簡易自分サイズトルソーの作り方 #project
先日服を作ったのですが、自分に合ったサイズでなかったせいか思ったより似合わずもやもやしました。そこで、自分サイズのトルソーを作ってみました。
始めは写真による3Dスキャンでやってみようとしたのですが、うまくいかなかったため、ZOZOスーツ(素晴らしいことに無料!)で採寸し、それをもとに人体3Dモデルをサイズ調整するという簡易的な手法に落ち着きました。完全に自分とまではいきませんが、その分コストも低く作りやすい手法になっています。材料費1000円以下で作成できます。
計測する
まずはZOZOスーツを用意します。注文は↓から。無料で手に入るという恐ろしさ。
画像出典:ZOZOTOWN
計測します。スマートフォンがあればOK。アプリの指示に従っていくだけなので簡単に計測できます。(写真はわざわざ外でやっているけどそんなことをする必要はない)
アプリに計測したサイズが出てきます。3Dモデルデータがダウンロードできるといいのですが、残念ながらそこまではできません。でも、自分のサイズをここまで詳細に見たことってなかなかないのでは?手作業で計測するよりだいぶ楽です(もちろん手作業で計測したって全然いいです)。
3Dデータを作る
今回はMakehumanというフリーのソフトウェアを使用しました。こちらからダウンロードできます。開くとデフォルトの人体モデルが表示されます。Mainタブで性別や身長、人種などが調整できます。
さらにMesureタブでは首や腕、腰など様々な部位のサイズが細かく設定できます。ZOZOスーツの採寸場所とはずれているところもありますが、大体で記入していきます。出来上がったらエクスポートします。
エクスポートしたデータをMeshmixerで開いたところです。これもフリーのソフトウェアです。
必要な部分だけを切り取っていきます。主に「面でカット」のコマンドを使います。
私は腕、頭、下半身を切り取ってこういう形にしました。
カット用データ作成
この大きさを3Dプリントするのは厳しいので、薄い素材を積み重ねて形を作る手法を使います。
Fusion360というCADソフトのSlicerというプラグインを使います。AUTODESK APP STOREでSlicerを検索、Downloadを選び、ウィザードに従いインストールします。
先ほど作った3DモデルをFusion360に読み込み、メイク→Slicer for Fusion360を選ぶと下記のようなウィンドウが立ち上がります。3Dモデルを選択し、OK。ソリッドモデルでないと読み込めないようなので、変換を忘れずに。
Slicerが立ち上がり、モデルが読み込まれます。設定を変えてやることで、格子状に組み合わせて作るためのデータを作ったり、積み重ねて作るためのデータが作れたり、ペーパークラフト式のデータを作れたりします。
さらに、材料の厚さや組み合わせの密度、材料の大きさなども変更することが可能です。
今回は積み重ねる式のデータを作ってみます。
それぞれのパーツのデータがPDFやDXFで出力できます。それぞれにはパーツ番号が記載され、組み合わせの仕方も印刷できます。ちなみに丸い穴が二つあいているのは、組み合わせが簡単になるよう、Fusion360でのモデリング時に穴をあけたためです。全体で60パーツ程度、コンパクトにしたかったので胸の下までの30枚程度を使うことにしました。
切って組み立て
データができたらあとは切るだけです。材料は段ボールでもなんでもいいのですが、今回は軽さと安さを重視して、1cm厚の発泡スチロール板を利用しました。建材用のため、サブロク材(90cm180cm)で380円と安い。ホームセンターで45×30cmにカットしてもらいました。胸の下まで45×30cm約30枚、サブロク材で2枚が実際に使った量です。
あとはレーザーカッターで切っていきます。もちろん紙に印刷して、発泡スチロールカッターで切っても。レーザーで切る場合、発泡スチロールは熱に弱いため1cmの厚みでも1回で簡単に切れます。ひたすら切っていき、穴に棒を差し込んで組み立てていきます。切った板に番号をメモっておくのを忘れないように!棒が入っていない部分は発泡スチロール用の接着で接着。
出来上がり!今回はハンガー的な用途だったのでワイヤーハンガーを通したうえで接着しました。自分の服を着せてみたところ、自分が来ていて似合っていた服は似合うし、似合ってなかった服はこの自分トルソーにも似合わないのでなかなか有効なのではないでしょうか。
次はもう少し下まで作りたいですね。
もちろんもっと薄い材料を重ねて積み上げれば、労力はかかりますがより高解像度で作ることも可能です。また、腰までや下半身のトルソーだってできます。
すべて無料のソフトウェアで、そこまで難しい手順なく作れます。また、スーツでなく手で採寸したり、3Dスキャンのデータを使ったり、格子状の組み方にしたり、作りたいものや使える道具に合わせてアレンジもききやすいです。
私は次作るときはもうちょっと下まで、折り紙風で作りたいですね。