<書評> Tim Cook 「ティム・クック アップルをさらなる高みへ押し上げた天才」
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)の人物像に迫った書籍「ティム・クック アップルをさらなる高みへ押し上げた天才」を読みましたので、簡単に紹介します。
Apple入社まで
ティム・クック氏は、保守的なアメリカ南部のアラバマ州で育ち、同州のオーバーン大学で生産工学を学びました。1982年に大学を卒業したクック氏が就職したのは、スティーブ・ジョブズ氏が目の敵にしていたIBMでした。
その後、32歳の若さでコンピュータ製品を販売するIntelligent Electronicsに最高執行責任者(COO)として迎え入れられました。
Intelligent ElectronicsがGEに事業を売却した後の1997年、クック氏はCompaqに引き抜かれ、サプライヤーを効果的に活用することで、低価格のWindows 95パソコンを大ヒットさせる立役者となっています。
Apple入社後
Appleからの誘いを何度も断っていたクック氏は、結局、ジョブズ氏の情熱に押され、1998年3月、37歳でワールドワイドオペレーション担当上級副社長としてAppleに入社しました。
当時のAppleは、低価格のWindows 95パソコンが売れる一方でMacの販売が落ち込み、混乱した製造工程によって倒産の危機に瀕していました。
IBMやコンパックで学んだ生産管理のオペレーション技術をフル活用したクック氏は、Apple入社1年で、積み上がっていた在庫を解消し、収益の劇的な改善に貢献しました。それまでバランスシートに計上するまで数ヶ月かかっていた在庫を数日にまで圧縮し、経営オペレーションの改善についても手腕を発揮しました。
プログラミング言語に対して
ティム・クック氏は、プログラミング言語について、このような事を語っています。
プログラミング言語について 私の考えではこの言語は最も重要な第二言語である唯一のグローバルな言語なのです。もしどちらか一方を選択する必要があるなら多言語を学ぶよりもプログラミングを学ぶ方が重要であると考えています。
2013年のオーバーン大学でのスピーチ
2013年に母校のオーバーン大学で行われたインターナショナルクオリティーオブライフアワード受賞スピーチでは、ティム・クック氏は、このような事を語っています。
障害を持つ人々は、自らの人間としての尊厳を認めてもらえずに苦しむことが多いのです。われわれは、それが正しいことだからやっているのです。そして、それは人間の尊厳を尊重するために必要なことである。私はアップルのこのような一面を非常に誇りに思っています。我々はアクセシビリティーを基本的人権だと考えています。
2017年に定められたAppleの「6つの価値観」
1. アクセシビリティ:誰にでも使いやすい製品を作る
2. 教育:質の高い教育を誰でも受けられるようにする
3. 環境:製品デザインと製造過程で、環境を保護する
4. インクルージョンとダイバーシティ:多様性を大切にする
5. プライバシーと安全性:プライバシーを基本的人権と捉え、顧客のプライバシーと安全性を徹底的に保護する
6. サプライヤー責任:サプライチェーンで働く人々を教育し、支援する
2014年10月30日には、自分自身がゲイであることを公表しています。ティム・クック氏は、彼がゲイであったおかげで、マイノリティーであることの意味をより深く理解することができ、マイノリティーグループに属する人々が日々直面している課題についても考えることができるようになったと語っています。
そしてティム・クック氏は、それまで白人男性だけで構成されていたアップルの経営陣に3人の女性を迎え入れ、取締役の選考時にマイノリティーから候補者を見つけることを公約として追加するため当社の取締役会憲章を変更したことでも評価されました。
ティム・クック氏は経営陣を多様化させることに価値を置いており、それが社会からも評価を受けているように感じました。
また、ティム・クック氏は、アウトドアをとても愛しており、ほとんどの休日をカリフォルニアのヨセミテ公園でのハイキングやサイクリングにあてているという一面もあるそうです。
私は、歩きながらAudible聞いてます。移動時間を有益にできるので、オーディオブックは試して見る価値ありますよ〜。