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「もっと自由に!」子どもたちの創造力を育むアトリエれっぽん

こんにちは!東村山編集室 地域ライターの、みなみです。
「東村山市で子育てするってどんな感じ?」という疑問にお答えすべく、家族で楽しめるイベントやお店、ヒトといった【家族でたのしむらやま】をお届けします。



子どもに自由に感覚を使った体験をさせたいと思っていても、片付けの手間を考えるとなかなか実行に移せない…そう感じているパパやママは、きっと私だけではないですよね。

そうした心配もなく、子どもが思い切り創作を楽しめる場所が「アトリエれっぽん」です。ここでは、子どもが絵の具を全身に塗っても、粘土を飛ばしても、「子どもの自由な表現」として笑顔で見守ってくれます。それが、どんなにありがたいことか……。

今回は「アトリエれっぽん」を主宰する、たかはしれいなさんに取材して、子どもたちが安心してのびのびと楽しめる環境作りや、その背景にある思いをお聞きしました。

アトリエれっぽんとは?
未就学のお子さんとその保護者を対象とした親子造形教室。
「こうしたい!」「できた!」の気持ちを大切に、モノを介した造形あそび、感触あそびの経験を通して豊かな心を育む。

アトリエれっぽん公式HP

もっと自由に!子どもの創造を大切にしたい

紙だけじゃつまらない…足に塗っちゃえ!

神奈川県に生まれ、京都の芸術大学で感性を磨いたれいなさん。結婚を機に東村山市に移住しました。

れいなさんが「アトリエれっぽん」を始めたきっかけは、子育て中に感じた、育児と創作の両立の難しさからだと言います。

自宅で1歳の娘と一緒に絵の具や粘土で遊んでいても、準備や片付けに追われ、なかなか心から楽しむ時間を作れずに「こんなはずじゃなかった…」と、もどかしさを感じていたそうです。

さらに、親子で参加した美術体験会では『この絵はこの指で書きましょう』など、細かいルールが決められており、少しずつ窮屈さを感じていきました。

「ルールがあるのも大切なことだと思います。でも、『汚れちゃダメ』とか『こうしなきゃいけない』という概念を無くして、子どもたちがもっと自由に表現できる場があってもいいなと感じました」

温かい地域に支えられて、東村山が活動の原点に

好きなようにぐしゃぐしゃにして!

自分の感性や美術大学で学んだことを活かしながら、いつか自分で教室を開きたいという夢を抱いていたれいなさん。

「子どもたちが自由に制作できる場を、自分でつくってみよう」と、思い切って「アトリエれっぽん」をスタートさせました。最初は東村山の子育て支援施設「ころころの森」にチラシを置き、Instagramで教室の情報を発信するところから始めました。

「東村山は子育て支援が本当に充実していて、地域の方々も温かく見守ってくれるんです。だから、このまちで活動を始めることにしました」

こうして、子育て中のお母さんたちや地域の温かいサポートに支えられながら、「アトリエれっぽん」の輪を少しずつ広げていったのです。

口コミで広がる、親子にやさしい「アトリエれっぽん」

子どもを見守るれいなさん

「普段は動き回ってばかりで叱られることが多い子どもが、ここではのびのびと自由に過ごしている!」

そんなママ友からの声が少しずつ広がり、アトリエれっぽんの教室は、いつも賑やか。「もっと混ぜよう!」「わあ、こぼれちゃった!」と、公民館の一室からは、子どもたちの元気な声と笑い声が絶えず聞こえてきます。

楽しそうな様子を見守りながら、れいなさんは「何をやってもいいよ、自由に楽しんで!」と、温かいまなざしで子どもたちの好奇心を引き出しています。

美しいものに触れて心をリセットする力を育んで

粉が飛んでも、こぼれても大丈夫!

