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今、旅の初心者コミュニティ「TABIPPO学生支部」が賢くて面白い。

こんにちは、私、カチと言います。
旅っていう、クソ曖昧なものを見つけに行く学生団体の紹介をします。



若者の海外旅行離れ?知らん!突き進むのみ。

最近の若者は世界共通で「I don't know what to do(何をしたらいいのかわからない)」という悩みを持っているといいます。
自分含め若者は誰しも「何者かになりたい」という願望を抱いていますが、大半は日々ベッドの上でスマホをいじるだけで、ネットにありもしない答えを求めています。

考えた フリをして見る Twitter そこに"答え"が あって助かる(カチ作、短歌やってます)


そんな中、当然ですが若者の海外旅行離れは進んでいます。

https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/810000308.pdf

⇧観光庁が出している若者の海外旅行減少の分析と今後の活性策についての最終とりまとめ。

若者のアウトバウンド活性化に向け、特に「若者の海外旅行阻害要因」「今後の活性化方策」等について検討することを目的として、民間有識者・学識者・関係省庁等からなる検討会を、2017年12月~2018年6月に開催しました。

観光庁HP 若者旅行の振興 より


何しろネットばかり見ていたら、流れてくるのはやれ紛争だとか、銃乱射事件だとか、移民のせいで治安が終わってるだとか、法外にぼったくられて瀕死の思いをした誰かの海外サゲだとか、わざわざ海外に旅しに行くような理由を見つけることはほぼありません。

他にも
近場の低単価娯楽施設流れ(コスパ・タイパ志向)
物価上昇・円安
SNSで見た体験の追体験、パターン化されたエモ旅行型消費
など、
若者の海外旅行は、社会の逆風に晒されているのが現実だと思います。

だけれども「そんなの知らん!」と、一周回って「今、旅がおもしろい!」と、
気づいている若者たちの集団があります。

「TABIPPO学生支部」という学生団体です。

所属しているのは全国の旅初心者の若者たち。
なんとなく「旅って面白いんじゃね」と嗅ぎとった熱意ある若者が集まり、何したらいいかわからない人生(未来)をうっすら考えながら、旅という新しい世界に飛び込んで、新しい自分に生まれ変わろうとしています。

一応断っておきたいのは、これは世の中の一般大学生の中での話です。いつの世も「気づいたら海外行ってたわ。それが普通じゃないの?」という旅ジャンキーは存在するし、そういう人たちはこの団体にはめったに所属していないです。(存在すら知らない気がする。)

学生支部も昔は、いわゆる「旅好き・旅人」といった風体のメンバーが多かったようですが、最近はおよそ旅人とは見えない”普通”の大学生が「旅」を知るためにコミュニティに属しています。

それも、今、”旅”に既視感がなくなっているのです。

現実問題、今いきなり海外に行くことは、令和の若者にとってなかなかハードルの高いことだと先に記しましたが、今や、旅は若者の中ではアブノーマルなことになりつつあります。
ネットの発達でリスクが過大に可視化されてしまったために、情報が少なかった昔より旅立ちにくいとはなんという皮肉なんでしょうか笑。

今の若者旅コミュニティは、そんな不安を取り除くために100人超がゆるく旅という軸で繋がりながら、それぞれが同時多発的に旅をすることで、リスクを最大限回避しようとしているのです。

旅の旨味は利益しながら、旅の不安はリアルタイムで共有して解消する。なんて賢い戦略なんでしょう笑。

初めての 夜に思い出す 異国の地 私は一人 今ここにいる(海外短歌その1)


でもやっぱ、こわーいこわーい初海外。みんなで行けば怖くない。

ここで一つ、去年カチがTABIPPO学生支部に参加して人生初の海外旅を終えた時のエッセイを載せようかと思います。

以下エッセイ


僕たちは時代に乗って忘れてた。インターネットの外にある世界。

生まれた時からインターネットがある世代の私は、検索1つで世の中の全てを知れる気になっている。

インターネットで簡単に"答え"にアクセスできる時代に育ったから、言葉も文化も違う、日本で生きた経験の通用しない危険な環境にわざわざ行って何があるのだろう。と、。
"答え"があると、否が応でもわからないものを否定したくなる頑固な脳が作られる。恐怖は否定したいのが人間というものである。

TABIPPOという旅好きの学生団体に入った今年。
長期休みは海外に行くのが至極当然といった団体である。
当初はそんなこと知らずなんとなく旅好きの集まる団体と聞いていたので、年中国内1人旅をしている私も仲間ができるかなと思って仲間入りをした。

