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テラスタルのリザードンexはなぜ悪タイプなのか【ポケカアドカレ7日目】


みなさんこんにちは。
Muです

今回は、いちょーさん(ichyo_PTCG)さんが企画されているポケカアドベントカレンダーに参加させていただきました。
12月1日から25日までの間、ポケモンカードに関する記事が企画の参加者より毎日1つずつ投稿されます。
詳細については主催のいちょーさんの記事をご確認ください。

また他の参加者の記事については、以下のリンクから読むことができます。
面白い記事ばかりですので、ぜひご確認ください。


それでは本文へ。

※前置きが長くなってしまったので、気になる部分のみ目次から飛んでお読みください。

※本記事では以下のように分類しております。
また、便宜上「テラスタル」のポケモンをテラスタルポケモンと記載しています。

『〇〇』・・・カード名
【〇〇】・・・テーマ、デッキの種類
《〇〇》・・・特性
〔〇〇〕・・・わざ
「〇〇」・・・その他

◯はじめに


昨日は新弾「テラスタルフェスex」の発売日でしたね。みなさんは購入できましたか?
パックの名前にもなっているように、ゲームのスカーレット・バイオレット(以下スカバイ)シリーズで登場した新システム「テラスタル」は今回のシリーズの売りの一つです。

ポケモンカードは、基本的にゲームのシステムを取り入れてカードデザインがされていると、私は考えています。

例えば、サン・ムーン(以下SM)シリーズであれば、対戦中1度しか使用できない強力な「Zワザ」が、ポケカでも試合中1度しか使用できない強力な「GXワザ」としてデザインされています。

また、ソード・シールド(以下剣盾)シリーズであれば「ダイマックス」・「キョダイマックス」が「VMAX」としてデザインされています。こちらは、ゲームとは仕様が少し異なりますが、HPが大きくなる点や一部のポケモンで「ダイマックスわざ」・「キョダイマックスわざ」のようなワザが使える点などは同じではないでしょうか。

個人的に、「テラスタル」がどのようなデザインでカード化されるかすごく楽しみにしていました。

なぜこのようなデザインになったのか。
ポケカにおけるテラスタルポケモンの代表格である『リザードンex』のテラスタイプが悪タイプなのはどうしてなのか、というタイトルの疑問を解決できるように、自分なりの考えを書いていきたいと思います。

○ゲームにおける「テラスタル」


そもそも「テラスタル」とは何なのか、ということから説明します。
「テラスタル」とは、すごく簡潔にいうと「ポケモンのタイプを変更する」というものです。
タイプが変更しない場合もありますので、ゲーム中で「テラスタル」がどのような仕様であるのかを確認します。

●「通常のテラスタル」

・対戦中1度しか使用できない
・どのタイプにも変化できる(事前にテラスタイプを決定しておく必要あり)
・テラスタイプは条件を満たすことで変更可能
・変化前後でタイプが同じ場合は、タイプ一致技の威力が2倍
・変化前後でタイプが異なる場合は、タイプ一致技の威力が1.5倍
・変化前後でタイプが異なる場合でも、元タイプの技の威力は1.5倍

など

●「テラスタイプ・ステラのテラスタル」

・各タイプの技を1回ずつ強化できる
・タイプの変更はなし
・ステラに変化後は、タイプ一致技の威力が2倍
・ステラに変化後は、タイプ不一致技の威力が1.2倍

など

他にもありますが簡単にまとめました。
では、ゲームの対戦中で「テラスタル」はどのような役割をもつのでしょうか。
私は、主に以下の3つの役割があると考えています。

1.自分の弱点を変更する
2.相手の弱点を突く
3.技の威力をあげる

上記の仕様をどのようにカードデザインに落とし込んでいくのかは、この3つの役割をどのように再現するかで考えられているのではないかと予想しています。

※もちろん、デザインを考える上で他にも考えなければいけないことがたくさんあると思いますので、あくまで理由の1つになるのではないかということです。

○ポケカでの「テラスタル」


ポケカでのテラスタルは「グッズ」や「ポケモンのどうぐ」ではなく、「テラスタル」のポケモンとしてデザインされました。

もともとのポケモンのタイプを自由に変更する等はできず、決められたタイプにしか変更することができません。
なので、ポケカではテラスタルした状態のポケモンがいきなり登場することがあります。

