【家づくり】1-1 えっ なんか家つくることになったんですか?
それは我々が賃貸マンションで毎日ゲームに明け暮れていたときのことである。
同棲1年目にして勢いだけで結婚はしてしまったが、子どもなんて計画すらしていなかったし、毎日なんとなく仕事をして、愉快なペットたちと遊び、毎日夫婦ふたりで狂ったようにゲームに没頭。そんな生活が永遠に続くと思っていたのである。
なぜならふたりともゲーム(MMO)にハマっていたからである。
そもそもの出会いがMMOのダンジョンであるからして、こうなってしまうのはわかりきっていたことなのだが、ゲームの合間に人生をやっている、まさにそんな感じの毎日なのであった。
そんなある日のことだ。
「おじいちゃんが土地あるから家建てなさいって」
「は?」
なんだそれ(なんだそれ)。
だいたい団地育ちに「土地がある」という言葉がピンとくるわけがない。
ツレの実家は一軒家であったが、そもそも「土地がある」などと急に言われましても。土地ならあるよ、土地なら何処にでも。
「え?それお祖父ちゃんが土地持ってるってこと?どこ?」
「実家のとなりの空き地」
空き地なんてあったっけ…。
そういえば、どこから持ってきたのかわからんぶっ壊れたコンテナと、朽ちたビニールハウスがある広い空き地があったような…なかったような…?
よくよく話を聞いてみると、ツレの本家は江戸時代から埼玉に住んでいる庄屋の家系らしい。(結婚したのに知らんかった)
おじいちゃんは地元に土地を所有しており、会社に土地を貸したり、アパート経営をしたり、義父さんの兄弟たちが分散して住んでいるとかなんとか。
そういや、結婚前におじいちゃんの住んでいる本家にもご挨拶に伺ったのだが、300坪というドデカイ敷地の家(昔ながらの農家って感じ)だった。
あれのほかにも土地をお持ちだったんですか…さすが庄屋さん…。
「建てていいってんなら建てるかあ」
「そうしよかあ」
資金計画とかどうするんだ。
もちろん無計画なゲーマーなので、そんなことまで考えていない。
かくして家づくりがはじまってしまったのであった。
そこの君! 応援してくれても良いんだぞ?