―人生を楽しむ、決別の杯。

8月末の福岡、とある激シブみそ汁屋にて明日から一緒にタイへ行く仲間と共にエビスを呑んだ。

まるで博多の母とも言える肝っ玉女将に明日から人生で初めて海外に行くことや今後どう生きて生きたいのかとか、なぜか色々積もる話をした。不思議とそういう話をしたくなる空間だった。

明日、こわーいこわーい海外に出る。下手したら死ねる。

海外に行くきっかけは、TABIPPOのみんなでタイに行く機会を得たから。
意外と自分の中の殻を破るタイミングなんてそんなもんなのかもしれない。
ちょっとした色んな人の世界線の交わりで、出会いで、行動なんて簡単に出来る。

たとえ英語が話せなくても、腹が弱くても、夢がなくて、金がなくて、未来が暗くても、ぐっと踏ん張って旅をして。日本に帰りたいと何度も思って、見てきた世界。

そこは、とてもとても広い外だった。

恐怖は否定しないけど、恐怖を超えた先にある、新たな扉はすぐそこにある。

世界はじんわりと熱く、気持ち良い。
あのときエビスを呑んで熱くなった夜を思い出した。

2023.09


始めは海外初めての友達と一緒の便で行き、その夜には分かれてそれぞれの宿に泊まり、翌日からは各個一人旅をして、ときどき同じ仲間と出会ったり、集合して合宿したり。

こんな感じで、微妙な連帯感を持ちながらの一人旅だったので行けたところも大きかったなと思います。結果、初めての海外でも不安と楽しさのちょうどいい塩梅で過ごせたし、一度一人旅の成功体験をしてしまってからは完全に一人での旅もしました。
思ってたより意外といけるもんです。

海外は 感情全部 デカくなる それが意外と 楽しいもんなの (海外短歌その2)


旅するだけじゃない。イベントもやるし、発信もする。

元々は「何者かになりたい。何をしたらいいかわからないけど、変わりたい!」という想いのある若者の集まりがTABIPPO学生支部なので、ただ単に旅をして「よかったね」だけでは終わりません。
旅をして得たこと、学んだことなどインプットしたことはしっかりアウトプットまでやるのがこの団体のもう一つ面白いところです。

活動を全部説明すると大変な量になってしまうので、1年の中で大きなイベントを2つだけ紹介します。発信活動に関しては、SNS、Webメディア(この記事もそう)、動画などです。詳しくはちゃんとした団体説明記事に載っています。(https://tabippo.net/tabippo-staff-15/)

優勝者は世界一周航空券獲得!若者が旅の夢を語るコンテスト「DREAM」

Photo by akari saito

いつかは世界一周をしてみたい、旅してみたいと夢見る学生に、旅への一歩を踏み出すきっかけを提供するコンテストが「DREAM」です。
いくつかの審査を行い、最終的に4人まで絞られたエントリー者の”DREAMER”は、最終審査(ファイナル)にて数百人~千数人のお客さんの前でプレゼンを行い、観客投票によって優勝者が決められます。
初見で誰かの夢のプレゼンを聞くだけでも、旅に行きたいという衝動が抑えられなくなるくらいアツいイベントだと私は思っています。
是非そのファイナルだけでも見に来てほしいですが、もちろんエントリーしていただくのも大歓迎です(例年10月半ば頃から募集)。
コンテストの運営はTABIPPO学生支部の学生が行っています。

学生による日本最大級の旅の祭典「BackPackFesta」

Photo by TABIPPO学生支部

毎年、大学生が春休みの2月末頃に行われる、学生による学生のための旅の祭典です。東京・大阪・福岡で3度開催され、全国から旅や海外に興味のある若者が集まります。
旅に興味がある人も、あんまり旅に興味がない人も、旅に出たくなるようなコンテンツ作りを心掛け、若者による新しい旅のムーブメントを作ることを目標にしています。
そして、前述した「DREAM」のファイナルが行われるのもココです。
運営は全てTABIPPO学生支部が担い、コンテンツ・舞台製作はもちろん、会館折衝からゲスト対応、協賛集めも学生が行います。
全ては旅の素晴らしさを広めるために!!

海外は 言葉通じない 時に行け 今日も生きてる 実感がヤバい (海外短歌その3)


旅で得たことは、他の若者にも広める。

一度旅を知ったからこそ私たち学生支部のメンバーは、もっと多くの人が旅することを知ってほしいと思っています。
それが前述したイベント開催や発信に繋がっていくのですが、もっと深く、なぜ旅を広めたいのかということをカチ個人の主観を交えて言語化していきます。

人間の幅を広げるものは3つある。人と会い、本を読み、旅をすることだ。

午堂登紀雄(プレミアム・インベストメント&パートナーズ代表)

