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PdM講座2-4 顧客生産性指標&スループット会計
はじめに
初めまして!現在、株式会社contento というコンサルティング会社で代表を務めている小川正樹と申します。
noteでは、これまで私が複数の会社で働き、そこで得てきた経験について会社ごとに紹介しながら、プロダクトマネージャーとして学んできたことや日々の持論について書いていきます。
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今回はPDM講座第2回「ビジネス開発基礎①」の「ビジネスモデル構築と進捗の定義」についてです!
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第2回は4編構成で書いていきます。
今回は第4編目で、テーマは「顧客生産性指標&スループット会計」となっています。
顧客生産性指標とは?
顧客生産性指標とは、顧客を生産する際に見るべき指標のことで、
製造業などにおいて、どれだけ効率的に製品を生産できているかを示す
「生産性指標」を、顧客の創造に当てはめたものです。
生産性指標というものは、
「生産性=成果物の量 (アウトプット)÷ 投入資源の量(インプット)」
で表すことが出来ます。
これを顧客の生産に当てはめると、
顧客を獲得するためにかかったコストに対し、その顧客からどれだけの価値を回収することが出来たかを示すものが、「顧客生産性指標」というわけです。
この指標においては、以下の2つの概念が重要な指標となります。
①LTV(顧客生涯価値)
LTVとは、顧客が自社のサービスを利用し始めてから、利用をやめるまでの期間に生み出されると予測される収益のことを指します。
例えば、Netflixのような動画配信サービスでは、
1人の顧客が毎月1,000円のサブスクリプション料金を支払っていて、解約までの期間が平均すると3年間だったとします。
この場合、LTVは次のように計算されるわけです。
月額料金(1,000円)×12ヶ月×3年 = 36,000円
つまり、1人の顧客がNetflixにもたらすLTVは36,000円となります。
②CAC(顧客獲得コスト)
CACとは、潜在顧客が製品購入に至るまでにかかるコストを指します。
具体的には、広告運営費、ランディングページ(LP)への誘導費用、オンラインコミュニティへの参加促進費用など、顧客に初期費用を支払ってもらうまでにかかった全ての費用が含まれます。
LTVは高ければ高いほど良いですし、CACは低ければ低いほどよいので、
必要最低限のCACで、LTVの高い顧客を獲得するためには、
どのようなセグメントのどのような顧客を獲得したいのかを慎重に検討する必要があります。
スループット会計
ここからは「LTV」と「CAC」を用いて、実際に「顧客生産性指標」を測定する方法である「スループット会計」について解説していきます。
スループット会計において、最も重要な指標となるものが「スループット」です。
スループットとは一定期間内に顧客から回収したプラスの金銭的価値を指しています。
スループット = LTV - CAC
上記の等式のように、スループットは顧客が利用してくれた金銭的価値から先行投資で掛かったコストを引いたものです。
また、スループット会計で良く出る用語としては「在庫」と「業務費用」があります。
まず、在庫とは今後販売するものを作るために、顧客ファクトリーに投資された合計金額のことです。
例えば、製品やインフラ(サーバーやソフトウェア)を指します。
この在庫に値するものは会計上で言うと、「資産」勘定に計上されるものです。
次に、業務費用とは在庫をスループットに変換するコストのことです。
ここには給与やシステム運用費を含みます。
この業務費用に値するものは会計上で言うと、「費用」勘定に計上されるものです。
上記の内容をもとに、利益と投資収益が等式で表すことができます。
利益 = スループット - 業務費用
ここで重要なことは、業務費用の限界値は0なのに対して、スループットは無限に増加させることができるということです。
つまり、LTVを上げれば上げるほど青天井になるということなんです。
投資収益率 = 利益 / 在庫
投資収益率は在庫を減らせば減らすほど、投資収益率を上げることが可能です。
利益の等式では業務費用削減をしたほうがよいという話でしたが、
今回の投資収益率を考えると、在庫削減が優先になることが分かります。
スループット会計において重要なことはスループット、すなわち、粗利を減らさずに、いかに在庫と業務費用を最小化できるかが大事です。
例えば、目標例として、「ユーザー」の人数と「顧客サービス」のコストを最小限に抑えながら、「金銭的な価値」を高めるといったことです。
最後に
今回は顧客生産性指標とスループット会計について紹介しました。
顧客生産性指標は、顧客が企業の商品やサービスから得る価値を測るための指標です。
LTVは顧客が生涯にわたって企業にもたらす収益、CACは顧客獲得にかかるコストを指します。
スループット会計では、LTVからCACを引いた金額がスループットとなり、在庫と業務費用を最小化することで、利益と投資収益率を最大化します。
成功には、提供する価値が顧客の支払う価値を上回り、収益がコストを上回ることが重要です。
次回からは、PdM講座第3回「ビジネス開発基礎②」の「ビジネスモデルをテストする」に入っていきます。
そんな次回は、「フェルミ推定を活用したビジネスモデルの有効性検証方法」についてお話ししたいと思います。
ぜひ次回もご覧ください!