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技術書展4でHelloWorldカルタを作って頒布した話

追記:通販開始しました。https://murasakigoods.booth.pm/items/853566

技術書展4でHelloWorldカルタを頒布しました。買ってくれた方ありがとうございます。作るまでのプロセスとか、どういう風に作ったかとか、どういうスタンスでやったかとかを振り返りました。※全公開投げ銭方式

長いので目次を置いておきます。前半は技術書展前の話、後半は技術書展版に向けた商品の企画(4P)・作成的な話です。

・頒布結果
・全体的な進め方・スタンス
・はじまり
・コンテンツ募集呼びかけ
・遊んでもらう
・販売する 商品企画とミニ量産
 ・もの(Product)
  ・デザイン
 ・販売チャネル(Place)
 ・ミニ量産(作成)
  カード印刷/箱/シール印刷/説明書印刷/箱詰め
 ・価格(Price)
 ・宣伝(Promotion)
・今後

頒布結果

基本パック50個作って見本1個を除く49個、追加パック4個完売。開始一時間せずに売り切れ。

事前の予想では、「50個だと終わるちょい前には売り切れる、100個だと余る」くらいでしたが、実際の感触で言えば200個でも売れたかもしれないくらい、興味を持ってくれた人が多かったです。そもそも技術書展自体の集客力が想像以上で、参加者6380人。売り切れてから「カルタ買おうと思って楽しみに来た」と言ってくださる方もいて申し訳なかった。

通販開始予定なので、買えなかった方はここで登録してもらえると、通販開始の連絡が行きます。http://helloworldkaruta.strikingly.com/

買った人は早速遊んでくれたくれた人も。楽しんでくれたようで嬉しい。みなさん作者の予想を超えて工夫して遊んでおりおもしろいです。


全体的な進め方・スタンス

学生でもない、もちろんカルタ作るのが本業でもないので、そんなにコストかけ過ぎずに、「必要性があればクオリティを上げていく」という方式でやろうというのを基本スタンスにおいています。そのために「まず遊んでもらって感想を聞く」「オープンなプロジェクトにする、そうであると見えるようにする」のを心がけました。

また、「作ったらマサカリ飛んで来るだろうなぁ」というビビリはありつつ、怖がらず、バージョンアップ対応を素早くすることでマサカリに応えるという心意気でやっています。これまでに、エンジニアの声からデータをスプレッドシートからgithubに移したり、修正用データを即日出したりしています(ミスすみません…)。

実際には、例を作ってコードと解説を募集→ ペラ紙で作ってみる→手作りでプロトタイプ作ってエンジニアに実際に遊んでもらう→データ・デザインの改良→ベータ版を技術。書展で頒布→バージョンアップ版作成・通販準備という流れで進めました

はじまり

クリスマスだったかに、うちに遊びに来た人が持って来てくれた「フォントカルタ」で遊んだのがはじまり。おもしろいし、アイデアが素敵だなぇと。その後、飲んだ時に「エンジニア向けならコードで作れるわ!」となった記憶がおぼろげにあります。誰と飲んでいたのかもどんな流れだったかも定かではないですが…たぶん。記憶がすぐ曖昧になるので…。この時点で人に話すと「まぁいいんじゃない?」くらいの鈍い反応でした。ただ、自分的にはいけると思ったので進めることに。

コンテンツ募集呼びかけ

プログラミングに詳しくない自分だけでは心もとないし、みんなでやったほうがおもしろかろうと、Twitterと、エンジニアだらけであろうQiitaマストドンでコードと解説に協力してもらえないか呼びかけました。画像をつけたことで大体やりたいことが伝わったようで、けっこうな人が協力してくれました。これにより「協力してくれた人もいるし」「進捗を書くと反応がもらえる」とか、動機付けが強くなったのも途中で飽きてやめてしがちな自分にとって良かったです。

遊んでもらう

面白そうと思ってもらえたのはいいのですが、実際のところやってみないとわかりません。コードだけで本当に取れるのか?遊び方はこれでいいのか?など、実際にエンジニアに遊んでもらうため、夫の会社のTGIFに参加させてもらうようにお願いしました。この日に向けて、解説を足したり、印刷データを作ったり。ちゃんとそれっぽい方がカルタ感が出て楽しいだろうと思い、会社帰りにキンコーズで厚い紙に印刷。手でじゃきじゃき切って持って行きました。これがかなりの盛り上がりに。「欲しい!」という声ももらえ、おもしろいんだ!という実感を得られて自信が持てるように。特にボードゲームをいろいろやっている人に「どうっすか?」と聞いたら「いいんじゃない?」と言ってもらえて安心しました。

