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独占欲

俺は痛くなるからイヤなんだけどな。 

嫌だって何度か言ってるのに、
どうして分かってくれないのかな。 

さっきからずっと先っぽばっかり
舐め続けてるのってさ、
やっぱり
不安だって事なのかな。 

俺の言い訳や約束、
どれも言葉ばかりで
確信が持てないから
きっと
不安で仕方ないんだろうね。 

それは、
なんとなくは、
理解してるんだよ。 

だから今、
こうして硬くなってる俺を
しっかりと握り締めて
今ある目の前の現実が
確かな俺の気持ちとして
しゃぶり続ける事で
不安から逃げようとしてるんだよね。 

でもね、
そうして、上目遣いで
何かを訴えながら
いくら舐め続けていても
そこから君が出す答えは
俺の本心じゃないんだよ。 

そこに、
いくら愛していると伝えても
そこからは、
君の痛みは伝わって来ないんだよ。 

そんなに、
夢中になってしゃぶり続けても
君の痛みは俺には伝わって来ないんだ。 

それよりも、
そうしている事で
この後で俺の味わう痛みを
分かって欲しいんだけどな。 

俺が味わう、その痛みと、
君が感じているその不安の痛みは
明らかに異質なんだよ。 

分かってくれよ。
こうして、
君が先っぽだけを
舐め続けてくれている間はまだ、
君のその直向きな情熱を
受信し続ける感覚器官としての
役割を果たしながらも
痛みとも快感とも着かない
絶妙な感覚に包まれてはいるけれど、
いざ、
俺が頂点に辿り着き、
吐き出す脈動を迎えた瞬間からは、
その鼓動に共鳴する様に
ズキンズキンとした
張り裂ける様な鋭い痛みが
襲い掛かって来るんだよ。 

そんな事で俺は、
君の痛みを理解したくはないんだ。 

そんな事をしなくても、
俺は君の不安を、
知ろうとしてるし、
理解しようとしてる。
解消しよと努力もしてるんだ。 

そんな訴え方は、
決して正しいとは
思えないんだけどな。





だから、もう分かったから、
これ以上は勘弁してよ。
ごめんなさい。
それは君だけの物だよ。






誓うから。





お願いだから。






あっ、


くる。

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