検証！ 起業して楽して儲けられるか？
今回は、「起業して楽して儲けられる」の定義を、起業前と比べて時間当たりの収入が増えることとし、その正否を調べてみました。
結論としては、明確な答えを得ることはできませんでした。
いろいろ調べてみたものの、信ぴょう性のあるデータを見つけることができませんでした。
（私の調べ方が悪いだけかもしれません、すいません💦）
起業前後の労働時間
起業後の方が労働時間が増えるという意見が多く見られましたが、その信ぴょう性は確認できませんでした。
厚生労働省の（参考）2023年 年間実労働時間数（一人平均） （時間）によると、月間実労働時間数（一人平均）2023年の一般労働者は163.5時間でした。内訳は以下の通りです。
所定内労働時間：149.7時間
所定外労働時間：13.8時間
また、日本政策金融公庫の「2024年度新規開業実態調査」によると、1週間当たりの労働時間で2023年度は50時間以上が50.3%という結果でした。
この2つのデータから、新規開業者の労働時間が多いとする場合、以下の懸念点があります。
対象者の違い：起業家の平均と全体の平均を比較して良いか？
時期的な差異：2020年のコロナ禍では労働時間が減少したが、2023年は戻ってきている。
記録の正確性：起業前は厳密に勤務時間を記録されていたが、起業後は管理が疎かになる可能性。
比較年数：起業1年目は手続きも含めて初めて実施することが多く、起業前後の1年ではなく、3～5年での比較が望ましい。
以上の懸念点を解消するデータを見つけることができず、労働時間の変化について結論を出すことはできませんでした。
システムエンジニアが起業すると労働時間は増えるか？
「起業」というテーマは範囲が広いため、「システムエンジニアの起業」に絞って調べてみましたが、満足できるデータを見つけることができませんでした。
傾向としては、以下があります。
営業・マーケティング、経理などの業務が増える
収入アップのために労働時間を増やす
収入の不安定さから依頼を断りにくく、労働時間が増える傾向がある
しかし、起業することで自分の希望する労働条件を設定できるため、残業を減らすことは可能ですし、法人化して従業員を雇用し、業務を分担することで労働時間を減らすことも可能です。
起業前後の収入
システムエンジニアの起業前後の収入比較に関する記事を見つけましたが、これも信頼できるデータとして結論付けることはできませんでした。
フリーランスのSEが持つスキルのレベルや案件の難易度、プロジェクトの規模で異なりますが、月額単価の給料は65.6万円、年収にすると787.2万円が平均年収になります。
また、最低月額単価は約20万円、最高月額単価は約200万円となっており、依頼を受ける案件によって報酬の差が開いています。
また、正社員SEの2024年平均年収は496万円程であるため、正社員とフリーランスのSEでは年収に約291万円もの差があります。
これも以下の懸念点があります。
月額単価から年収を算出している：プロジェクトの終了後も切れ目なく仕事がある前提であり、実情とは異なる。
中間マージンの不明確さ：エージェント経由の中間マージンが含まれているか不明であり、20％と想定した場合、年収は787.2万円から629.8万円まで減少する。
傾向としては、上流工程が得意なシステムエンジニアが自分自身で報酬の交渉もできることもあり、年収アップしやすいようですが、数値として増えるという結論にまでは至りませんでした。
起業後に労働時間が増えてもそれ以上に収入が増えるか？
起業後に労働時間が増えたとしても、それ以上に収入が増え、時間当たりの収入が増えるのであれば、
「起業して良かった」
と言えます。反対に時間当たりの収入が減る場合は、「起業しないほうが良かった」となるため、今回のテーマについて調べ始めました。
残念ながら、思った以上に信頼性の高いデータを見つけるのは難しいため、今後は自分自身のデータを収集し、定期的に分析と対策を行い、「起業して良かった（＝時間当たりの収入が増えた）」と言えるようにしていきたいと思います！
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