというのは、神がかった写真の魅力を教えてくれたカメラだった。
1つのフィルムで10枚とか12枚しか撮れなくて、重量が1kgオーバーのカメラ。
それでも1枚1枚に魂をこめるように丁寧に写して、出来上がった写真を見ると感動的だった記憶がある。
パソコンの中に溜まっていた写真を見返していて、そんなことを思い出した。
Hasselblad500c/m
初めて購入したのはHasselblad500c/m。
このカメラで撮影している動画をYouTubeで見て、カメラの外観や撮り方が独特でカッコ良いと思って購入した。
このカメラについていたZeissレンズも特有の味のある描写をして、不思議な画風。そしてフィルムの装填方法や、真上からファインダーを覗き込む撮影方法まで、新鮮な香気を感じた。
今思うと、大変貴重な体験をさせてもらえたと思う。
カメラといえば日本のメーカーが主流かもしれないが、舶来のカメラメーカーは、なんて魅力的なカメラを作るのだろうと思った。
カメラ本体はスウェーデン、レンズには「Made in West Germany」の刻印があった。まだ東西ドイツが統一されていない時代のZeissレンズ。
重量1kgを超え、なんとか持ち歩いて撮影したが、あれはスタジオで三脚を立てて使うカメラで、ポータブルではないと言われたこともあったほどだ。
1本のフィルムで12枚しか撮影できず、現像・高解像度のデータ化も何千円とかかるため、ここぞというタイミングを見計らってシャッターを切った。
それでも、portraやNs160などの限られた120フィルムを装填し、フィルムと同じサイズのファインダーを真上からのぞいてピントを合わせ、ダイナミックで良い音のシャッターを切るのは楽しかった。
残念ながらスクリーンを覗いてピントを合わせても、実際のフィルムにはピントがズレて写ることがわかった。ピント不良ということで修理に出したが修理不能ということで返品した。それでも、もう一度使ってみたいカメラだ。