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巷のメディアにあふれる「絶品」「極上」などの言葉について

武蔵小杉ライフは、フラットな立場で中立の記事を書くという基本コンセプトがあります。そのため、普段からあまり何かを熱を込めて絶賛するということがありません。

元々そういうメディアではあるのですが、その中でも特に「安易に過剰な言葉を使わない」ということには気を配っています。

日本語を大切に使うということです。

近年とみに、ウェブ記事やテレビ番組、雑誌などで
「【メニュー名】が絶品(極上)!【地域名】の【店名】」
「【地域名】の絶品(極上)グルメ10選!】

というようなタイトルを見かけるようになりました。

これは何かお決まりのテンプレートでもあるのかしら?というくらいになっていますね。

「絶品」というのはこの上ないほど優れているものを褒め称える言葉です。ただどうも、世の中絶品(これよりも上がないもの)ばかりという気がいたします。

そんなに世の中は絶品が溢れているのでしょうか。
日本語がデフレを起こしているようです。

武蔵小杉ライフはオフィシャルブログ「武蔵小杉ブログ」で17年間記事を配信し、約6,700記事があります。
確認したところ、そのうち「絶品」という言葉を使ったのはこれまでに3品だけでした。
(イベント告知などで主催者提供素材に入っているものの掲載は除きます)

⚫︎2008年11月5日 「クレオ夫人の手作りケーキ工房」の和栗のモンブラン

⚫︎2016年3月12日 小泉農園の「わがままいちご」のいちご狩りの「採れたて」

⚫︎2019年4月30日 新丸子「菓心 桔梗屋」の自家製こしあん

これらはいずれも、「絶品」という言葉に相応しいと判断して、ご紹介しています。


一方、巷の、特にウェブメディアはタイトルでいかに目を引くかが重視されるきらいがあります。

最終的に収入にも直結してきますから、惹きつけるためのある種のテンプレートであったり、ノウハウ化が進んで、過剰な日本語がよく使われるようになっているのではないかと思いました。

勿論、常に「この上ない」と感じられるものが更新されて、あちこちで「絶品」と出会えるような世の中の方がハッピーです。

武蔵小杉ライフでは「最後の絶品」が5年半前ということになりますが、また新しい「絶品」と出会えることを楽しみにしています。

武蔵小杉ブログをお読みの皆様は、次はいつ「絶品」と表現するか?密かにご注目いただくという楽しみ方もあるかもしれません。

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