myocardial work indexとは?:Eur Heart J. 2012 Mar;33(6):724-33.
A novel clinical method for quantification of regional left ventricular pressure-strain loop area: a noninvasive index of myocardial work
Kristoffer Russell, et al.
Eur Heart J. 2012 Mar;33(6):724-33.
要旨
本研究では、左室(LV)の圧-ストレインループ面積(myocardial work)を測定する新しい非侵襲的な方法を紹介する。従来、この面積の評価には侵襲的な圧力測定が必要であり、臨床的有用性が制限されていた。この研究では、大動脈弁と僧帽弁のイベントのタイミングを調整した経験的で正規化された参照曲線を用い、動脈圧測定とともに心エコー図を活用してLV圧を推定した。イヌのモデルとさまざまな心疾患を有するヒト患者の両方で検証を行ったところ、侵襲的方法との優れた相関と一致が示された。この非侵襲的アプローチはまた、陽電子放射断層撮影法(PET)で測定された心筋の糖代謝と強い相関を示し、心筋の働きを正確に反映する可能性を示した。
この研究の意義は、侵襲的な圧力測定を必要とすることなく、心筋の仕事と代謝の臨床評価を一変させる可能性にある。この研究は、心筋の力と仕事が圧力-ひずみループ領域を通して評価できるという基礎的な理解の上に構築されており、左脚ブロック(LBBB)や虚血などの心疾患を有する患者の診断とモニタリングに利用できる手段を拡大するものである。この方法は,電気的同期不全が血行動態に及ぼす影響を調べたり,心臓再同期療法(CRT)に対する反応をモニターしたりするための新たな手段となり,局所的な仕事分布や心筋代謝に関する洞察を提供する。
Abstract
目的
左室(LV)圧-ストレインループ面積は局所的な心筋仕事と代謝需要を反映するが、侵襲的な圧迫が必要なため、この指標の臨床的使用は制限されている。本研究では、LV圧-ストレインループ面積を非侵襲的に測定する方法を紹介する。
方法と結果
左室圧は、心エコーによる大動脈弁および僧帽弁イベントのタイミングによって定義されるLV等容期および駆出期の期間に応じて調整された、経験的に正規化された参照曲線のプロファイルを利用して推定された。絶対LV収縮期圧は、イヌ(n=12)では侵襲的に、患者(n=18)では非侵襲的に測定された動脈圧と等しく設定された。6人の患者では、心筋の糖代謝をPETで測定した。まず、麻酔をかけたイヌを対象とし、推定されたLV圧-ストレインループ面積とLVマイクロメータおよびソノミクロメトリーによるループ面積との間に優れた相関関係(r = 0.96)と良好な一致が観察された。次に、LV同期不全を含む様々な心疾患を有する患者においてこの方法を検証し、非侵襲的LV圧と侵襲的LV圧を用いた圧-ストレインループ面積の間に優れた相関(r = 0.99)と良好な一致を確認した。非侵襲的な圧-ストレインループ面積は、局所的なLV形状の変化を取り入れると仕事を反映し(r = 0.97)、PETによる局所的な心筋糖代謝と強い相関を示した(r = 0.81)。
結論 LV局所圧-ストレインループ面積の新しい非侵襲的方法は、侵襲的測定および直接測定された心筋仕事とよく対応し、心筋代謝を反映していた。この局所仕事評価法は、LV同期不全や虚血を含むいくつかの患者群に対して臨床的に有用であろう。
主要関連論文
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