れいなさんは、子どもたちにとって美術や物づくりが心に与える影響は、想像以上に大きいと感じています。

「手先が器用になるとか、五感が豊かになるのももちろんですが、美しいものを見て『素敵だな』『楽しいな』と感じる瞬間が大切だと思います。

そういう気持ちを日常で持つことで、気分が落ち込んだ時も、美しいものに触れて心をリセットできるような力を育んでいけたらと思っています。これからの人生で、その経験が心を軽くする支えになってほしいです」

大人だって、絵の具を触る感触は楽しい

印象に残っているエピソードとして、れいなさんは、子どもたちが全身で創作を楽しむ姿を思い起こします。手や足だけでなく、全身を絵の具まみれにして笑ったり、小麦粉粘土をこねる子どもたちの集中した表情が、とても印象的だそうです。

「子どもたちが『楽しい!』『ずっとここにいたい』って言ってくれるのが、本当に嬉しいです。おうちで作った作品をわざわざ持って来て見せてくれることもあって。『私のこと覚えてくれてるんだ』と、感じる瞬間は、特に感動しますね」

アトリエれっぽんは、子どもたちが自由にのびのびと表現して、自分らしさを発揮できる場所となっています。

子どもの安全を一番に考えた、やさしい配慮

クエン酸と重曹でバスボールつくり

教室では、0歳から小学校低学年までの子どもたちが参加できるように、安全面と自由さを大切にしています。

子どもたちが安心して創作できるよう、使用する道具には特に気を配っており、絵の具や粘土なども、誤って口に運んでしまっても心配の少ない素材を使っているそうです。

「絵の具も肌にやさしいものを使ったり、粘土は小麦粉や片栗粉で作るなど、口に入れてしまった時に害の少ないものを使っています。子どもたちが自由に表現できることが一番大切なので、安全な素材を選ぶことは欠かせません」

「作りたい」の気持ちを大切に、創作の楽しさを広げる

全身で遊ぼう!

今後の夢について、れいなさんは「作品展や出張ワークショップを通じて、もっと多くの人に美術の楽しさを伝えたい」と話します。

子どもたちが自由な気持ちで作り上げた作品を、地域のみんなで共有できる場があれば、さらに素敵な経験になるはず。市の美術展や地域のイベントに参加しながら、子どもたちの表現をお披露目することを夢見ています。

「今は『遊ぼう』という感覚で自由にやっているので、形に残る作品がないことも多いですが、それでも子どもたちの作品をみんなに見てもらえる機会があったら楽しいだろうな、と思っています」

『作りたい』『描きたい』と思ったその瞬間からあなたはアーティスト

アーティストたち!

さらに、美術教室を通じて願うのは、パパやママが少しでもリラックスできる時間を過ごせること。

教室にはママの一人時間を作るために、子どもを連れてくるパパもたくさんいます。さらに、アパートの一室を借りて、母子分離型の美術教室を開催。子どもたちが制作している90分間は、パパやママは一休みできる仕組みです。

「限られた時間ですが、パパやママには自分だけの時間を持ってほしいと思っています。美術教室にくることで、ママ友とおしゃべりできたり、リラックスしたり。ほっと一息つけるような場所でありたいなと願っています」

最後に、これから美術を始める子どもたちに向けて、メッセージをいただきました。

たかはしれいなさん

「『作りたい』『描きたい』と思ったその瞬間から、もう芸術は始まっています。その気持ちを大切に、自由に表現してみてください。その瞬間から、あなたは立派なアーティスト。ぜひ、気軽に遊びに来て、一緒に楽しんでくださいね」

現在、5歳の娘さんを育てながら、美術の先生と「アトリエれっぽん」の活動を両立させるれいなさん。着実に目標を形にしながら、夢を追い続けるその姿は、ひときわ輝いています。これからもれいなさんの温かい創作活動を応援していきます。

アトリエれっぽん
【親子造形教室アトリエれっぽん】
活動場所:東村山市中央公民館、富士見公民館
参加費:1,000円(ご兄妹+500円/1人)
【絵画造形教室れっぽんのアトリエ】
活動場所:東村山市野口町1丁目
参加費:お試し1,500円(ご家族+1,000円/1人)

アトリエれっぽん公式HP

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