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人の成長を待てる人、待てない人~ほぼ日本初 ”待つ力”の教科書~

人は、ゆっくり変化する生き物です。
人の身体も、人の考えもゆっくりと変わります。

そして、それは他の誰かが無理やり変えることはできません。

だけど人は、頑張ってほしい、育ってほしい、と心から思えば思うほど、人を「変えよう」としてしまいます。
相手の目の前で、成長するのをまだかまだかと待ち続けてしまうんです。

でも、人はゆっくり変化する生き物だから、待つ側はどうしても焦ってしまいます。
結果、待つ側は疲弊するし、いらいらしてしまいますよね。

その焦りやいらいらが相手にも伝わって、「頑張っているのに全然できない」「期待に応えられない」とくじけてしまう。

皆さんも、そんなもどかしい経験があるのではないでしょうか?

僕はその現象の打開策は、「待たないこと」だと思っています。
待ってしまうから、待てなくなるんです。

逆説的だけど、周りから見て人の成長を待つのが上手い人は、「待たない」のが上手いんだと思います。

今日は、人を育てる立場の人に、とっておきのコツをお伝えしたいと思います。

人の成長を待たない人になるために

①相手の「今」を否定しないこと


まずひとつめの大切なポイントは、相手の「今」を否定しないこと。

待てなくなる人は、相手の「今」を否定してしまっていると思います。
「今のそのあなたではダメ、変わりなさい、成長しなさい」って。

相手の今の状況や考え方、価値観をマイナスに評価してしまっているから、
今を否定して成長を待ってしまうんです。

でも、人の考え方や価値観は、「ゼロ」になることはあっても、マイナスになることはありません。
人は誰でも未熟で、公平。
だから、自分が思っている正解は、他の誰かにとって正解ではないかもしれないし、人それぞれの考え方や価値観は違う。

「今のあなたではだめだ」と思ってしまったことがある人は、改めてこの考え方を持つことをおすすめします。

今の相手を否定せず、今をゼロ=スタート地点と捉えてみましょう。

②自分が相手に影響できる範囲のことだけに専念すること

ふたつめの大事なポイントは、「自分が影響できる範囲だけに専念する」こと。

待てなくなる人のもうひとつの特徴は、本来自分が影響できない範囲まで相手に入り込もうとしてしまうことだと思います。

冒頭でも書いた通り、人は他の誰かを無理やり変えることなんてできません。

影響できない範囲まで入り込もうとすると、相手を変えられないことに勝手にいらいらいすることになるし、相手も「そんなことまで何で指示されなあかんねん!」って思いますよね。

だから、自分が影響できることだけに専念するのがお互い幸せだと思います。

じゃあ、他者に影響を与えることはできないのか?

相手の今の状態を否定せず、自分の影響できる範囲のことだけに専念すること。
大切なのは、なんとなくお分かりいただけたと思います。

でも、「そんなこと言ったって、人が変わるきっかけは作らないと…!」と思う方、いらっしゃると思います。

僕がよく使うのは「提案」という方法です。

「こうなったら、もっといいと思うよ」「こうやってみたらいいんちゃう?」

あくまで、その人が良くなる選択肢を提示する。
押し付けたり、指示するのは、本来自分が影響できないことに足を踏み入れてしまうことになる。
結果的に「待つ」ことになってしまいます。
だからあくまで、提案にとどめることが大事なんです。

そこで本当に変化するか、成長するかは、本人の自由。

これが、「人を育てること」の本質だと思っているし、
人が人を幸せに育てる唯一の方法だと思います。

人を育てる時には「待たない」こと。
相手の今を否定せず、自分の影響できる範囲のことだけに専念すること。
相手が変わるきっかけを作るためには、「提案」すること。

そうやって、幸せに人を育てられる人になってみてはいかがでしょうか?