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最近読んだ本について

今回は最近読んだ本についてご紹介したいと思います。私は臨床心理学という領域で研究している大学院生なのですが、人の可能性についていろいろ考えるなかでこんな本を読みました。

最首悟著『能力で人を分けなくなる日 いのちと価値のあいだ』創元社

この本を読んで、私の中でなにかができることや能力を上げていくことに対して、とらえ方が変った気がします。具体的にどのように変わったかというと、小学校くらいからずっと、「より強く、より上をめざして」という価値観に疑いを持たなかったなと思いました。

文字を書けるようになり、難しい漢字が読み書きできるようになる。そして、足し算・引き算ができるようになり、掛け算ができるようになり、最後はぐねぐねしたグラフも解けるようになる(笑)。

しかし、「できない」ということ、弱くあるということにも、等しく価値はあるのだと、そんなことを教えてくれる本でした。

私たちは言葉を話せる。一方、言葉がうまく話せないことは「障がい」だと社会はとらえている。しかし、言葉を操れることで、われわれは歴史上、沢山の過ちーー戦争や虐殺、核兵器の開発をしてきたことを知っています。
そのことを指して、著者の最首さんは「言葉を話せる障害」といいます。

とても面白い本です。私は今、この本がの末尾に紹介されていた別の本を読んでいます。もちろん勉強ができるようになることは、よいことです。
同時に、できないということも、べつに悪いことじゃない。そんな視点を与えられた気がします。

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