またテラスタルポケモンには、

「このポケモンは、ベンチにいるかぎり、ワザのダメージを受けない」

という共通の効果があります。

たねポケモン、1進化のポケモン、2進化のポケモンのいずれにもテラスタルポケモンは存在していますので、通常のポケモンから急にテラスタルポケモンとなる場合もあります。

今の所、テラスタルポケモンは大きく3つにわけることができます。

①元々のタイプと今のタイプが同じテラスタルポケモン
(例:『ドラパルトex』、『オーガポンみどりのめんex』など)

②元々のタイプと今のタイプが異なるテラスタルポケモン
(例:『悪タイプのリザードンex』、『闘タイプのゲッコウガex』など)

③テラスタイプ・ステラのテラスタルポケモン
(例:『テラパゴスex』、『サザンドラex』など)

※ここでの元々のタイプとは、ポケカにおけるタイプです。
※今回、『イーブイex』等は③に含んでいます。

それぞれのカードの特徴を確認しましょう。

①元々のタイプと今のタイプが同じテラスタルポケモン


これらは初期に登場したカードがほとんどですが、②のタイプが登場した後に収録されたカードもあります。

基本的には、ワザを使用するためのエネルギーが元々のタイプと同じエネルギーや無色タイプのマークで構成されています。弱点についても、元々のタイプと同じで変化はありません。


ワザのダメージが強力かと言われるとそこまで高くないようにも思いますが、種族値まで考慮すると違う見解になる可能性もあります。

今回の記事の主旨からそれてしまうので、ポケカと種族値の関係についての考察はまた別の機会があれば挑戦してみたいと思います。

②元々のタイプと今のタイプが異なるテラスタルポケモン


パック「黒炎の支配者」で初めて登場したテラスタルポケモンの種類となります。

一番の特徴は、そのカードのタイプとワザを使用するために必要なエネルギーのタイプが異なるということです。

例えば、『悪タイプのリザードンex』であれば、カードのタイプは悪ですが、ワザを使用するために必要なエネルギーは炎です。
基本的に、ワザを使用するために必要なエネルギーは、テラスタル前のタイプと同じであると考えられます。
また、弱点については今のタイプの弱点が採用されています。

ワザのダメージについては、一部強力なものもありますが、全てが強力かと言われるとすこし怪しいです。(強力の定義によりますが…)

③ステラのテラスタルポケモン

パック『ステラミラクル』で登場したテラスタルポケモンの種類となります。

特徴として、ワザが1つだけの場合、基本的にはワザを使用するために3つのタイプのエネルギーを必要とします。
もう1つワザがある場合は、元々のタイプや無色タイプのエネルギーとの組み合わせになっています。
タイプの変更はなく、弱点もそのタイプのものとなっています。

個人的に、使用するために3タイプ以上のえねるぎーを必要とするワザについては、他のテラスタルポケモンに比べて強力なダメージや効果のものが多いと感じています。

○なぜ「トレーナーズ」ではなく「テラスタルのポケモン」なのか


これは、あくまでも予想なのですが、トレーナーズでテラスタルを実装してしまうと、盤面が煩雑になってしまい、ヒューマンエラーが多発してしまうからではないでしょうか。

「ポケモンのどうぐ」だと場に残ってわかりやすい、と思われるかもしれませんが、今でもついているのを見落とした、ポケモンの下に隠れていて揉めたなどのトラブルが多発しています。

盤面の情報量が増えるということは、その分ヒューマンエラーを引き起こしやすくなります。
プレイミスで済めばよいですが、ルールミスになってしまうとシティリーグやCL等の競技シーンでの混乱は避けられません。

また、ポケモンカードは比較的簡単なルールや効果でデザインされているので、初心者や就学前の小さなお子さんにとって、煩雑になるカードデザインは好ましくないと予想できます。

