戦争と展覧会
昭和15年 日独伊三国同盟が調印され、そこから、イタリア美術の展示は増えたみたいなのですね。
昭和17年に開催された、ダ・ヴィンチ展もまさにそのようで。
三千餘坪の會場には中央にイタリヤ風の庭園を圍んで第一會場には世界文化科學史を六十坪両面の大壁畫寫眞として展示し、第二會場から第十八會場まで所々に螺旋型舞臺を持つ展覽會形式の新機軸を出して、天才レオナルドの光學、物理學等の純理論から工作機、光學器、築城、兵器、土木等の應用方面を数千の模型、寫眞、設計圖、彫刻、繪等で示し、
また彼の解剖學、動植物學並に「最後の晩餐」「モナ・リザ」等の代表的繪畫數十點も陳列されてゐる。
ダ・ヴィンチの大展覽會は一九三九年ミラノで開催され世界の注目を浴び、更にニューヨークの萬國博覽會に出品したが、六百餘點に及ぶこれらの陳列品は大東亞戰争開始前危くアメリカから持出すことが出来たのである。
アメリカのロックフェラーが百萬ドルで買取らんとしてムッソリーニ首相の拒絶するところとなり今回の三井高陽男の斡旋により日本で開催されることになった。
「ダ・ヴィンチ展」『博物館研究』第十五巻第七號 昭和17年7月
これ、見た人は結構いるみたいで、この方がきちっとまとめてくださっているので、よかったら見た人の感想もどぞ。
https://jyunku.hatenablog.com/entry/2021/05/05/183328