note福岡meetupを通して

先日読んだ記事で、組立家具を販売するトゥエルブトーンの角田さんが、こんなことを言われていた。

何かモノを作るとする。自分は全然好きじゃないんだけど、誰かは買うんだろうな、っていうモノづくりがこれまでなされてきた。そういう「誰かが欲しいであろうもの」が増えて、世の中に無駄が多いんだよね。

この言葉を聞いた時、今の時代に求められているのは「他者理解」よりも、まずは「自己理解」を深めることではないかと、ふと思った。

物や情報が溢れている時代だからこそ、自分の心に感じた小さな違和感を見つける感受性が求められているんじゃないか、と。

先日私は、#note福岡meetupのイベントに参加した。AmazonのAWSの立ち上げをされた小島さんと、note福岡meetupの主催をされている池松さんのトークイベントで、テーマは「コミュニティマーケティング」について。

私は、コミュニティマーケティングという言葉は以前から聞いていたものの、内容をよく理解していなかったので、コミュニティやマーケティングについて学べたとても良い機会だった。

イベントの中で、特に印象的だったお話が2つある。それが、「自分ゴト化する大切さ」と「見つけてもらうためのコンテクストを発信する
といったものだ。

まず1つ目の自分ゴト化とは、コンテンツや商品を開発販売するときに、「自分だったら買うか?」という疑問を持つこと。

これは、最近よく言われている「美意識」にも近い気がしている。損得やデータばかりに目を向けるのではなくて、真善美を判断する美意識を持つことが、とても大切になっているんじゃないかと思う。

もちろんマーケティングを考える上で、定性的なデータを見ることは大切だと思う。だけどデータばかりに重きを置くと、時に本質とずれた行動をしてしまうことがある。
そこで大切なのが、現場を見ること、そして徹底的な自分ゴト化だと感じる。

私が毎週noteを更新し続けている理由も、この「自分ゴト化」する訓練をして、自己理解を深めるためだ。意図的に、週に一度自分との会議の時間を作って、感じたことをアウトプットするようにしている。

誰でも他人との会議の時間は設けるのに、自分と会議する時間を作る人って、多分少ない。でもこれって実は、とても重要なことじゃないかなぁと思う。

普段見逃してしまいがちな心の違和感やストレスを感じ取ることは、「自分ゴト化」するためにも、自分自身を大切にする上でも、必要な時間だ。

ただ、「自分ゴト化」と一言で言っても、それは簡単なことではない。。
なぜかというと私たちは、普段の生活で違和感やストレスを抱えることがあっても、それが当たり前だと思い込んでしまっているから。

違和感やストレスを感じ取り言語化することは、とても労力を使う作業だ。だからどうしても、「自分ゴト化」をサボって、当たり前という言葉で片付けてしまったり、決断を周りに委ねることがよくある。

次に印象に残ったのが、「見つけてもらうためのコンテクストを発信する」というお話だった。

はじめ、小島さんが「主義主張ではない」と強く言われているのが、疑問に思った。コンテクストと主義主張は何が違うんだろう?と。

だけどイベントが終わった後に、自分会議の時間で改めて考え直した時に、小島さんのお話に深く共感した。
私は、コンテクストという表現が、重要なんじゃないかと感じた。

コンテクストとは文脈という意味で、抽象度の高い表現だ。

つまり、「一言では言えないけど、この人、この会社が好き」と思ってもらうことが大切なのではないか、と思った。

私自身、本当に好きなお店ほど、「よく分からないけど、何となく雰囲気が好き」という抽象的な表現になってしまうことが多い気がしている。

多分ファンが多いお店ほど、「こういった理由で支持されている」という綺麗な正解がある訳ではなくて。色んな要素が複雑に絡み合った結果、沢山の人に支持されるようになったのではないかなぁと思うのだ。

マーケティングに興味を持ち始めてから、約7年が過ぎた。学び始めた頃の私は、綺麗な正解ばかり求めていた気がする。現場を見ずに机上のデータと想像だけで相手の気持ちを分かった気になっていた。今考えれば、何と傲慢だったんだ、とたまに恥ずかしくなる。

今回のイベントを通して、マーケティングにおいて重要なことを改めて考えさせられた。

それが、
「自分だったら、どう思うか?」
と自分に問い続けること。そして、
「マーケティングに綺麗な正解はない」
ことを理解することだ。

この2つは、今後どんなに時代が変わったとしても普遍的で重要な考えじゃないかなぁと思う。 いつも忘れずに大切にしていきたい。

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