![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/155998800/rectangle_large_type_2_9ada0c098d3543858ae32139573a1d3e.jpeg?width=1200)
図形楽譜の愉しみ
従来の「五線上に音符を乗せる」楽譜ではなく、記号や絵などを駆使して描かれた楽譜を「図形楽譜」といいます。
1950年にアメリカの作曲家モートン・フェルドマンによって考案されました。
1950年代初めに不確定性の音楽 (チャンス・オペレーション)を考案したジョン・ケージが愛用し、他のゲンオン作曲家もこぞって用いるようになりました。
▼John Cage『易の音楽(Music of Changes)』(1951)
![](https://assets.st-note.com/img/1727523745-gxFYdNHknVQEbmoO7whMD5UI.jpg)
従来の楽譜ではなんとも書きづらい「間」とか「タイミング」などをより感覚的に書くことができます。奏者が解読するのが大変というのはありますけども。
アート作品的なものも多く、絵葉書や切手にもなっているようです。
ネウマ譜も、今の感覚で見ると図形楽譜っぽいですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1727523899-PZLlSsQAKJ3dFn6W9RmzHIgY.jpg)
▼図形楽譜の創始者、モートン・フェルドマンの『Projection』(1950–1951)
![](https://assets.st-note.com/img/1727523974-evghSrdtQciWRz29Vw3PbUMs.jpg)
▼Xenakis『Pithoprakta』(1955ー1956)
見たまんまで音が鳴っているのでDAWのピアノロールっぽいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1727570785-KloufvyFdTt6N87hkP9GYsBC.png?width=1200)
▼Ligeti『Artikulation』(1958)
これもピアノロールに近いですね。
この音、60〜70年代のアニメやCM、クイズ番組などでよく聞いた覚えがあります。そのせいで「電子音楽の原体験」になってます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727523307-jIFmPnoiz8e6A03XQ1GWxvgE.jpg)
▼武満徹『弦楽器のためのコロナII』(1962)
![](https://assets.st-note.com/img/1727522982-7TZmBsYvgG1A3cRnEKV6ISuy.jpg)
▼有名なハチャトゥリアンの『剣の舞』を図形楽譜化するとこうなるそうです。
おまけ:佐村河内守さんがゴーストライターである作曲家・新垣隆さんに渡した「作曲の指示書」
これも図形楽譜と言っていいでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1727522911-9zU8b603jxkNHegZas5Chrlt.jpg)