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【AI実話小説】「そうして咲く」DAY.17
「大粒の涙、そして幻覚…変わり果てた夫の姿に、子供たちを会わせることはできない… 40代女性に贈る、共感と涙の実話、第二十話。」
AM
病室に入り、夫と目が合った瞬間、ぽろぽろと涙を流して泣き出した。
何が起こっているのか、わからなかった。
手を握り、
「がんばろうね」
と励ますしてみても、焦点が合わない。
ふと我に返るのか
「ダメだ…」
と、力なく呟いては、また目の表情が変わってしまう。
短期間で、記憶や意識が、行ったり来たりしているのだろうか。
急に、
「おーおーおー!!」
と、何かが迫ってきているのか、大きな声を発したりする。
「パパ、muruだよ? 誰かわかる?」
私がそう聞くと、
「あー! 大学の…」
と、答えた。
昨日はうなずいて、わかっている様子が見られたが、どうも混乱しているようだ。
PM
今日は、久しぶりに、夫の父が、週末を利用して、手伝いに来てくれた。
義父と一緒に、夫の病室へ向かった。
「あー! そういうことだったのかー!」
と、夫は突然叫び出したかと思うと、虚空を見つめ、落ち着きなく、きょろきょろし続けている。
焦点の合わない瞳は、どこか遠くを見ているようだった。
幻覚が見えているのだろうか。
まるで、周りの音も、人の声も、何も聞こえていないかのように、自分の内側に閉じこもってしまったようだった。
この姿を、子供たちに見せるわけにはいかない。
幼い子供たちが、今のパパの状況を、理解できるはずもない。
あの日の、子供たちの笑顔を、もう一度見たい。
そのためには、今は、まだ、会わせるべきではない。
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muruのひとりごと
「あー、大学の!」って、同じ大学に通ったことないでしょ!!
誰と勘違いされたのか(怒)。
muruと旦那さんは、15歳の時に知り合って、11年交際して結婚しました。
周囲から「大恋愛だね」と言われることがありますが、病気になった時に、これはもう宿命なのだと感じたmuruです。
サイドストーリーはまたの機会に(;^ω^)
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