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婚姻届
薄っぺらい茶色の紙。
そんな物が二人で生きて行く確約になるとでも思っているのかな?
確かに俺は、それに対して何の躊躇(ためらい)もなく、何の疑問も抱かずに署名と捺印が出来たけど。
そうする事で俺は、君を手に入れられたとは思っていなかったんだ。
俺が簡単にそうする事が出来たのは、それを君が望んだから出来たんだ。
それが欲しいんだと、君が言い出した物だから、俺はその望みに応えただけなんだ。
それが意味する事なんかは、俺にはどうでも良かったんだよ。
ただ俺は、君を大切にしたい。
そう思っていただけなんだ。
その手段の一つが、君が差し出したその茶色い紙っぺらに署名捺印をする事が君の望みだったから俺は躊躇(ちゅうちょ)はしなかった。
君は、その薄ぺらい紙切れが目的だったかの様に。
それで何かを達成したかの様に。
それが、俺との終着点かの様に喜んでくれたけど、
俺に取っては、そこからが出発点なんだとも思っていなかったんだ。
重い覚悟や、重大な決心などこれっぽっちもしなかった。
ただの法的な手続きでしかない婚姻届。
そんな意味のないぺらぺらな紙切れを二人で役所に届け出る事が、君に取っての喜びなら、君のその嬉しさを俺も感じてみたかったんだ。
だけど、俺的には別に、
ただの、お役所の手続きとしか思えなかったんだ。
みんなを集めて、二人が結婚するって事を見せびらかしたいって君が言うから、ちゃんとした場所を押さえて披露までしたんだ。
そうしたいって君が望んだから、俺は君の望みに沿ってそうしたんだ。
旅行に行きたいんだって君が言うから旅行もしたんだ。
どうしても子供が欲しいって。
家族を増やしたいって。
毎日毎日を歩いて月日にして、
毎月毎月を重ねて年月にして、
毎年毎年を寄り沿って思い出にして、
手と手を繋いで乗り越えて、
苦労と喜びを繰り返して皺にして、
あの、茶色くて薄べらな紙切れに、
ともすれば、何の覚悟すらしもしないで、
言われるがままに、
さらさらと書き込んだ。
その結末は、
その行く末は、まだ未完なんだけど、
これからが、どう動くのかは分かりません。
何がどう変わるのかも知り得ません。
だけど、今、
ここでこうして生きていられる事を
大切にしながら、
守って行こうと誓っていられる事に
感謝しましょう。
俺は、君が楽しそうに笑って家族の為に動き回ってる姿を毎日毎日、その直ぐ側で手伝わされながらも眺めていられる事が、、、
ちょっと幸せなんだ。
後記
何を書いているのかが、自分でも理解できません。
とっ散らかってしまってるのは毎度の事なのでご容赦くださいね。