○カードデザインの考察


本題です。
ここまで、ゲームにおける「テラスタル」やポケカにおけるテラスタルポケモンの仕様について説明してきました。
ここからは、そのカードデザインについての考察を行います。

先ほど、ゲームの対戦中で「テラスタル」は主に

1.自分の弱点を変更する
2.相手の弱点をつく
3.技の威力をあげる

という3つの役割があり、ゲームにおけるテラスタルの仕様をどのようにカードデザインに落とし込んでいくのかは、この3つの役割をどのように再現するかで考えられているのではないか

と予想していると書きました。

実際のポケカではどのように表現されているか、それぞれ確認してみます。

1.自分の弱点を変更する

これは先ほど説明した②元々のタイプと今のタイプが異なるテラスタルポケモンで表現されています。

ゲームと違い、能動的に変化先のタイプを決定することはできませんが、相手が思っていた進化先のポケモンではなく、テラスタルポケモンの進化先を急に出して弱点を消すことが可能となります。

またポケカにおいては逆のパターンで、テラスタルポケモンの進化先が出てくると思っていたのに元々のタイプの進化先が出るという場合も考えられます。

具体例を考えてみましょう。

例えば、『炎タイプのリザードンex』の弱点は水タイプです。
相手が水タイプ軸のデッキである場合、弱点をかわすために『悪タイプのリザードンex』へと進化させるという状況です。

逆の場合も同じです。
『悪タイプのリザードンex』の弱点は草タイプですが、『炎タイプのリザードンex』に進化することで、弱点が水タイプになるのでかわすことができます。

②のテラスタルポケモンでテラスタル後に同タイプの弱点であるポケモンは今の所存在していません。
なので、開発の人たちもその点については気をつけていると考えられます。

余談ですが、従来いろいろなタイプのポケモンを採用しようと思うと、ワザを使用する都合上エネルギーもそのタイプの分だけ用意しなければいけないことがほとんどです。

しかし、②のテラスタルポケモンであれば、元々のタイプと同じ種類のエネルギーでワザを使用することができるので、別タイプのエネルギーを用意しなくてもいいのがよいですね。

2.相手の弱点をつく

この点についても、先ほどの『リザードンex』の例で考えてみましょう。

『炎タイプのリザードンex』の弱点は水タイプです。『悪タイプのリザードンex』に進化することで弱点をかわすことはできますが、水タイプの弱点は雷タイプであることが多いので、テラスタルポケモンに進化することで弱点をつくことはできません。

『炎タイプのリザードンex』が雷タイプにテラスタルすれば、自分の弱点をかわしながら相手の弱点を突くことができますが、そうではなく『悪タイプのリザードンex』にテラスタルします。

なぜ雷タイプではなく悪タイプなのか。それを考えるために逆のパターンも見てみましょう。

『悪タイプのリザードンex』は、草タイプが弱点となりますので、『炎タイプのリザードンex』に進化すると不意に相手の弱点を突くことができます。
これであれば、弱点をかわしながら弱点を突くということができます。

ゲームでは元々のタイプからテラスタルすることで弱点をかわしたり、弱点を突いたりすることができますが、ポケカではポケモンが元々テラスタルしている場合もあるので、ゲームとは逆の現象が起こり得ます。

このことから、ポケカの開発側では、「弱点をかわす役割」と「弱点を突く役割」を1枚にまとめるのではなく、分けて持たせるようにカードをでデザインしているのではないか考えることができます。

『リザードンex』 以外に、②で作られているテラスタルポケモンの元々のタイプ、弱点とテラスタル後のタイプ、弱点をまとめると次のようになります。


『悪タイプのリザードンex』のようなデザインのカードもあれば、それとは逆のデザインである『闘タイプのゲッコウガex』のようなカードもあります。

『闘タイプのゲッコウガex』のようなデザインであれば、「弱点をかわす役割」と「弱点を突く役割」を2つとも持っていると言えます。

また、『悪タイプのリザードンex』、『闘タイプのゲッコウガex』のどちらのようなデザインでもないテラスタルポケモンもいます。

そもそも、すべてのテラスタルポケモンに分岐先がいるわけでもありませんので、②で作られているポケモンでもすべて同じデザインではないと分かります。

3.技の威力をあげる


この点については、③のテラスタルで表現されていると考えられます。
ステラのテラスタルポケモンは、ワザに必要なエネルギーのタイプが多い分だけ、他のテラスタルポケモンより強力であると感じます。

