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ぬるい=美味しい筈なのに II

【第0章】

↑本稿では、引用リンクを先、それに対する綾紫の言葉を後、の順序で配列する。綾紫はぬるい=不味い(特にラーメン)とする世間の風潮に異を唱えた。その理由はぬるいと回転率が上がる以上、それは食が進む、即ち美味しい事に他ならない為だ。そうした意見、実際には滅多に聞かないが、皆無ではない。2件、挙げる。3件目もあるが、実は熱い側を支持する意見。だが、台湾旅行が楽しそうなのでご登場頂いた。

【第1章】

↑その1つ目は料理研究家が敢えてぬるいラーメンを作り、試食した例。既に

●つけ麺は、麺を冷やしているのでラーメンより麺の本来の味が楽しめる
●スープが冷めて来ると熱々の時より味が細やかにわかる

という意見を耳にしていたらしく、早速試した模様。本職ならではの実験精神である。その結果は

●冷たい麺のせいで一気にスープが冷めるので、熱々で作って冷ましたラーメンと違って味や香りが飛ばない。
●麺は〆てあるので当然コシは熱々よりある。更に適度に温かくなるので旨味や香りも活性化している。
●〆た麺なので、麺のかん水や味わいがスープに溶け出さずに味が呆けない。
●熱くない分、一気に大量の麺を口に入れられるので、スープも大量に運ばれて来て味のインパクトが増す(その分しょっぱめにも感じるので、タレはやや薄めがいい)。
●これなら、つけ麺と同じ感覚で、大量の麺を食べやすい。

と絶賛。最後の「食べ易い」を「美味しい」でないという理由だけで否定的に捉える人もいるが、そもそも「美味しい」と感じるのは余計な努力をせずに食べられてこそ、だ。しかしこの結果はこれだけではない。

●TVで「つけ麺ブームの要因で、若者に猫舌が増えている」と言われていたが、それが本当ならひやあつは若者に受けるんでは? 嶋崎さんがぼそっと言った「これ、ラーメンの良い点も悪い点も強調するね。ある意味怖い食べ方だけど、ラーメンの弱点・欠点をチェックするには物凄くいいかも」との言葉が印象的。なるほど、プロの作り手はそういう視点もあるのか。「今後、賄いでこの食べ方するわ」だそうで(^_^;)。

これで何故、ぬるいラーメンがないのか、理由の1つが垣間見えた気がする。ぬるいと味が分かり易く、店としては粗も見抜かれてしまうので困るのだ。ただこれだけでは客が熱いラーメンを求める理由が分からない。そこで次。

【第2章】

↑次はこちら。

●ラーメンのスープは熱々が美味しい。熱々でなければならない。そう思っている方がほとんどではないかと思う。それは客側だけでなく店側もそうで、丼をしっかりと温めて、オペレーションをスピーディーに行い、極力熱々の状態で提供しようと努力されている。だからこそせっかく熱々で提供したのに、マンガやら携帯に気を取られダラダラ食べている客に腹が立つ。

綾紫は猫舌なので、熱々を強要されると拷問のようで腹が立つ。丼を温める手間を省き、麺を水で締めて、ぬるい状態で提供しろ、と願って止まない。

●しかしながら、ラーメンのスープは本当に熱々が美味しいのだろうか。[中略]人間の体温に近い温度(概ね20〜30度くらい)が一番感じやすいと言われている。熱すぎても冷たすぎても旨味は感じにくいのだ。

ここで少なくとも市井の普通の人ではない、食の評論家らしい意見が登場する。微妙な味、綾紫はどーでもいいのだが、ぬるいと感じ易いらしい。ともかく、共通の利害で同盟できそうだ。

●よってスープの持つ旨味を最大限に感じ取りたいのであれば、熱々のスープではなく人肌程度の温度がベスト、ということになる。
●熱々のスープこそ正義だと誰もが思っているからだ。
●実はこれまで何人ものラーメン職人が、熱々は美味しくないということを証明すべく、体温ほどは低くないにせよ、温度の低いラーメンを提供してきた歴史がある。
●「ぬるい」「冷めている」と言われ、口コミなどで酷評されてきた。人はラーメンに美味しさよりも熱さを求めている生き物なのだ。

