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【家づくり】1-2 家ってこんなもの

自分はいずれ中古マンションを購入するか、一生賃貸暮らしでいいや~などと気楽に考えていたのだ。

なにせ実家は築30年を越えるオンボロ団地。
親父は地方から東京に集団就職した世代で、そのころは大都市近郊のベッドタウンのマンモス団地に入居するというのがイケてるライフスタイルだったらしい。

いうても家族5人で団地住まいって狭すぎでしょ!?

同じことを考えたのか、姉は成人するなりさっさと結婚して出ていってしまった。しかし9歳上の兄貴が長らくパラサイトを謳歌していたために部屋を手放してくれず、自分がようやく個人部屋を割り当てられたのはハタチ過ぎてのことだった。
それまでは三人兄弟の末っ子という家庭内ヒエラルキーでも最低の地位だったために、あろうことか押入れで寝ていたこともある(後にロフトベッドを導入した)。虐待案件かよ。

とっくに定年退職した親父の代わりに、兄貴と自分が残りの住宅ローンを支払って生活を維持していたもんだから、親としても出ていっては欲しくなかったのだろう。「おまえは一生ここに住めばいい」などとぞっとするようなことまで言われたものだから、おかげさまで独立心が芽生えました!本当にありがとうございます!

というわけで親にも黙ってコツコツと貯金しておき、段ボール箱ひとつと、愛猫のゲロだらけのマットレスを担いで夜逃げのように引っ越したのが駅チカ3DKの賃貸マンション。
一人暮らしで3DKとか頭おかしいんじゃねーのかと我ながら思うが、住んでいた団地があまりにも狭かったために、その反動で決めてしまった。

初めての一人暮らし、さすがに寂しかったのでフェレットを飼うことにした。なぜなら犬猫爬虫類禁止だったからである。
イタチなら問題なかろうな?

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これが計画性皆無ゲーマーの「家」のイメージである。
さて、話を元に戻そう。

家を建てるかーという話になって、咄嗟にインターネッツで詰め込み勉強をしたのがこんな感じ。

依頼先
ざっくり「ハウスメーカー」「工務店」「建築家」のいずれか。
それぞれ一長一短あるが、ここでは端折る。
費用
かけようと思えば天井知らずなので、「いくら支払えるか?」から計画したほうがいい。諸費用は建築費のおおよそ3割みておこう。
もちろん土地代は別途かかる。
ウサギ小屋みたいな土地付き建売住宅が高い理由だ。
予算はどうやってひねり出す?
住宅ローンが一般的。
公的機関系、銀行系があり、銀行系は選択肢が多いが審査が厳しい。
ちなみにローンを組むなら安定した職業がさいつよ。

参考にと思い、輸入住宅を建てた友人夫妻の元を訪れて話を聞いたところ、「知り合いの工務店だけは止めとけ」という有用なアドバイスをもらえた。
なんでも知り合いなだけに余計なお世話を焼かれたり、文句を言いにくかったりするのだそうだ。

そういえばツレの地元にも有力な工務店があり、義実家を建てるときもそこにお世話になったそうで、うちが家を建てると聞きつけるなり営業をしに訪れたとかなんとか…ウワー!絶対にイヤだー!

そもそも自分は昔から建築家の建てる珍妙な家がとてつもなく好きだったので、宝くじが当たるようなチャンスがあったら是非とも珍妙な家を建てたいと思っていたのである。
宝くじに当たってはいないが、せっかく珍妙な家を建てるチャンスだってのに、なんで普通の家を建てなきゃなんないんだよ!バーカバーカ!

心の中の悪魔がなにかわめいていたが、あいにくと一人で住む家ではないし、まずは安牌から当たってみなくてはなるまい…そこで我々は手近な住宅展示場を訪れることにしたのであった。

そこの君! 応援してくれても良いんだぞ?