ステラにテラスタルした場合はタイプ不一致技でも威力が増すので、その点を活かしたいという意図がデザインに組み込まれているのではないでしょうか。

○まとめ


●テラスタイプ・ステラのテラスタルポケモンは技の威力や効果が強力なものが多い

● 基本的には、「弱点をかわす役割」と「弱点を突く役割」が分かれるようにデザインされている

●テラスタルポケモンはゲームのテラスタルの仕様にある程度準拠してデザインされている

今回は100%ただの趣味で考察を行いましたが、カードデザインを考察することに意味はあると考えています。

なぜなら、カードゲームには開発者がいて、ある程度デザイナーズコンボで作られているからです。
新しくカードが発表されたりすると、これと相性いいな、これは自分が見つけたオリジナルコンボだ等考えてしまいがちですが、ほとんどは開発者の想定内であると予想できます。

ということは、開発者には「これと組み合わせると強く使えるよ」という構想があり、そこに辿り着けるかが大切なのではないかと考えられます。

開発者の想定を超えられるようなデッキ作成ができるとプレイヤー冥利に尽きることでしょう。
たまに開発者の想定を遥かに超えるスーパーコンボが発見され、カードが禁止になることもありますが、スタンダード環境ではここ数年起こっていません。

どういう意図でカードがデザインされたかを考えてみるのは、結果的にプレイヤースキル向上に繋がる可能性もありますので、たまにはやってみてもいいのではないかと思います。

こういった視点から考えても、今回のアドカレに投稿されている「なにものか(@nanimonoka )さん」の記事はとても興味深く、勉強になりましたのでオススメです。

○おまけ


スカバイシリーズも3年目に突入します。これまでのSMシリーズ、剣盾シリーズを経験してきた方ならうすうす感じていると思いますが、3年目にはゲームになかった新たな要素が追加されることが多いです。

SMシリーズではTAG TEAMが、剣盾シリーズでは今でも猛威を振るっているVstarが登場しました。
どちらも強力なカードが多く、またポケカ界隈を盛り上げた要素であると思います。

「◯◯のポケモン」が登場することが世界大会で発表(記憶が曖昧なので間違っていたらすみません)されていましたが、スカバイシリーズの新要素が追加されるのか個人的に楽しみなので、ここまでの考察を元に予想(願望の垂れ流し)してみたいと思います。

・テラピースの実装

ゲームではテラピースを集めることで能動的にテラスタイプを変更することができます。
1枚でタイプが変更できてしまうととても強力なので、テラスタルポケモン以外のポケモンexに対して、2枚または4枚同時に使用する、かつ試合中1度しか使えないぐらいの縛りをつけられるなら実装しても良いのではないかと思います。

・ワザマシン〔テラバースト〕

本文で触れませんでしたが、ゲームには「テラバースト」というワザが存在します。ポケカにはワザマシンというカードが存在しますので、実装しても面白いのではないかと思います。

・タイプ一致テラスタルポケモンの強化

「ステラミラクル」以降、テラスタルポケモンはすべてテラスタイプ・ステラのポケモンしか登場していません。
不遇な忘れ去られた存在のタイプ一致テラスタルポケモン達に強化を与えてもよいのではないでしょうか。

・タイプ違いテラスタルポケモンの分岐先

そもそも、タイプ違いテラスタルポケモンの全てに元々のタイプのポケモンexがいるわけではありません。
テラスタルしたポケモン達がより活躍できる

◯おわりに


無駄に長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

実はあまりゲームの対戦はしていないので、間違った事などありましたら教えていただけると幸いです。

また今回はアドカレに参加させていただくことができ、嬉しい気持ちでいっぱいです。主催のいちょーさん改めてありがとうございました。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた次の記事で。


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