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みゆちゃんの思い出

2017年の秋、普段あまり通らない道を散歩していたらとある駐車場に彼女は居ました。シマ三毛の、「みゅーーー」と甘く高い声で鳴く懐っこい猫です。
これは写真撮らないと!と思って近づくと、逃げるどころか足に纏わりついてきます。

こんなことされたら当然のようにメロメロになりました。
「みゅーみゅー」鳴くので勝手に「みゆちゃん」と命名。

それからしばらく、ことあるごとにここに足を運んでは彼女に会いました。
車の下で寝ていても、俺が来たと分かると「みゅーーー」と言いながら駆け寄ってきます。

この赤い車をバックにした写真が結構気に入ってます。

「悪女っぽい」とどなたかがおっしゃってました

ある日、ご飯をあげている方がいたので話しかけると、みゆちゃんがここに居座り始めてもう長いらしいということが分かりました。
「ここが気に入ってるみたいで追っ払うのも可哀想だし…可愛いですよね」
とおっしゃっていたのを覚えています。

駐車場でひとしきりたわむれて帰ろうとすると、いつも彼女は「もう行っちゃうの?」みたいな顔で「みゅーみゅー」言いながら追いかけてきました。

「もっと遊んでよ」と言わんばかりにあとをついてくるのが愛おしい
道に飛び出して車に轢かれたりしたらかなわんと思い、いつも振り切って走り去っていました
これがみゆちゃんを見た最後

年が明けた頃から突如姿を見なくなりました。
「たまたま居ないだけかもしれない」と思い何度か様子を見に行きましたが、二度と姿を見ることはなく。
そして、駐車場の取り壊しが始まり、しばらくの後にマンションが建ちました。
あれから6年。みゆちゃんは一体どこへ行ったのか、知る由はありません。