左利きコンプレックス
初対面で、文字を手書きすると、必ず聞かれる。
「ムリシメジちゃんって左利きなんだ?」
さらには、頭良さそう。スポーツ有利でいいな。などと言われる。
もうお決まりの流れ。
左だと書きづらくないの?って質問が一番謎。
むしろ私からしてみれば、
右だと書きづらくないの?と逆に聞きたい笑
利き手が違うだけで、まるで珍しいものを見たかのような反応。
ちなみに、スポーツで有利になるなんてことはまずない。
なぜなら、スポーツは右でやるから。
いやいや、それを世間一般では「両利き」と言うんだよと思った人。
ノン、ノン。
私はそんな器用な人間ではない。
体育の授業で、利き手が違うとお手本を見せてもらっても左右対称で分かりにくかったり、
アドバイスをしてもらう時も、「あ、左利き?」みたいな反応をいちいちされたり、
バドミントンとかで、一列になってひたすら打ち返すやつ(レシーブ練習?)で
一人だけ違う列でやらされるのが嫌だから、(以下略
変なところで目立ちたくない。
ただそれだけの理由でほとんどのスポーツを右でしていた。
だから、スポーツで有利どころか、その真逆。
体育の成績は、2だった。
(まあ、利き手関係なく運動は苦手なのだが笑)
要するに、左利きは圧倒的少数なのだ。
学校でクラスに左利きがもう一人いるか、いないか。
少人数学級だったのもあってか、それくらいのレベルだった。
それに加え、同性の左利きというともっと低い確率だった。
女性の左利きは男性に比べて少ないとか、そういうデータがあってもおかしくないだろう。
そう思うほどに、同性の左利きが全然いなかった。
そのせいか、利き手で悩まされた時期があった。
今となっては、「多様性」が認められる時代になってきて、
左利きなんて大したことではないのかもしれないが、
私の小学生時代はそんなことなかった。
利き手が違うというだけで散々馬鹿にされた。
「左利きは、悪魔なんだって」
私はこの言葉を今でも覚えている。
右利きに矯正してくれなかった親を憎んだこともあった。
幼い当時の私には、悪魔呼ばわりされたことが相当ショックだった。
最終的には、何か上手くいかないことがあるたびに
利き手のせいなのかなと思うほどに、
左利きがコンプレックスの一つになっていた。
今となっては、これも私の一つの「個性」だと割り切っている。
自分自身の考えが大きく変わったというよりは、ただただ時間が解決してくれたのだと思う。
左利きは悪魔だと。もし、今そう言われたら。
悪魔ですが、何か?と、開き直れるくらいには利き手に囚われなくなった。
自分と違うからという理由で差別をする。
そうされて嫌な気持ちになるのは、身を持って経験した。
私は私、他人は他人。
自分と違うから否定するのではなく、
違うという事実を素直に受け入れ、認められる人でありたい。
🍵Thank you for reading🍵