成功者の三原則「人脈・読書・旅」
これは人類普遍の自己投資だと思っています。
一見、旅は消費的活動をしているだけに見えますが、私はそれ込みで自己投資であると思っています。
それを消費的と捉えてしまうとただの旅行になり、別に、自己投資をしているという意識を持って動くことで「旅」になるのではないかと勘繰っています。

なぜなら、旅は「めんどくさい」から。
全然思い通りに進まないし、危険な目に会うこともあるかもしれない。
スリ、ぼったくり、しつこい客引きは日常茶飯事だし、必要なものが見つからないことも多々ある。
助けを求めようにも、他人は空気も読まなければ同じ民族のシンパシーも使えない。

そのめんどくささを可能なまでに回避しようとするのが「旅行」。

でも旅は、あえてそのめんどくさいことを楽しんでドライブすることが主眼な気がします。

自己投資的な観点で言うと、
旅は「国際的視野・意思決定力・関係性構築力・問題解決力・異文化コミュニケーション・柔軟性・独立性・言語能力」
の強化、獲得に繋がることだと思っています。
これらは、めんどくさいことをしないと身につかないスキルであるのは明らかでしょう。

目標を自己実現していくための「旅」
本質的な豊かさや幸せを見つけるための「旅」

人それぞれ旅の形はあると思いますが、この二つの観点に対する自分なりの答えを持つことが、今の若者が一番探しあぐねているところなんじゃないでしょうか?

そういう意味で私は若者に旅という選択肢を広めたいと思っています。

コカコーラ より甘いものが この世には 存在するとは 思わなかった(海外短歌その4)


旅とは、物理的にコンフォートゾーンの外へ足を踏み入れること。


上では旅の効用についての私見を述べましたが、次は更に踏み込んで、「旅」そのものが何なのか、現状の私の答えを書いていこうと思います。

コンフォートゾーンという概念

「コンフォートゾーン(Comfort zone)」とは、快適な空間、居心地のいい場所を意味します。米国ミシシッピ大学ビジネススクール教授のノエル・M・ティシー氏は、成長に関する環境を三つに分類しました。コンフォートゾーン、ラーニングゾーン(ストレッチゾーン)、パニックゾーンです。人の成長には負荷が欠かせませんが、コンフォートゾーンは負荷が最も小さい安全地帯。しかし、慣れ親しんだ人間関係や同じスキルセットの中に安住しているようでは、人は成長しません。コンフォートゾーンから出て、適度なストレス状態であるラーニングゾーンに身を置いたとき、成長すると考えられています。一方で、負荷が高すぎるとパニックゾーンに移行し、成長するどころか心身に支障をきたしてしまうこともあります。

日本の人事部 https://jinjibu.jp/keyword/detl/1629/

皆さんも旅に出る前日の夜に急に「なんか行くのだるいな」となったことはないでしょうか?
旅ジャンキー(誉め言葉です)の人たちは全くないのかとも思いますが、旅初心者の私は毎回この想いをベッドの中で噛みしめて、気づいたら寝落ち、絶対に破れない最後のアラームで飛び起きて、こんな不安など考える間もなく旅路が始まるのがセオリーです(笑)

誰だって停滞していたいし、現状維持をしたい。
自己実現のために、楽しいことのために、日常を抜け出したいと心から望んでいるのに、すっごい行くのがめんどくさくて、おっくう。
これが、コンフォートゾーンから出る不安です。

行ったら行ったで楽しいし、刺激を受けてよかったと思う。
負荷がかかる分、鍛えられて自分がバージョンアップすることもわかっている。
でも漫然とした不安に苛まれてしまうのが人間です。

それを、もう物理的にぶった切って、無理やりにでも外に飛び出してやる!と踏ん切ってしまえる魔法が「旅」かなと思っています。

言うならば、一般人にとっては
コンフォートゾーンは「旅行」で、
ラーニングゾーンが「旅」で、
パニックゾーンが「冒険」なのではないでしょうか?

旅は旅行と冒険の間。

最後にカチが好きなアニメの主題を置いて終わろうと思います。

「アタシ 再生産」
人生を輝かせるための熱量「キラめき」を再び得て、新たに舞台少女として”生き返る”こと。
私たちは何度でも新たに生き直そうとする。
再び動き続けるための燃料として、丁寧に作り上げた過去の自分を燃やし、次の舞台へと進む。

劇場版「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」
海外は 生きるところから まず始まる 生のライブ感 親に感謝(海外短歌その5)


旅は、ワイドスクリーン・バロック。

これはもう、カチが言いたいだけなんですけど、、、
「旅」についての私見は今示したところですが、「旅」と聞いて感じる情景や、画像的イメージについて少し書きたいと思います。
(正直蛇足なので、飛ばしてもOKです。)

