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まだ世の中にでていなかったクラフトミルクを作る

小泉牧場の牛乳をつくりたい

実は小泉牧場のある大泉学園とお店のある吉祥寺はとても近く、自転車で20分ほどで行くことができます。

全国の牛乳をあつめて販売するお店を営んできましたが、地元の牛乳を探していたところ、小泉牧場にいきつきました。

まさか23区に牧場があるなんて盲点でした。しかも、ただ東京にあるだけではないんです。小泉牧場は牛たちをとても大切に育てています。

現在、家畜を生きている間できる限りストレスなく育てようという「アニマルウェルフェア」の思想が国際的に広がり「牛舎で、首を繋いでいる飼い方はよくない」ということをいう人もいます。私もかつてそう思っていた時もありました。


小泉牧場は昔ながらの牛舎での「繋ぎ飼い」。牛たちはいつも綺麗にされて、快適に過ごしています


でも、小泉牧場に出会ってから「牛舎、繋ぎだからよくない」というのは違うなと感じました。

小泉牧場に行くとわかります。牛たちはとてもいい顔をしています。そして牛舎も牛たちもとてもきれいです。

匂いを気にする地域住民のためもありますが、牛の健康やストレスも考えて、毎日5回もうんちの掃除をして、常に牧場はきれいにされています。また、定期的に牛にもブラッシングをしています。

小泉さんは地域から出る豆腐の副産物「おから」を集めて牛に与えています。資源循環も大切にしています


そして、何より牧場主の思いです。

小泉さんはよく「牛は飼うのではなく、育てる」と言います。牛を単なる家畜と見ず、大切なパートナーとして接しています。

小泉さんだけでなく、近隣の方々はじめ多くの人たちが牛たちを日常的に可愛がっているからこそ、小泉牧場の牛たちはとても人懐っこくかわいいです。

都会で酪農を行うのは決して簡単とは言えませんが、人が多い場所の特性に合わせながら工夫し大切に育てています。小泉牧場で育った牛たちは幸せだなと感じます。


右から2番目の子牛を抱えているのが若き日の小泉勝さん

それでもミルクは飲めない

こんな素敵な牧場ですが、牧場単体のミルクを買うことができません

全国のほとんどの牧場でも同様ですが、農協がトラックでミルクを集めて、乳業メーカーに販売されています。その中で、たくさんの牧場のミルクが混ぜられてしまいます。

みなさんが普段飲んでいる牛乳のほとんどはたくさんの牧場のミルクが混ざっています。

でも、実は牧場ごとに味が違うんです。牧場によって育て方や、食べるエサなどのバランスもあり、どこも個性的な味になっています。
こだわっている牧場ならなおさら味が際立ちます。

以前、小泉牧場の搾りたてのミルクを特別に飲ませてもらったことがありました。とてもあまくきれいな味でした。

小泉さんが大切に育て、地域の人たちが可愛がっているからこその優しいミルクだなと感じました。

たくさんの人が住む東京23区に、こんな素敵な牧場、おいしいミルクがあるのなら、牧場単一の〝シングルオリジン〟の牛乳を作って飲んでもらいたい。そう思い、今回のプロジェクトがスタートしました。

全国的にも珍しいブラウンスイスという品種の牛も飼っています。高級なナチュラルチーズを作るのに合うミルクと言われ、深く濃い味が特徴です

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