瑠璃々乃ユメミというキャラクター / 1章前編について

拝啓 瑠璃々乃ユメミ様

お元気ですか。
元気じゃないのかな。どうでしょう。
君はこんなところで●●人間ではなかった、本気でね。
でも、それしか正解がなかったんだよね。
君にしかできなかった、からこそいい夢みてね。

敬具 作者

はあ。

ゆめみんは愛くるしく、愛されることを想定した
現時点までの作中、最も人間味溢れるキャラクターではないでしょうか。

前回の桜庭ヤヨイ同様
誰が「最も」など、皆様の感性で構いません。
僕がこの人が最も…など言おうと、
あなたが「いやこの人こそが」と思うのであれば、それも正解です。

マーダグラムは、解のないゲームとして存在します。

彼女は、僕が思い描く
『万人に愛され・恵まれ・豊かな感性に魅了され・容姿に惹かれ・一眼見て誰もが憧れる人』

そんな存在が
瑠璃色の地球上で、大きな夢を追い
その姿に、瑠璃の人々がまた夢を見る。

そんな人物が夢みる理想像により放たれる言動、
そこに垣間見えるストレイトな本心。
それらに共感を覚え、好感となる。

そう描いて誕生したキャラクターが、
瑠璃々乃ユメミです。

好き。最上級のアイドルだよ、君は。
瑠璃の共々の全てだよ。

ただそれ故に、第一印象は
苦手意識を抱かせるような、度肝を抜かすような
漫画で言えば「ぎょっ」なんて効果音がプレイヤーの右端に表示されるような、
どうしてもそんなスタートにしたかったんです。

正直 「本当にコレでいいのか、ゆめみん」
なんて思いながら初登場のセリフを書きだしましたが、結論、君はアレでよかったです。

だって
ゆめみんの魅力は、たった数カットの上っ面だけでは見て取れない、
もっとその奥、根底にありますからね。

「人間、誰だってそうだよ」 という気持ちで。
「たかだか第一印象で人を図れると思うなよ」
という特大の呪詛を込め。
初登場の手段を即決しました。

だってそんなアンタも、
どうせユメミを好きになってしまうからね。

その第一印象を経て、会話を重ね、
ようやく辿り着く問題のシーン〜EDについて。

一種のEDとしては弱い、シンプルすぎると認識しつつも
意地で例の語りシーンを一章前半ラストに持ってきました。

その理由は、
▶︎瑠璃々乃ユメミがどういう人物であるか
は大前提とし

▶︎前回語った頑固者の桜庭ヤヨイの心情はどうすれば揺れるのか
▶︎PL視点で、人間の価値観が揺れる様の観察と共感値の底上げ

これらを重きにした上でなお
他全てのトークテーマすら、大きく動かす鍵として
絶対に必要不可欠なシーンだったからなのですが、、

でもこんな大層なお仕事、
桜庭ヤヨイとよほど対称的な人物でなきゃできないと思っていました。

その理由の一つが
作者がこの人生で最も恐れている事が、
「変化がない」ことでございます。

皆様がどう感じたかはわかりませんが、
1章前編時点でわかることは、制作側視点ですと未だ
「何もわからない・何も変わらない・何も進まない」ということです。

「変化がない」ストーリーに、意図的に組み立てています。
この恐怖感を、ヤヨイに与えたかったが為に。

そしてこのような状況を打破する方法は、
"人間味溢れ 感情を最大限他者に恐れずぶつけ
表情も情緒も目まぐるしく揺れ動き、
それでいてなお、未来という夢を追い進み続ける。"
そんな人物でなければ、難しいのかなと。

安定を求める人間が大多数を占める中で
『「変化がない」という絶望を一変するに、必要な存在はどういうものか』
という作者の人生の課題をひっくるめたラストでした。

体軸とも言える人物と眼前で対峙する経験は
人間として何かが変わり始める糧になると思う作者としては、
ユメミであれば、こんなヤヨイすらも動かせるはずだと。。思いたい、。

ユメミが存在した理由は、
「進む」という共通目的・夢を叶える為
物語を動かす事だったのだと。
でもやっぱり居なくちゃ寂しいです。

作中では描くことはありませんが、
作者にとっては確実に、彼女はヤヨイに並ぶ第2のキーパーソンです。

止まった刻をたった一人で突き動かす、
皆の手を引き大きな夢の第一歩を踏み出せる者。
作中だけでなく、現実世界にすら必要不可欠であると思わせる理想像。

だから僕は、瑠璃々乃ユメミが大好きです。

黒野京 20240825

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