【家づくり】2-1 「それ家じゃないですよね?遊び場ですよね?」
建築プロデューサーとは?
曖昧な施主の要望を整理し、めぼしい建築家にアタリをつけ、家が建つまで施主の立場から助言をくれる有り難い存在である。
そう、いきなり建築家といっても特にこの人という希望がなかった我々には救いの神であった。
そのプロデューサーA氏との初打ち合わせ。
最初に家づくりのカルテというものを書かされるのだが、これに記入するのは家族それぞれのライフスタイルや、家に求める機能など。そう、家に合わせて人が生活するのではなく、人の生活にあわせて家を設計するのだ。Oh....
ということで、我々の日々の生活、それを踏まえての要望などを矢継ぎ早に伝えると、A氏は大爆笑してこういうのだった。
「それ、家じゃないですよね?遊び場ですよね?」
最初からおもろいおっさんだなーと思っていたが、初対面から歯に衣着せぬ物言いが良かった。
そうなんです!と、依頼主は目を輝かせて言ったものだ。
「秘密基地に住みたいんですよね!」
「(また爆笑)だいたいの希望はわかりました」
ええんかこんなことで…!?
ハウスメーカーの営業には「馬鹿ですか?」という顔をされそうなこの要望、なんと、建築家相手には通じてしまうんである。
秘密基地みたいな家に住みたい人は是非とも参考にして欲しい。
ほどなくして、「この人なら相性良さそうだと思いますよ」と、プロデューサーからひとりの建築家を紹介された。いつもなら3人くらいを選んでコンペを開催するところ、むやみにビビッときた人がいたとのこと。
ワクテカしてホームページを見に行くと、はたしてそこには奇抜な秘密基地がたくさん掲載されているではないか…!
「やべぇ、本当に秘密基地だ…」
「これは面白くなってきた!」
家を建てるんじゃないのか。
おまえらが建てるのは秘密基地なのか…?
だが暴走機関車のような彼らを止めるのは、もはや予算ゲージしかないのであった。
そこの君! 応援してくれても良いんだぞ?