2011年『LOVELESS』『絵空事』
この年は、自分の撮りたいものというよりは自分に興味がないものをモチーフにした。例えば、トマト。そして、『ぐちゃー』という擬音をイメージした。それがこの『LOVELESS』です。
タイトルは好きなバンド・my bloody valentinekのアルバム名から取り、『愛がないことが愛』だというインタビューからのイメージです。
具象的なものを抽象的に撮ることを意識していた。
誰が見てもトマトだということを意識させた上で自分の魅せたい色を詰めたのたど思う。この流れからしばらく赤色をモチーフが増えていった。
『葬創』
タイトルからのインスピレーションで仕上げたもの。
造語ではあるが、葬り、創り上げると意味を込めた
映ってはいないが実際にはこの針金のようなものが無数にあり、その先にロウソクを10本ほど、立てて、まるで儀式のようだったことを覚えている。しかも夏場で自室で撮ったものなので、少し火事にならないかとひやひやした思い出がある。
『絵空事』(13点組み写真の一部)
多重露光の試作を兼ねた作品。また、原作となるタイトルやイメージなどのテーマを設けずに、自分の中にある心象風景のみを撮影、制作した。
この頃から、よりオリジナル性を意識し始めていて、背景など自分で絵を描いたり、小物を自分で作り(ちなみに椅子はイメージを伝え作ってもらいました)、写真の中に収めた。より独創性を重視した作品です。
絵空事、具象的なかつ心象的な感情を写真として成立させたかったのだ。
今思えば、矛盾したテーマなのだけど、当時は違和感はなく、自分の中で思い描いた写真が撮れることへの喜びが増していった。
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