ムダ会議改善② 改善のコツは、会議のゴール設定
前回は、会議の時間は人生でどれくらいあるかについてお話ししました。
1日平均2時間の場合、一生涯(40年間)で約2万時間、
1日8時間労働で計算した場合、2,600日もあります。
金額でいうと、2時間20人参加の会議で、1人月80万円の場合は20万円、
1人月60万円でも15万円になり、多額のコストがかかっていました。
業務改善をする場合、時間やコストが一番かかっているところを改善するため、会議改善がターゲットになります。
ムダ会議改善①は、こちら
ここでは、僕が実践して体感で効果があったという会議改善の話に入っていきたいと思います。
ちなみに僕がご紹介するのコツは、誰でもできるような簡単なものです。
理由は、「私自身ができる」ではなく、「プロジェクトメンバーができる」ことでないと、プロジェクト全体の進捗がよくなっていかないからです。
なので、誰でも身につけられる簡単なものをコツとして紹介していきます。
前置きが長くなりましたが、1番目のコツは、
会議改善のコツ①:会議のゴールを設定する
これはファシリテーションの本を読むと間違いなく書いてあります。
「知ってるよ」と思った人、すいません💦
ただ、王道なので、あえてこれを最初にしました。
会議に限らず、どこに向かって走って、どこまで行ったらゴールなのかが設定されていない場合、迷ってしまって目的地までたどり着けません。
前回も「会議のコストって、意外と見過ごされやすい」とお話ししましたが、他のことはゴール設定をするのに、会議だとやらない、ゴール設定をせずにいきなり話を始めたりします。
迷ってしまったら当然、無駄がでてきますよね?
そのため、会議のゴールを設定します。
では、どのように会議のゴールを設定するかですが、目的によってことなります。
例えば、お客様から出た追加要望を説明する会議、どうしたいかによってゴールは異なります。
もっと具体的に言うと説明を受けた人に次にどういうアクションを取ってほしいかによってゴールは異なります。
ここ、重要なので丁寧に解説します。
会議ではないですが、
「お客様から追加要望があったので、この資料を見ておいていただけますか?」
という依頼の場合、
見るだけでいいのか、次にどういうアクションを求められているのかが明確になっていません。
「この前の資料見ていただけました?
じゃあ、概算見積をお願いしたいんですけど」
と言われた場合、
「いや、そこまで深く読んでないのですぐに概算見積を出すのは厳しい」
というような回答になってしまうかもしれません。
もちろん、長い付き合いだと、この人が資料見といてねと言った場合は、概算見積を依頼してくるだろうなと予測ができるので、現場では言葉を省略しがちですが、初めての相手には、いわゆる「阿吽の呼吸」は通じません。
なので、この場合は、
「資料を見て概算見積を出せる状態」がゴールです。
話を会議に戻して、ゴールの例を2つあげると、
追加要望の内容を聞いて、
① 3日後にお客様にだいたいの金額を伝えられる状態
② 1週間後に追加要望に対する疑問点・不明点を出しきって質疑ができる状態
のどちらにゴール設定するかによって、聞いている側も聞き方が変わってきます。
なので、「会議時間内に追加要望を説明しきれたらゴール」ではなく、
次のアクションができる状態になったらゴールというように設定します。
例えば
各チームリーダーが説明を聞いて、メンバーに説明できる状態になったらゴール
対応方針が関係者で合意の上、決定したら(設計に入れたり、実装できるようになるので)ゴール
課題に対して(その場では解決させなくてもよいが)、誰がいつまでに何をするかが明確になったらゴール
などです。
では、おさらいもかねて問題です。
新人:「この会議の目的って何ですか?」
偉い人:「議論することに決まっているだろう!!」
さて、これは何がよくないでしょうか?
↓
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↓
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↓
↓
↓
↓
↓
↓
「議論すること」は手段であって、目的ではありません。
議論して、参加者が次にどういうアクションするのかがわかりません。
「議論して、次に誰がいつまでに何をするかが明確な状態」
であれば、ゴール設定できたといえます。
ゴール設定があいまいなまま会議を始めるということは、
要件があいまいなまま開発を始めるのと同じです。
それってちょっと怖くないですか?
開発が失敗するのは目に見えてますよね?
同じように会議が効率よくならないことは目に見えています。
なので、今回は「会議のゴール設定はとても大事です!」というお話をしました。いかがだったでしょうか?
あとがき
おかげさまで、「スキ」も100いただくことができました(全記事の合計)。
本当に感謝です!!
ありがとうございます。
会議改善の勉強会をしたときに、会議のゴール設定の問題を出して回答していただいたことがありましたが、
「知っている」と「できる」はやっぱり違っていて、ちょっと難しいと感じる方もいました。
でも、これは慣れていないだけで、やっていると普通にできるようになります。
この会議をして、「次に何ができるようになればいいですか?」ということを毎回自分に問いかけていると、そのうち自然にできるようになります。
あ、これコツだった、あとがきじゃなくて、本文中に書けばよかったです。
では、また次回!