医学の不確実性とコロナパンデミック
「医学の不確実性」という概念は,高橋晄正氏あたりが最初に著書でとりあげ,中川米造氏もさまざまな論じていました.医療崩壊の危機がせまった2007年ごろには,小松秀樹氏が「医療の限界」を著して,「リスクのない治療はない」と結論づけて,すべてを医療側の責任とする社会とメディアに警鐘をならしたことは記憶にあたらしいでしょう.
「医学の不確実性」というのはなにも医療側の責任逃れではなく,医学のなかに構造的に組みこまれているものです.医学は純粋科学ではなく人間を相手とする営みであり,不