『源氏物語』と本歌取り(1)
『源氏物語』には795首の和歌(注1)が記載されていますが、そのうち222首が光源氏が詠んだ和歌(注1)とされています。これらの和歌は、後の時代に詠まれた和歌に影響を与え、「本歌取り」の本歌として盛んに用いられるようになりました。
本歌取り(ほんかどり)とは、有名な古歌(注2)の1句もしくは数句を自作に取り入れて作歌を行う技法ですが、『古今和歌集』の和歌にも見られるように、平安時代中頃には既に確立されていた技法のようです。
注1 作者は無論、紫式部。
注2 引用した古歌を