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引きこもり俺、一歩踏み出す


俺は引きこもりだ。
と言っても、重度のものではない。
毎日学校にも通っているし、
誘われれば外にも出かける。
けれども、自分1人で外出する事は滅多にない。
本当の意味で引きこもりではないにしろ、
俺が情弱なのは否定できない・・・


けれども、俺は一歩を踏み出した!
これは俺のつまらん人生史において
偉大な一歩になるはずだし、
今日は記念すべき日になるだろう。
なんといっても、自意識過剰の俺が
1人カラオケに行ってきたのだから。

実は、カラオケ自体はほんの数回、
複数人で行ったことがある。
最後に行ったのは半年近くも前のことだ。
俺はそこで地獄を見た・・・





4人で部屋に入り、各々好きな曲を入れる。
みんなそこそこ上手で、85点前後を記録していく。
そうして順番に歌い、
ついに俺にマイクが渡ってきた!
俺はかねてより
小声の弾き語りと風呂場で練習していた、
銀杏BOYZの「エンジェルベイビー」を入れていた。
歌うため立ち上がって、マイクをしっかり握る。
"響け俺の美声・・・!"


・・・今思えば、銀杏BOYZを知らない上に
下ネタに一切の耐性がない初心な童貞(それは俺も)が集うカラオケでこの選曲は終わっている。


「どうして僕いつも1人なんだろう」の歌い出しの時点で、自分の犯した罪に気付いてはいたが、
俺は吹っ切れて熱唱してしまい、ドン引きされ、
以後はKing Gnuとスピッツだけを小声でさえずる小鳥の様になってしまった。
(普段熱唱する様なキャラでないのにいきなり熱唱し出したのがきもかっただけなのかもしれない)


その時に思った。
"1人カラオケなら楽しく歌えるのでは"
と。
そういうわけで、俺はこれを約5ヶ月も夢見続け、
ついに今日、冬休みだから行ってきたのだ!
以下はその記録だ。
よければ付き合ってほしい。






12/27    初1人カラオケの所感


恥ずかしいことに、背伸びして少しおしゃれした。
田舎のビックエコーに1人で行くだけなのに。
普段着ない様な柄物でも、
この時期ならコートを着てバランスが取れる。
俺はテンション感がわからなかったのと、
冬休みで人が多いのでないかという懸念もあったので、1人なのに律儀に予約して行った。
3時間コースで予約した。

まず入店。
受付で部屋番号を告げられ、
伝票を渡される。
退店時にセルフレジでの清算で必要だ。


俺は長い廊下を歩き、
教えられた部屋に入った。
そうして、夢にまで見た1人カラオケが始まった!
部屋に入った瞬間、妙な安心感があった。
あらゆる視線から隔絶される感覚。
不慣れなパッド操作にもたつきながら音量調整を
済ませて、すぐにハヌマーンの名前を検索する。
これは俺が一番好きなバンドだ。

は・・・ぬ・・・・・・ま・・・・・・・・・





・・・あった!
少ないけれど曲が入っている。
俺はワクワクしながら一曲目を入れた。


一曲目は、ハヌマーンの「リボルバー」
短い前走だが、高揚感は十分にあった。
「そういちいち怒鳴るなって」と怒鳴った。
採点はなかった。

二曲目に星野源の「地獄でなぜ悪い」
紅白で歌えないならせめて代わりに俺が歌うよ・・・


全部この調子で書いていくのは現実的でない上、
自己顕示欲が滲み出ている様で気持ち悪い。
証拠としての役割も兼ねて
履歴の写真を撮ったので、
興味があればそちらを見ていただきたい。







───プルルルルルルル!!!


突然けたたましく電話が鳴った。
退店を促す「お時間10分前です」のコールだ。
最後に一曲、悪あがきとして
「アパルトの中の恋人たち」を歌ったあと退店した。
帰り道では、焼ける様な喉の痛みが愛しかった。


正直かなり楽しかった。
次行く時は、
DAMでなくJOYSOUNDでやると、
歌える曲が増えていいだろう。
あの日の俺、見てるか〜?
「自意識と自慰で息が詰まる頃」と、
気兼ねなく大声で歌えたぞ



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