Against the Storm レビュー
Against the Stormって?
ジャンルはダークファンタジー・シティビルダー(原文まま)
止まない雨と強大な嵐によって全てが流されてしまう世界の中、文明の生き残りを賭け入植地を何度も何度も開拓していく。
ローグライクによる不確定要素を組み込みリプレイ性を高めた街づくり(シティビルディング)ゲーム。
街づくりゲームではあるが最終目標がしっかりと定められており、特定の条件を満たす=その街を安定させることでクリアとなり報酬を獲得し、また別の街づくりをしていく流れとなっている。
普通の街づくりゲームは1回のプレイ時間が長く複数回プレイするのには時間も気力も消費しがちだが、今作は1回1回のプレイは約2時間程度に収まっている。
「今回はここが良かったが、あれがうまく行かなかったな」という試行錯誤がしやすいほどよいプレイ時間となっており、ハマる人は本当にハマるゲームだと思う。
私は1つの区切りである難易度「総督」をクリアしてレビュー書いているが、総督難易度をクリア後にはプレステージという名の更なる高難易度が20個も用意されており、ボリューム面も充分すぎるほどある。
良い点
街づくりなのにしっかりとローグライク
通常の街づくりゲームだと手に入る資源などのランダム要素はあれど、大体は建物の建てる順番などが決まっているものが多い。
このゲームはローグライクゲームということで、必要最低限の建物以外はランダムに入手できる設計図を手に入れて作っていくことになる。
今ある資源をうまく利用できる設計図を選びつつも、将来への展望を持ちつつ選んでいく必要がある。
時には商人から資源や加工品を購入してうまく町を発展させよう。
当然資源も加工することで売却値段が高くなり、さらに上位の品へと加工していくことも可能。
上手くサプライチェーンを組むことができれば莫大な利益or食料を得ることができるが、設計図や出現する資源がランダムのため確実に組める訳ではない。
1つの強い戦術だけに頼ることができないのがまた面白い所だ。
上位の食糧や資材を作るためには素材を2回ほど加工する必要があるため、大体の場合は生産設備・加工場所×2の計3枚ほどの設計図が必要になる場合が多い。
ただ設計できる建物が複数の要素を兼ね備えているため意外とどうにかなる
入植に参加する種族もプレイごとにランダムとなっており、各種族ごとに得意・好きな仕事がある。好きな仕事に従事することでボーナスが付くため種族に合わせた仕事場の設計図を選ぶことも時には重要となる。
要石は入植時1年に1度だけ選ぶことができる、非常に強力なルールを追加するアイテムだ。当然選択肢はランダム。ある程度はリロールすることも可能なものの、取る物によって勝つ方法が変わるほどの影響を与えるためよく考えて入手したい。
ある程度は決まった道順をなぞるようなプレイが多い街づくりゲームというジャンルなのに、購入前はどうやってローグライクをするのか疑問だったが確かにこれはローグライクと言って問題ないと思う。
※ローグライクの定義について厳密にいえば違うのだがまあ気にしないでほしい。戦争になるので。
解放や強化等による固定パターンを掴ませない要素の多さ
段階的に難易度を上げていきつつ、様々なバイオームを楽しんでいると程よい速度で永久強化要素やプレイヤーレベルアップによる設計図などが解放されていく。
不便だったものが使いやすくなったり、解放された設計図や要石などはそれまでとはまた違った別の勝ち方を産み出してくれる。
「これはこうするのが安定だな!」とか思ってプレイしていると、
「いやこれの方が強いやん……」というのが出てきたり、自分の中での定石だと思っている物が壊されるのは中々楽しいものだ。
ただレベルによる解放要素は強制であるため、使いづらいものが解放されるのも事実。
これはどちらかというとプレイヤーの好みや考え方だとは思うのだが、強くない要素が解放されることで定石が崩れるのを嫌う人もいる。
強い要素だけを利用してクリアしたいという考えだと思うのだが、個人的にはローグライクは今ある選択肢から最良の物を選びクリアできるかできないかのギリギリを楽しむものだと思うので、個人的に強い弱い関わらず解放要素が多いのは良点だと思っている。
まあ解放要素が多すぎて多分100時間はかかるがな!
90時間ほどプレイしてやっと終わりが見えてきた程度。なお後半は必要資源が増えていくため思ったよりも時間がかかる。楽しんでいこう。
精力的すぎるアップデートによるバランスと環境の変わり具合
23年8月現在、毎週金曜日にアップデートをしている。実際要素の追加や調整は2週間に1度だが、それでも十分なほど。
ちょっと前までは「これ使うか?」と思っていた設計図や資源もバランス調整でどんどん使えるようになっていくため、ちょっと時間をおいてプレイことで新鮮な気持ちでプレイすることができる。
大きな追加要素(新種族等)があると環境自体が変わるため、全く別のゲームをやっている気分になれるのはアーリーアクセスゲームの面白い所だと思う。もうアーリー抜けていいと思う出来だが。
これからも新種族の追加要素がある?と思われるため、まだまだやれるゲーム。
悪い点
ローグライクなので、のんびりとした街づくりはできない
上の良い点で話したことなのだが、あくまでジャンルとしてのメインはローグライクとなっている。
特に後半のプレステージはシビアな難易度設定となっているため、ゆっくりじっくりと理想の街を作るようなゲームではない事を理解しておかないと間違いなく合わない。
チュートリアル後にも新要素が沢山出てきたり、どの素材が出た場合はどのように設計図を確保していったほうがetc…なかなかに覚えることは多め。
逆にローグライクを求めている人であれば風変わりなローグライクゲームとして非常に楽しめると思う。
まとめ
欠点と言える欠点がなく、steamレビュー評価数約1万で圧倒的高評価という評価が全てを物語っている。
間違いなく傑作のためローグライクゲームを好んでいる人であれば確実に手に取って欲しい作品となっている。
アーリーアクセスのゲームではあるが、現時点でも完成されているのにまだ先があるのか……と思わずにはいられない。時間泥棒である。ハマれば100時間は固い。
アーリーではあるがだんだん値段が高くなっていっているため、少しでも響いた人はすぐに買ってしまったほうが後悔は少ないかもしれない。
基本情報
開発 Eremite Games
販売 Hooded Horse
定価 3980円
備考 アーリーアクセス 日本語あり