そのような攻防史があったとは知らなかったが、ぬるいラーメン、遭遇してみたいものだ。だがこちらは作り手ではなく客が熱いラーメンを志向している話。その理由は明確でない。

●フレンチで供されるコンソメスープは熱々ではなく、概ね60〜70度を意識してサーブされる。
●食材の持つ味わいや香りを生かすことを主眼に置いた場合に、熱々ではそのパフォーマンスが発揮出来ないという理由も大きい。
●日本人が好む味噌汁もベストの温度は60〜70度と言われており、これはフレンチのスープの目指す温度とも合致している。

評論家の眼で見れば適温は熱々ではないし、実際に好まれる味噌汁の適温もその通りだ。これはまさしく綾紫が日頃からいっている「行動は嘘を付かない」に符合する。

スープは熱々で提供すべしという固定観念が強く存在するのではないか。

結局は、ラーメン=熱々でなければならないという美味しさそっちのけの思い込み、これが答えなのだろう。崩し始めるのは難しいが、一旦揺らぎ始めるとあっという間に倒れそうだ。

【第3章】

↑こちらは楽しい台湾旅行記。何故楽しい? 綾紫が大好きなぬるい料理が堪能できそうだからだ。

●私「ここのコーヒー、熱くて美味しいわ〜」
ちょびちょびしか飲めないくらい熱々のコーヒー、台湾ではなかなか巡り合えない。かなり貴重な店である。店名を脳内メモする。

早速、熱い=美味しい、との感想で貴重・脳内メモと嬉しさ満載。しかし「ちょびちょびしか飲めない」ともある。これは飲み難さの表現であり、本来ならば不味い、と評される筈だ。ぬるければスムースに飲めたかもしれないのに、熱さが邪魔をしている、惜しい、なのに「美味しい」とは? 綾紫は早速、矛盾を感じる。

●友人「だからか!この前日本で食べたラーメンが、すごく熱かったの!」
と初来日の際、一般的なラーメン屋ですらスープが激熱(台湾人にとって)だったことを教えてくれた。

猫舌な綾紫にとって日本のラーメンは熱い。台湾のラーメンを食べたくなった。

●台湾のラーメン、微妙にぬるかった。激ぬるでは無いが、日本では口コミで「スープがぬるいです(怒)」って酷評が付くだろうなと思う。ギリギリセーフでなく、ギリギリアウト的な温度。

綾紫ならギリギリ歓迎する温度。でももっとぬるくなれ~、と心の中で叫ぶかもしれない。

●いつも台湾で食事した時に「あと一歩」の何かを感じていたのが、コレだったのかもしれない。そう、
料理が熱くない!!!!!!
帰国前に入った台湾〝CoCo壱〟でカレーを食べながら一言
「CoCo壱のカレーがぬる過ぎる!!!(涙)」  …味は日本と全く一緒でした。

カレーだって何だって、熱いのはお断り! と綾紫は叫びたい。それにしても「いつも台湾で食事した時」とあるからには何度も行った筈で、「あと一歩」の解明に時間を要した様子。これってMBTI流にいえば知覚機能から判断機能への橋渡しに時間が掛かった、という理解で正解だろうか。

【第4章】

↑そしてこちらは綾紫が過去行ったYahoo! 知恵袋での質問の数々。同じネタで何度も質問できたものだと自分でも思う。しかしそれには理由がある。Whyを尋ねているのにまともな回答が少ない為だ。例えば、「人類は火を覚えて以降、食材を過熱する事で食中毒や寄生虫を防げる事を知った。ここから熱い=安全=美味しい、ぬるい=危険=不味い、と感じるように進化した。」でも良かったのだが。

今日は疲れたので気楽な記事を挙げた。ここまでとする。

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