以下はこの時点で決定。

もともとは「言語名→解説」だった読む順番を、「解説→言語名」へ。言語だと、わかる人は一瞬でとってしまうため。

枚数は20枚前後。カルタは通常48枚ですが、普通のカルタより1枚に時間がかかるため、多すぎるとダレるため。また、強い人が突出することがあり、それもダレる。ので、飲み会とかでさらっと20分くらいで楽しめるのがいいなと少なめにしました。

販売する  商品企画とミニ量産

欲しいといってくれる人もいるし、もっと多くの人に遊んでもらいたいな、と思い販売をしてみようと決めました。この時点で「たくさん作るにはどうするか」「どこで売るか」「値段は?個数は?」など、たくさん判断することが出て来ました。

もの(Product)

まず、「正しいかよりも、楽しいか・盛り上がれるか」を重視しています。教育用ではなく、エンジニア同士が楽しく遊ぶ、仲よくなったりアイスブレイクになる、というのが(強く言うなら)役割かな、と。

なので、言語の選定も「プログラミングだけでなく周辺領域も含める」「多くのエンジニアが知っている言語を入れる」「おもしろいもの、名前は知っていてもコードは知らなさそうなものも混ぜ込む」ようにしてます。ゲームとして単調にならないように、ついでに「なにこれ?」みたいな発見があると楽しいかなと。あと、ものすごいガチなエンジニアだけでなく、WEBデザイナーとかが混じっても遊べるといいなぁという希望もあります。

コードや解説は、基本的な情報と、その言語を知らなくてもわかるようなヒント、時々ユーモアっぽいのが入るようにしています。決定的なヒントは後ろに来るように、というのを心がけています。

ただ、Twitterで公募とはいっても自分で調べながら書いている言語もあり、エンジア的にマッチしていないものもまだまだあるようです。改良の余地があるなと感じているので、バージョンアップをかけたい部分です。言語や解説については、初期からβ版までに3回ほどバージョンアップをかけています。

余談ですが、Emojicodeの絵文字は権利侵害にならぬようAppleのを使わず、商業利用OKのTwimojiを一個一個貼り付けて作りました。めんどくさかったです。

デザイン

もともとのデザインはフォントカルタにならったシンプルなものでした。ただ「あんまりかっこよくない」などの意見をもらったので、@htomineに改良してもらって、よりデジタルっぽく、エディタなどを模したデザインに変えました。Qiitaを応援しているのと、「Qiitaのグッズにしてもらえないかな〜」みたいな邪な気持ちがあったので、Qiitaカラーの緑、シンタックスハイライトもQiitaとだいたい同じやつ、というQiitaデザインに。ちなみにエディタはatom。

販売チャネル(Place)

さて、作ったとしてどこで売るかが問題です。題材がニッチなので、たくさん人が来るからと言ってスーパーに置いたって売れないでしょう。アナログゲーム店、通販、クラウドファンディング、ゲームマーケット、コミケなどが候補に上がりました。

どれくらい売れるかわからない状態で作ることを考えると、当初はリスクのないクラウドファンディングでやろうかと思っていました。が、ちょうどその時期似たような「プログラミングカルタ」というものがクラウドファンディング準備中だという情報をキャッチ。似たプロジェクトが並ぶと投資も分散してしまうし、金額とかが比較して見れてしまうのもいやだな、と思って他の手段を考え始めました。

β版だし小規模にできる方が良い、ユーザーはエンジニア、あまり先過ぎない(初めて遊んでもらったのが2月)、ということで調べていくと・・・ぴったりなイベントが!技術書展4!

前行った時は入れなかったくらいの人気イベント、ターゲットもぴったり!最高!が、ちょうど数日前にサークル申し込みが締め切られたばかり。周りの人間に「技術書展申し込んだりしてない?」と聞く日々…。と偶然、もう数年来交流していないシェアハウスの元同居人がfacebookで「技術書展出します、委託とかもできるかも」という書き込みを。「図々しいかな・・・」と思いつつ一縷の望みを託してコメントを書き込みました。諸々の確認期間を経てOK。ありがてぇ。

ミニ量産(作成)

さて、売る場所が決まったら作らねば。しかし、オリジナルカルタの業者を調べたら、最小ロット100個〜、単価2000円〜、と「ちょっと無理です」という価格。トレーディングカード印刷だともう少し安く小ロットだったが、私が調べたところだとそれでも50個だとカードだけで1000円超えてしまいます。というわけで、名刺印刷を流用し、箱などは別に用意して自前で箱詰めすることでコストを抑えることにしました。もちろんロットを大きくすることで安くするという選択肢もあるのですが、小回りが利かなくなるのが嫌だったので。

