【雑多小説】ふとん、洗濯デビュー
つい最近まで「もう10月なのに夏みたいだな」と寒さが恋しかったのに、突然秋がやってきたから戸惑う。
朝は寒くて、タオルケット一枚では足りないほどだ。
ベットの足元でくしゃくしゃになっているこのふとんは、ズボラなご主人である私によって、最後の冬に大活躍を遂げた後から今まで放置されていた。
そろそろ出番であることは、ふとんも私も、お互いが認知していた。
初めて洗濯をする。お互いが初体験のことであった。
一人暮らしを始めるために、ふとんを買いに行った時のことを思い出す。
半年に一回は洗濯するぞ!という気持ちで丸洗いできるふとんを買ってもらった。
しかし、このふとんを買ってから約一年半は経過している。まぁ大学生の一人暮らしなんてそんなものだろう。
私は調べ尽くした。クリーニング、コインランドリー、自宅の洗濯機、、、。
とりあえず1番安く済ませられるなら、と自宅の洗濯機に入れることにした。事前に購入していた洗濯ネットに詰める。この詰める作業だけでも少しコツがあって、それも調べたものだが、洗濯とはこんなに大変なのかと、母親に思い馳せる。そして、可愛らしいフォルムになったふとんを洗濯機に連れていく。
しかし、入らなかった。
私のふとんは、どうやら外に連れ出す必要があるみたいだ。
後半へつづく。
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