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SF思考と一周まわった最先端農業

SF思考とは

サイエンスフィクションの考え方をビジネスに取り入れる手法らしいです。

SFの実現のような革新を目指す考え方かな??
「いまある資源や技術からどういった革新を生み出さるか」ではなく、
「その革新を生み出すために、いまある資源や技術をどう活用できるか」
といったこと??

SFの考え方をビジネスに取り入れるなんて、なんてセンスがあるんだ!
と私なんかは思います。

そして、農業にもSFを取り入れられるのではないかと思いました。
(若干のこじつけ感はご容赦ください)

農業における未来予測

昨今の気候変動で、従来の農業は日に日に難しくなっています。
何が厳しいかというと、
・猛暑(高温で作物が育たない)
・干ばつ(水不足で作物が枯れる)
・豪雨(作物が根腐れする)
・台風(作物が折れる)
・虫の大量発生(作物が食べられる)

キャリア3年の農業者ですが、すべて経験しました…

スマート農業と最近盛んにいわれるように、
農業の第二次産業化(製造業化)が進むと思われます。

もはや完全環境制御型の植物工場のようなところでしかまともな農業ができなくなっていくでしょう。

大資本がある企業が大規模に、
温度、湿度、光度、CO2濃度などを自動で制御し、
ロボットによる収穫や生産管理を行い、
野菜を生産するようになっていくと思われます。
(すでになっていると思われますが、それがメインになるでしょう)

米の生産については日本のアイデンティティなので、暑さに強い品種の導入と大規模化、自動運転などのスマート化などで今後も維持していくと思われます。

私のような弱小零細農家(主にトマトなどの野菜の露地栽培)は滅ぶしかないのでしょうか?

そこでSF(空想)の登場です

そんな植物工場だらけ、自動化したロボットによる生産だらけの近未来農業は、
・第3次世界大戦
・宇宙人の侵略
・AIによる人間の支配
・エネルギーの危機的枯渇
(いわゆる終末的状況)
に耐えられるでしょうか?
答えはです。

そんな危機的状況になったとき、ひと際輝き始めるのが、
私たちのような弱小最先端農家です。

なにが最先端か?

それはいわゆる「環境再生型有機農業」で、
・農薬不使用
・除草剤不使用
・化学肥料不使用
・不耕起(トラクターで耕さない)栽培
・固定種野菜の栽培
といったものです。

従来の農業とは一線を画す農業です。
環境に配慮し、畑周辺の生物量を増やすことで土を豊かにしていく農業です。

特に重要なのは不耕起であることです。
トラクターで耕耘してしまうと、地中の生物の8割が死滅してしまいます。
(ロータリーの高速回転による大量虐殺です)
耕さないことで生き物たちの循環が生まれます。

農薬・化学肥料を使わないことは、持続可能な農業にとっては必須です。
農薬・化学肥料を使い続けると、それを使わないと作物が栽培できない土地になってしまいます。(すでになっているかもしれません)

除草剤を使わないことも重要です。
それを使ってしまうと、植物の多様性が崩れ、除草剤に負けない雑草のみの畑になってしまいます。

農薬・除草剤は多数の虫たち(害虫)も殺してしまいます。

植物、昆虫、微生物、その他の様々な生き物たちが多様に生きる環境こそ、この気候変動に対応できる可能性があるのではないかと思っています。

そして固定種の野菜の栽培です。
栽培されている野菜のほとんどはF1種と呼ばれる、栽培できるのが1代限りの種ですが、
固定種は種を取って次の代も栽培することができます。
種を取って繋いでいくことで、環境変動に強い品種に進化していくのではないかと期待しています。

この「最先端の農業」は前時代の農業に戻っただけとも言えますが。

1周回って最先端農業

このような「環境再生型有機農業」(1周回って最先端の農業)を続けていくことこそ、
私たちのような弱小農家の使命と思って今日も農業を続けています。

問題は全然儲からないこと。
大問題です。

いつまで農業を続けていけるのやら
といった感じです。

とはいえ、
生活のために、農薬・化学肥料を使ったり、トラクターを使ったりは考えていません。

何とか続けていけるように頑張ってみます。
ハルマゲドンにも耐えうる農業を次世代に繋げるために!

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