カード印刷
というわけで20枚面つけができるオンデマンド業者を探して、[ライオン印刷](https://www.lion-meishi.com/)さんに頼みました。対応がめっちゃ早くて、入稿した当日に発送の連絡が来てびっくり。名刺印刷は小ロットでも安くできるところが多いし、対応も早い、紙もまぁそこそこ選べる、と強い。


オリジナルで印刷した箱を作ることを検討しましたが、、ロットが100以上、もしくは単価が高いというものが多かったので諦めました。ネットで名刺箱を結構探して、サンプル取り寄せも3社。最終的にはPaperStyleさんのメール便用のボール紙の名刺箱を利用しました。横に2種類並ぶものがカルタっぽく、メール便で送れるのも良い。名刺差し込み用の切れ込みがかっこ悪かったのでシールを貼って隠しています。

シール印刷
シールはここで。小ロットでも安かったので。けっこう業者によって値段が違いますね。

説明書印刷
印刷はイベント前日にキンコーズで。ぎりぎりマンに優しいキンコーズ。あとから調べたら折りもやってくれるサービスがあったのだが、知らなかったので100枚自分で海外ドラマを見ながら折りました。オレンジイズニューブラック、けっこうおもしろいですよ。エロネタが多い。

箱詰め
カードはばらばらに来るので、40種類1セットになるように仕分けし直して、箱詰め、シール貼り。家に遊びにきた人に手伝ってもらったりしながらやりました。単純作業は好きなのであとは一人でもくもくと。合計で丸1日くらいの時間は使っていると思います。手間はかかるのですが、ファーストとしては「作ってる感」があってなかなかよかったです。今後は避けたいですが・・・

価格(Price)

価格はちょっと悩みましたが、結局1500円にしました。実は、純粋な印刷代だけで計算するならもうちょっと安く売れます。でも、以下のような理由からこの値段に落ち着きました。

・箱詰めなどの手でやっている部分を外に出しても赤字にならない・場所代を出しても赤字にならないバッファを持っておく(今回は委託先のアナトリーラボさんの厚意で場所代はだしていません)。一過性でなく、今後も作りながらバージョンアップさせるには、赤字にならず、負担が小さく作れるようにしなければと思っています。

・単純に試作代とかでぼちぼちかかっているので、研究費用扱いで上乗せ。

・プログラミングカルタより高くない。極端に安くない。(プログラミングカルタ3000円からだけど本とステッカーつくので極端に安くはない、と判断。)

・即売会なので500円刻みがお釣りが出しやすい。

宣伝(Promotion)

身銭を切ることにしたし在庫は抱えたくない!ということで宣伝は積極的に行なった(つもり)です。心がけたことは以下。実際に「Twitterでみました」という人がぼちぼちいて、一定の効果はあったと思われます。

・ Twitter、facebook、ブログで発信。ハッシュタグをつけてみたりスレッドにしてみたり、名前変えてみたり。

・作成についての投稿はエンジニアがいっぱいいるQiitaのマストドンでも投稿。

・ 興味を持ってくれた人が引き続き情報を受け取れるよう、簡易的にHPを作って「情報を受け取る」ボタンを設置。HP作成サービスでサクッと。

・ 作成に人を巻き込む。作成が助かるというのはもちろん、宣伝についてもプラスの効果がある。「自分が参加しているプロジェクト」であれば、その人からも発信してくれる可能性が高まる。

・ 作成し始めからイベントまではけっこう間があった。進んでいることがわかるよう、作成中のデザイン箱詰めなどの作業も写真で発信する。これは大体Twitter。

・ イベントなどに持っていく、持っていってもらう。NT京都、BCUなど。これは意図したというより、「せっかくなら展示しなよ」「宣伝するからもっていかせて」みたいな感じで受動的なもの。が、結果的に「BCUでおもしろかったので買いに来た」みたいな人も。

・あとこれは全体的に「ユーザー(エンジニア)界隈に声の届く(フォロワーが多いとか)」人に広めてもらえると全然違う。htomineがリツイートとかいっぱいしてくれたので助かりました。ありがとう夫。

メディアとかにとりあげられるとより宣伝にはなるのだろうけど、今回はβ版なのもありそこは考えていませんでした。

今後

欲しいと行ってくれた人に届いていないので、今急いで通販を用意しています。今週末から来週頭くらいには始められるかと思います。

現状のバージョンアップもしたいですし、テーマを持ったパック(フロントエンドパックとかものつくりパックとか)も作りたいし、英語版も作りたいし、コラボとかもしたい。

やっていきますので、宜しくお願いします。

http://helloworldkaruta.strikingly.com/

謝辞

名無しで協力してくれた人、買ってくれた人、遊んでくれた人もありがとう!

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