ワイドスクリーン・バロックとは
時間と空間を手玉に取り、気の狂ったスズメバチのようにブンブン飛びまわる。機知に富み、深遠であると同時に軽薄な物語。
絢爛華麗な風景と、劇的場面と、可能性からの飛躍に満ちた、自由奔放な宇宙冒険物。

ブライアン・W・オールディス「十億年の宴」p305より 朝倉久志訳

ド派手な演出。奇想天外な物語の筋書き。
常識によって「世界」とみなされている領域の更に広い領域を舞台として、「死と再生」のダイナミズムによる循環という主題が、私の生きてきた文脈の中で「再演」される。

これは元々、ぶっ飛んだSF小説に用いられる表現なのですが、
自分の過去の旅で起こったことを映画を見るかのように脳内で振り返り再生をしたときって、まさにこんな感じになると思うんですよね。
それくらい、旅は奇々怪々に映るものだし、頭をぶん殴られたかのような新しい価値観との出会いがあります。
時差もあれば、先進的-発展的な時代のタイムループ的感覚もあり、全てが新鮮で深くも感じますが、実際はその地の人たちの日常でなんてことないこと。そして、異彩を放つ見たことのない風景、自分の創造を幾重も超えてくる出来事。
「自由奔放な宇宙冒険物」とは旅もそうだな、、、と感じます。

円じゃない ただそれだけで 狂う脳 金銭感覚 元気ハツラツ(海外短歌その6)


僕たちはTABIPPO学生支部(エッセイ)

子供の時は、家から半径1キロを出たら、旅だった。
中学の時は、初めて一人で隣県の温泉地へと、旅立った。
高校の時は、飛行機に乗って首都圏の外へ旅立った。家族が一緒じゃないのは初めてだった。

そして去年、20歳で初めて海を越えた。
全ての旅に思い出があり、成長があった。

人生は旅と言うけども、
旅には、人生には感じ取れない「始まり」と「終わり」が明確にある。
それは日常を離れた瞬間と、日常に戻った瞬間。
その度に、旅中の選択意思決定、失敗体験、成功体験を振り返り、
人生を小刻みに刻んだ”旅(=人生)”のPDCAが回る。
自分の人生を新たに生まれ変わらせている。

でもまだ、僕たちは旅の初心者。
人生という旅のスタートラインを少し進んだくらい。

これからが、本当の旅。

旅の初心者コミュニティTABIPPO学生支部は、
人生ヒヨッ子の僕たちが、
ちょっとだけ世界を知って、
そこで得た感動を人に伝えて、
友達誘ってまた旅に出て、
どこかで分かれて、ふいに出会って、
そして帰ってきて、また自分の人生を歩んでいく。

「旅」を共通言語に持った若者たちの現実とまだ見ぬ未来の間の話。

ここはどこか息が詰まりそうで、
人生、何かでっかくいきたい。
衝動的にチケットを取って飛びだした。
先の長くて見えない旅行と冒険の間「旅」。
目的地はいらない。
自由と青春を、現実はどっかいった。
世界の風を集めて、空を集めて。

海外旅コピーその1


ということで、結論は特にないですが、「旅、いいよ!」っていう
すごーい陳腐なまとめにして終わりたいと思います。

この記事を読んでTABIPPO学生支部に興味を持ってもらえたり、旅に出たくなった!となってくれた人が一人でもいたら嬉しいです。

あわよくば、DREAMにエントリーして、BackPackFestaに来てくれたら尚嬉しいです。

「旅!最高MAXありがとう幸せ!」

最後までお読みいただきありがとうございました。

TABIPPO学生支部2025 Webメディアチーム代表
カチケイト


旅について考えるとき参考になった先人の名言たち(出典・参考)

あなたが非日常のリスクを取る気がないのなら、何の変哲もない日常に落ち着かなければならない。
ジム・ローン

あちこち旅をしてまわっても、自分から逃げることはできない。
ヘミングウェイ 

見知らぬ街で自分が孤独だと気づけることは、世界で最も歓喜することのひとつである。
フレヤ・スターク

あらゆる旅は、その速さに比例してつまらなくなる。
ジョン・ラスキン

遠くに行くことはある種の魔法で、戻ってきたときにはすべてが変わっている。
ケイト・ダグラス・ウィギン

食べ物を拒絶し、習慣を無視し、信仰を恐れ、人々を避けるのならば、家にいたほうがましである。
ジェームズ・ミッチェナー

心を豊かにすることもしないで頻繁に旅にでたとしても、それはただ単に会話が豊富になるだけである。
エリザベス・ドリュー

旅行をするのなら覚えておいてほしい。外国とはあなたが快適に過ごせるように作られているのではなく、現地の人々が快適に過ごせるように作られているのだということを。
クリフトン・フェディマン


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