海洋深層水について(海のすごさ実感)
はじめに
私がクラフトコーラの製造販売を考えるきっかけとなったのは「室戸海洋深層水」の存在。そして、室戸を含む高知県の日差しの強さ。
真冬でもテレビの天気予報で「紫外線情報」やっているのは、ビックリしました。
たしかに、空気は「冬」な感じでしたが、日差しの強さは、なんとなく感じていました。
そして、2月のある日、晴天だったので半日サイクリングしてたら、見事に日焼け。次の日、日焼け止めを買いに行きました。(天気予報でやっているだけに品ぞろえ十分)
日差しが強いので「水分補給」したくなる。その時に「水分」として「室戸海洋深層水」が頭に浮かびました。
そこから「海洋深層水」全般を少しずつながら調べはじめ、色々と考えているうちに「クラフトコーラの原材料」としての利用を思いつきました。
「室戸海洋深層水」のみならず「海洋深層水」全般について、色々と調べたことをまとめる意味合いで、記事にしました。
クラフトコーラを販売する上で『「室戸海洋深層水」使用しています。』と明記したいと考えています。
その証でもある「室戸海洋深層水ブランドマーク」をつけることができるよう、今後、各種手続きは行う予定です。
海洋深層水って何?
海洋深層水とは、水深200mよりも深いところにある海水の総称。
世界の海には大きな流れがいくつかあり、大西洋・インド洋・太平洋の深海を約2000年かけてゆっくり巡る大循環などで知られています。
海洋深層水の特性 その1【富栄養性】
海洋深層水があるのは、太陽光線がほとんど届かない深い海。この環境下では植物プランクトンの活動が抑制されるので、その栄養源となる窒素やリン、ケイ酸などの無機栄養塩(ミネラル)が消費されず、たっぷり残っています。
海洋深層水の特性 その2【清浄性】
海洋深層水は、陸から遠く離れた深海を流れている。そのため、水に含まれたり、溶け込んだりしている有機物や病原性微生物、環境汚染物質などが少ないのが特徴。
海洋深層水の特性 その3【低温安定性】
本来、冷たい深海を流れているので、当然、表層水よりもかなり低温。室戸海洋深層水は、年間を通して10-12度を安定して保っています。また、長い年月、高い水圧の中にあるため、熟成された水になっているのも特徴。
なぜ、室戸で海洋深層水が取水できるの?
室戸沖で取水される室戸海洋深層水は、オホーツク海の冷たい海水が深い海底へ潜り込んでいくのが始まりです。そこから太平洋の水深約1000mの深海を南下し、ハワイの西側を通ったのち、時計回りに方向転換。赤道近くの深海をぐるりと巡って日本へ向かい、室戸岬のすぐ沖まで近づいてきます。
高知県HP「室戸海洋深層水について」地球規模の海水大循環(Brockersら 1985より)
室戸岬の沖合は、緩やかな大陸棚がほどんどなく、陸地に近いところから深海まで急激に落ち込み、その急角度の崖に沿って、「涌昇流(ゆうしょうりゅう)」と言われる海流が昇ってきます。
「室戸海洋深層水アクア・ファーム」公式サイトより
このため、室戸では水深約300mの地点で取水することができます。
「室戸海洋深層水アクア・ファーム」公式サイトより
「室戸ユネスコ世界ジオパーク」とも関連する室戸独特の地形が、室戸沖で海洋深層水を取水できる理由になっています。
室戸海洋深層水の特徴は?
1989年、日本初、そして世界でも3番目の取水施設。室戸に陸上型取水施設「高知県海洋深層水研究所」が設立されました。その後、2000年に深層水の更なる普及と事業化を目指して、「室戸海洋深層水アクア・ファーム」が設立されました。
「室戸海洋深層水アクア・ファーム」公式サイトより
この高知県室戸市に取水施設が設置された背景としては、1985年に当時の科学技術庁(現 文部科学省)が進めていたアクアマリン計画「海洋深層水資源の有効利用技術に関する研究」において、高知県室戸岬沖がモデル海域に指定されたことにありました。以後、高知県海洋深層水研究所では海洋深層水研究や利活用の先駆けとして、さまざまな取り組みが行われています。
そして、室戸岬周辺には、大都市や工業地帯がないため、室戸海洋深層水には環境汚染物質がほとんど含まれていません。そして、近くに大きな河川もないため、台風などの際にも海は濁らず、常にきれいな水を取水することができます。
日本のその他の地域の海洋深層水取水施設
「海洋深層水研究会」公式サイトより
北海道:知床らうす海洋深層水、岩内海洋深層水、熊石海洋深層水
東北地方:
関東地方:三浦沖海洋深層水、伊豆大島海洋深層水
中部地方:佐渡海洋深層水、入善海洋深層水、滑川海洋深層水、能登海洋深層水、駿河湾海洋深層水
近畿地方:みえ尾鷲海洋深層水
中国・四国地方:室戸海洋深層水
九州・沖縄地方:こしき海洋深層水、久米島海洋深層水
日本海側で海洋深層水について
私は長らく、日本で「海洋深層水」は、この日本海側の海洋深層水だけだと思っていました。
富山県の海洋深層水の取水は、1995年に、富山県と株式会社マリノフォーラム21によって、 県水産試験場 (滑川市)の構内に深層水利用研究施設が整備されたのがはじまりで、日本海側では初、陸上施設による事業規模での深層水利用では、高知県室戸市に次いで2番目。
富山湾の海水は「沿岸表層水」、「対馬暖流系水」、「日本海固有水」と三層になっており、入善海洋深層水と滑川海洋深層水は300m以深の「日本海固有水」から取水されています。
富山湾の日本海固有水は、一年を通じて2℃前後の水温を保ち、太平洋側に比べても非常に低温であることや、酵素が多く溶け込んでいること、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分も豊富で、栄養源が表層水の約10倍であることなど、多くの特徴があります。
つまり、室戸市で取水される「海洋深層水」とは全くの「別の海洋深層水」。
駿河湾の海洋深層水について
静岡県沼津市に「沼津港深海水族館」があるのをご存知の方もいるはず。
駿河湾では、「黒潮系深層水」「亜寒帯系深層水」「太平洋深層水」という3つの海洋深層水が層をなしているといわれています。
このうち、静岡県では、「黒潮系深層水」と「亜寒帯系深層水」の2層から取水しており、これらを総称して「駿河湾深層水」と呼んでいます。
つまり、同じ太平洋側であるにもかかわらず、「駿河湾深層水」は「室戸海洋深層水」とも「日本海固有水」ともちがう「海洋深層水」。
最後に
同じ海の水であるにもかかわらず、地域・水深によって、異なる面をもっているのは、すごくおもしろいし、改めて「海ってすごい」と思います。
この「海」がもたらしてくれる「恩恵」を有効利用するとともに、大切に守っていかなければならないと感じます。
参考サイト
以下のサイトを参考にさせていただきました。
「室戸海洋深層水アクア・ファーム」https://www.city.muroto.kochi.jp/aqua/
「高知県」https://www.pref.kochi.lg.jp/shinsosui/about/about.html
「海洋深層水研究会」https://www.shinsousui.com/shinsousui/place/post-98.html
「富山県入善町役場」https://www.town.nyuzen.toyama.jp/gyosei/kanko_tokusan/tokusan/4/index.html
「駿河湾深層水利用者協議会」https://shizuoka-kakouren.jp/surugadsw/outline/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?