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「音楽理論ってなんであんなめんどくさいの?」という問いへの答え

音楽というのはもともと歌から始まり、最初は譜面や録音などの記録方法が無く、そこから時間をかけて理論というのが出来ました。

さように、音楽理論というのは後付けです。後付けだけに、結構適当な部分があります。言い方を変えればフレキシブル。

クラシック音楽ですと、moderatoやAllegro、Vivaceみたいな速度・曲想指示は指揮者によって解釈が違ってくるので、同じ曲なのにテンポが大幅に違ってきたりします。

クラシックやジャズなどのジャンルによっても色々変わってきますね。
例えば「ハ長調」という呼称、クラシックの人なら「ツェードゥア(Cdur)」って言いますし、ジャズやポップスの人は「シーメジャー(Cmajor)」と言います。
こういうのも混乱の元でしょうね。

また、長い歴史の中で後付けを繰り返しながら色々と変化もしてきました。
「ドは何故AではなくCなのか?」というのも、そういうことのようです。

舞台は11世紀頃の中世ヨーロッパ。
当時、普通の男性の出せる最低音は低いソの音だったと言います。
その最低音をγ(ガンマ=G)と呼びました。
そしてその1つ上のラの音から順番にABCと名前を付けていったのだそうです。

出典:音名のABCはどうしてラから始まるの?・スガナミ楽器

楽譜というのも、「最低限これだけは守ってね!」ということしか書いてないので、同じ曲を演奏しても人によって違う表現になります。それが個性なんですが、もしそうなるのがまずいということであれば一から十まで細かく色々書き連ねる必要があります。でもそうすると恐ろしく見づらいものになります。

ですので、「せめてこれだけは覚えてもらわないと音楽にならない」という最低ラインを死守するため、「誰が見ても絶対に結果が同じになる、簡素な理屈」が必要でした。

音を数字で表す方法です。数字は曖昧さがありませんので、誰が見ても同じ結果になります。
ハ長調の2度の音」と言えば、ジャンルがなんであれ「」ですし、「ハ長調の9度の音」と言えば「オクターブ上のレ」です。

結局こういうのが色々増えてきて、「なんだかめんどくさい」ということになってしまったのですね。

まぁ、覚えてしまえばどうってことないですよ。ふへっ(適当やな)。

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そういえば以前某所で「なんでこれだけしか書いてないの?!もっと細かく記述するべきだろう!」とある楽譜を示して憤慨なさっている方が居たのを思い出しました。
クラシックはともかく、ジャズの楽譜なんて「音楽理論や演奏技術がひと通りマスター出来ている人向け」に書かれてますから、「最低限のこと」以外はだいぶ端折られてます。

最低限のこと=メロディとコードと速度

クラシックからジャズへ移行する人がまず最初に困惑することなのかも知れません。自分は逆パターンなので知らんけど。

あと「譜面通りに弾くなんてつまらない」という声もよく聞きますね。
ポピュラー音楽の楽譜は「最低限のことしか書いてない」ので、個性を出すのは楽譜通りに弾けてから(メロディを間違えないとかコードを読み違えないとか)の話だとつくづく思います。特にアンサンブルの場合は。