3/10(水)に、大家の学校のスピンオフ企画『アフロとボウズの物件徹底解剖』というイベントで、東京都荒川区にある賃貸マンション、トダビューハイツの大家さんである戸田江美さんとトークをさせてもらいました。 戸田さんのキャラクターもあいまってとても穏やかな雰囲気でトークが進みましたが、その中で僕自身が得られた新たな視点について、今回のnoteでは共有させてください。 「ほっこりオシャレな下町」を目指して 荒川区の尾久(おぐ)、と聞いたところでピンとくる方はまだまだ少ないと思い
僕の尊敬するホビー不動産仲間に、ビーフンデザインの進藤強さんという建築家がいます。 Googleで「変態建築家」と打つだけで進藤さん関連の記事がトップに並ぶほど、いつも無邪気な発想力でトリッキーな設計をされる建築家でありつつ、自らも不動産投資家として予測不可能、変幻自在の投資を多数行っている方です。 そんな進藤さんに数年前、Facebook上で知人の方が、「いつも攻めた投資をされていて、進藤さんは勇気がありますね」というコメントをされました。 それに対して進藤さんの返し
大家さんとして、自分の物件を差別化しようとして情報収集を頑張っていると、アクセントクロスやDIY可、最近では猫ブームにあやかってか、保護猫付き賃貸!なんて思い切ったコンセプトの物件まであることに気がつきます。 もちろん、他の物件と横並びでは決め手にかけて選ばれないので、なにか差別化をしないと…という考え方は大正解だと思います。 ただ、その時の差別化に向き合う姿勢について、実は重要なことがある。というのが今回のnoteでお伝えしたいこと。 「選べる壁紙」と「DIY賃貸」最
突然ですが、大家業を営むうえで獲得しておいた方がいいスキルってなんだと思いますか? 宅建業や建築、税務や融資など、様々な知識があればあるほど投資の失敗を回避できるのは間違いないと思いますし、知識をつけるために不動産投資関連の本やセミナー、あるいは積極的に情報発信をされている先輩大家さんと人脈を作って学ばれている方は多いかと思います。 そうした知識や人脈も間違いなく必要なのですが、意外と見落とされがちで重要なスキルに「共感力」、すなわち様々な住まい手の気持ちや考え方に共感し
不動産賃貸業をホビーとして楽しむ大家さんに向けて、不動産についての解像度を上げるための連載を綴るこのnoteですが、今回のコラムで扱うテーマは「間取り」です。 間取りに決まった正解はなく、物件の良し悪しは立地やデザインなど、他にも様々な要素が絡んでくるものです。 ただ、不動産のセレクトショップ「東京R不動産」で14年超、数多くの物件のご案内をしてきた僕の経験上、より決まりやすい間取りというのは存在するのではないかと考えています。 そこで今回のコラムでは、決まりやすい間取
賃貸住宅にかかわらず、なにかの企画をする際には「ターゲット」という言葉をよく使いますよね。 あるいはマーケティング用語的には「ペルソナ」を設定する、という言い方をすることも多いかもしれません。 僕はマーケティングの専門家ではないのでうかつなことは言えませんが、ざっくりとした理解とすれば、ターゲットは性別や年齢、居住エリア、職業などで絞り込んだ想定顧客。 ペルソナは、より具体的な人物の趣味嗜好や日々の購買活動や休日の行動パターンにまで解像度を上げ、ターゲットをさらに絞り込
たとえば、新築やリノベーションによって賃貸物件を作るとします。 デザインを建築家に、賃貸の客付を不動産業者に依頼した場合、施主=事業主である大家さんと合わせると三者によるプロジェクトということになります。 この三者が力を合わせて作るプロジェクト、同じゴールを目指して走っているかと思いきや、実は三者三様の視点で、各々のゴールを目指してしまうこともあるので注意が必要です。 誤解なきように最初に僕のスタンスを述べさせていただくと、建築の持つ力を何度も目にしていますし、建築家の
2006年から、不動産のセレクトショップである「東京R不動産」で不動産仲介に携わって、はや14年が過ぎました。 今回は、仲介営業と大家業の2つの立場で不動産と関わる僕が大切にしている考え方のひとつについてご紹介します。 不動産はどのように選ばれる? 不動産仲介は賃貸・売買を問わず、間取り図の記載された募集チラシやホームページによる情報提供と、実際に物件に足を運んで現地確認していただく内見、という2つのステップを踏むことが一般的です。 内見に来た方は、現地では間取り図はチ
この記事は、東京に住む僕が2019年8月に沖縄で宿をオープンさせるまでを書いた記事の2話目です。1話目がまだの方はこちらからお読みください。 沖縄でいつか拠点を持つとした場合の候補地として妄想していたのは、妻の実家のある那覇市内か、せいぜい那覇から車で40分前後で行ける北中城村(きたなかぐすくそん。平屋の外人住宅を改装したカフェなどが点在する、感度の高い人の集まるエリア)まででした。 それがなぜ、行ったことも、ましてや聞いたこともない今帰仁村(なきじんそん)で宿を持つこと
タイムリーな話題でいうと、Go Toトラベルキャンペーンの壮大なすべりっぷりを見て思うところはいろいろありますが、季節的には沖縄に行きたくなるシーズン真っ盛り! ということで、本当は購入した物件から順番にnoteを書いていこうかと思っていましたが、2019年6月に沖縄でつくった宿の話から先に書いてみようと思います。 一棟貸し切りの宿『irregular INN Nakijin』 http://www.instagram.com/irregular_inn 毎度一本のコラ
僕が不動産をホビーにすることになったキッカケとなる事件の第3話です。1話、2話がまだの方はそちらからお読みください。 切り拓かれた新たな人生事件の対応をしている最中は、怒りや悲しみに暮れている余裕がなく、とにかく頭を切り替えて、業務として必死に向き合っている感じでした。 犯人が逮捕され、失ったものが戻らないことがわかり、先祖代々の土地の売却が完了すると、次にやってきたのは「土地の売却で祖母が手に入れてしまった現金をどうするか?」問題です。 祖母がこの先何年生きるかは誰に
僕が不動産をホビーにすることになったキッカケとなる事件の第2話です。第1話がまだの方はそちらからお読みください。 消えた相続財産防犯フィルムを貼ったものの、幸い僕の自宅にまで犯人が来ることはなく、事件から数週間経ったある日。 警察署から、祖母宅に強盗に入った実行犯6人を全員逮捕したとの連絡がありました! 正直、仲介の仕事とこの事件対応を並行していた頃は、毎日の中での気持ちの切り替えが結構大変でして、犯人逮捕の報告を受けた時はすごく安堵しました。。 日本の警察はなんて優
僕が不動産をホビーとしてはじめることになったのは、実はある事件がキッカケでした。 だいぶ生々しい話になってしまいますが、すべて実話です。エンタメとしてお楽しみいただけたら幸いです。 ある誕生日のサプライズ 2013年12月7日未明。 僕の34歳の誕生日のその朝、母親からサプライズな電話がありました。 「今朝、おばあちゃんの家に強盗が入って、現金から権利書から実印まで全部入っていた金庫が盗まれちゃったんだって。」 金庫って普通、強盗が一人で入って簡単に持ち出せるものでは
大家業3.0は、不動産をホビーとして楽しむ大家さんが増えることにより魅力的な物件が増え、借主側の物件に求める水準が上がり、数字ばかり見て自分の利益しか考えられない大家さんがつくる魅力に欠けた物件では、借り手がつかなくなる世界です。 と言われるとなんとなく、楽しそうだしいいことな気がする!と思うものの、一方で数字じゃない、と言われると、どんなことを意識して物件をつくればいいのか不安になると思います。 そこで今回は、ホビーとして物件をつくる際のバランス感覚、という視点でお話し
チャンスを掴む行動力金融機関からは5年ローンまでしか組めない、管理人さんからは6番手まで入ってると言われてしまった僕がやらないといけないことは明白です。それは、彼らを口説き落とすこと。 ですが、管理人さんのハードルがなかなか高く、たまたま一度だけ電話に出てくれて6番手までいることを教えてくれましたが、基本的に人との対応はすべて奥さん窓口での伝言しか受け付けてもらえないとのこと。 現金購入5組、僕だけローンでは勝ち目がありません。どうにか本丸に迫る必要があります。 なんと
自宅の購入&リノベーションに貯金をすべて使い切ってしまったため、次なる物件を購入する資金が貯まるまでは、不動産についての勉強期間と決めていたんです。 あの物件が僕の目の前にドラマティックに現れるまでは。 ということで今回は、僕の大家業デビュー作となる2件目の物件のストーリーを書いていこうと思います。 運命の出会いは突然に自宅への引っ越しを2011年2月に終え、自宅で東日本大震災を経験したあとの2014年のある日のこと。 ※ちなみに自宅は昭和43年築と古く、震災時にはま